二階の他人のレビュー・感想・評価
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突っ込みどころ満載の壊れた脚本だと感じる。
「人間はみんなウマシカだよ!」見ている僕が一番ウマシカだった。
比べたくないが、それまで小津安二郎監督や黒澤明監督がいた日本映画界が、彼等がいらっしゃらなくなって、瓦解が急に始まったと判断できる。
突っ込みどころ満載の壊れた脚本だと感じる。
また、「核家族」がどんなものか分かっていない中産階級が、俯瞰した目で見下した想像劇。
同じ演出家が、同じキャストを使って、「崩壊する大家族」を描くが、なんとなく的外れ。
「誰が母親の面倒を見るか?」なんてその後の大和民族にはあり得ない逸話。「他人に見させるべき」は自明の理である。勿論、お金を社会が負担すべきで、そう言った話にならないから「75歳で死ね」と国から脅される。いやいや、そんな国ではないが、そんな想像をする人が映画賞を取ってしまう。なんか矛盾している。
山田映画の原点
新築夫婦と二階に住む不可思議な下宿人たちとのやりとりを時におかしく、時に切なく描き出した山田洋次の処女作。喜劇と悲劇の相互嵌入的な物語構成はいかにも山田洋次らしい。また下宿という「ウチ」と「ソト」の境界がほどよく緩解している空間を舞台にしたのも上手い。
夫婦の家に時折転がり込んでくる夫の母親がなんともいい味を出していた。家賃を払わない下宿人カップルに「飯抜き」の罰を講じる夫婦に対して、彼女が「兵糧攻めなんてやり口が汚いよ」と悪態をつくシーンが可笑しかった。あとは「警察がこんなこと言うもんじゃないけど…」と一応弁明しながら下宿人カップルに対する夫婦の私刑を是認する警官もよかった。
ものごとの輪郭線が適度にぼやけている空間というのは心地がいい。癖の強い下宿人を連続して引き当ててしまった夫婦が、それでも「まあ次は何とかなるさ」と開き直れるのは、彼らが他者に対して「かくあるべし」といった教条主義的な固定観念を抱いていないからだ。人間っていうものは杓子定規にゃいかんけど、裏を返せばその都度都度でどうとでも折り合っていけるってことだよな、というポジティブな諦観とでもいうべきか。
私がなんだかんだで山田洋次を好きなのは、私自身が山田作品に出てくる人々のように大雑把で楽天的な性格だからなのかもしれない。それでうまくいく世界であってほしいと願うばかりだ。
短編映画なので頭が疲れなくて良い
葉室夫婦は、2階を貸したが2回とも特殊な夫婦だった
①1回目の小泉夫婦は、夫が仕事嫌いで就職先を斡旋しても働かず
3ケ月分の家賃滞納の後、家主に追い出されて退去
②2回目の来島夫婦は、会社のお金を持ち出した指名手配犯
最後は、自首して警察に連行された
家主に被害はなし → OKかな
暗い面もあるが、明るい面もあって良かった
映画としては、ハッピーエンド扱いで良いかな
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