どうぶつ宝島

劇場公開日:

解説

一八五〇年、英国北部スコットランドに生まれたロバート・ルイス・スチーブンソン原作の「宝島」を、「アンデルセン物語」「長靴をはいた猫」「ちびっ子レミと名犬カピ」の東映が創立20周年を記念して、世界名作童話動画化シリーズとして製作した。

1971年製作/78分/日本
原題または英題:Treasure Island
配給:東映
劇場公開日:1971年3月20日

ストーリー

さびれた港町。ジムの家は貧しいホテルだった。ある日猫の船員がやってきて、ジムに金貨をくれた。そして猫は、部屋に宝島の地図を残したまま一癖ありそうなブタやオオカミの船員に連れ去られて二度とジムの前に現われなかった。ジムは航海に憧れて、オンボロ船を造り、ネコの船員が残していった地図を持って、ネズミのグランと赤ん坊のバブを連れて出航した。やがてジムたちは、大ブタのシルバー船長率いる海賊船ボークソテー号に発見され、奴隷として使われることになり、船が海賊島に到着すると金貨一枚で奴隷商人に売られ、牢屋に放りこまれた。ジムはそこで、同じ境偶の故フリント船長の孫娘キャシーを知った。キャシーは、ブーツの中に宝の箱をあけるペンダントを隠し持っていた。協力を誓ったジムとキャシーは牢を抜けだし、地図をとり戻した。シルバー船長の申しでで、ジムたちはボークソテー号に乗りこみ、出港した。シルバーは、どうにかして地図を我が物にしようとしたがうまくいかず、やがて船は宝島に着いた。珍らしい蝶が飛び、美しい花や果物がなっていた。最終の湖にたどり着いた。そばの洞窟の鎖をひくと、どどっともーれつな勢いで水が噴きだした。湖の水がぬけたのである。シルバーは水に呑まれた。湖の底からは、沈没船が現われた。船の中には、まばゆいばかりの光を放っている宝がつまっている箱があった。

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映画レビュー

3.5栴檀は双葉より芳し。宮崎駿の萌芽はここに

2023年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

小学校の講堂で、上映会があったまんが映画。当時アニメのことをそう呼んでいました。たいていは、大人の忖度が働いた、上品で少々退屈な文芸調の映画が選ばれるのでしょうが、なぜか、バリバリのエンターテインメント作品が上映され、子供たちは大喜び。まぁ、みんなボーっとしていた感じは否めませんが、お気に入りの一本になったことは間違いありません。 小学校の低学年には、長めの上映時間ながら、最後まで飽きずに見終えたので、かなりのめり込んで見ていたはずです。 おぼろげな記憶を頼りに、印象を語るなら、「ラピュタ」の原型はここにあった気がします。出演している声優さんたちも、名前だけで、その声が思い出せるほどのキャラクター揃いで、大切な思い出です。

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うそつきカモメ

4.5宮崎駿の偉業。その払暁。

2022年1月8日
PCから投稿

アイデア構成というわけのわからんポジションで20代の宮崎駿が参加している。何を担当したかは映画を見てみれば一目瞭然。この映画はまさしく宮崎駿カラーである。のみならずその後の宮崎駿の全てがここにあると言っても過言ではない。 映画中盤あたりの一つ一つのアイデアは今では完全にベタで全く面白くない。が、全体のストーリーがしっかりしているのでまあまあ生きて効いている。余計なエピソードをいれることなくテンポよく進んでいくので飽きる暇もない。そして中半にアクション的に盛り上がる部分があり、それが映画の成功を確保したように思う。そしてクライマックスでもう1度盛り上げるのに大成功している。ここでは崖のアイデアが実に生きている。 ヒロインの登場のタイミングとその後の絡みの妙、わき役の一人一人に至るまで活かされされている全体の絡みのうまさ。そして何よりも作品に若さとエネルギーがあり輝いている。古い映画ではあるが明らかに宮崎駿の傑作の一つに数えられるべき作品だと思う。 それから脚本で着目すべき部分をひとつだけ指摘してみたい。というのは、この映画には人間ドラマというものがほとんど入っていない点だ。普通、映画の中には何か内面に問題を抱えてる人物が出てきてきてそれが昇華されていく部分が見どころと言うかグッとくる部分になっている。なのにこの映画にはそれがない。それがないというのは脚本家目線で言うと非常に書きにくいということなのだ。主人公の悩みが昇華されていくという話は書きやすいのである。 それがないというのは脚本技術としては高等技術。それがないことによって全体が軽くなり子供たちが楽しめるようになり冒険の面白さがクローズアップされている。同じように人間ドラマが入っておらず活劇の面白さだけでみせている映画は例えば黒澤明の隠し砦の三悪人がある。映画監督なら誰でやってみたいと思う脚本と言えよう。 この作品は現代アニメとは違うコンセプトに基づいて絵が描かれており今見ると逆に斬新さを感じた。崖の下のポニョではこんな感じの作品を作りたかったのではないかと思う。しかし、作れなかった。簡単な構成、アイデアのようではあっても、この映画もまた、作ろうと意気込んでみても作れるレベルの作品ではないのだ。

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タンバラライ

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