「親孝行」東京物語 りかさんの映画レビュー(感想・評価)
親孝行
70年前の作品。
今よりもっとちゃんと親孝行するのだと思っていた。
滅多に上京しない両親が出て来るというのに、
実子の長男長女は、
初めだけであとはほったらかし。
旅行をプレゼントするが、
その旅館、他の客の宴会で遅くまでドンチャン騒ぎ、それが部屋までよく聞こえて来て寝られやしない。
体のいい厄介払い。
戦死した次男嫁が、仕事を休み自身のアパートに泊めてくれる。
故郷に帰る途中体調を崩した母。
危篤の知らせがあり、長男長女次男嫁駆けつけるが、
ちゃっかり喪服持参の実子たち。
次男嫁は、そんなこと毛頭思いつかなかった、と。
葬儀が終わりさっさと帰る実子たち。
一人義父の元にとどまる次男嫁。
義父は何を思っただろうか。
そうなんです、監督が選ぶ世界ナンバーワンの作品‼️ナンバーワンじゃないけど、ちょっと前までベストテンには黒澤明監督の「羅生門」とか「七人の侍」が入ってました‼️やっぱり、日本映画は凄い‼️最近、映画は韓国に負けてるとか言われますけど、韓国にはいないですもん、黒澤明や小津安二郎は‼️
共感とコメントをありがとうございます。
シビアシビアでしたねぇ。
本当に、おおらかなご両親であるからこそ、観ていて辛かったです。
ただ、長男・長女も親孝行したくなかったわけではなかったと思います。何もできない心苦しさから、せめて楽しんでもらいたい、熱海も評判が良いところだから行かせたいと選択していました。ただ、どんな評判で、どんな人たちに評判かのリサーチがなかっただけで。若者主体の町内会の慰労会だったら「すばらしかった」という評になったのでしょう。今はレビューとかで事前に調べられるから便利ですね。
三男は間が悪かったし。
今みたいに、ラインやメール・電話で、皆の都合をつけて、一緒にハワイ旅行(熱海も復活しているから熱海旅行?)とかなら良かったのに。今は本当に便利ですね。
生活の基盤が分かれてしまった悲劇と言うか。
長男は医師として残してきた患者を思っての早々の帰宅でしょうし、長女は薄利多売の事業主。休みが続いたら同業他社に顧客を取られそうですし。紀子のように、被雇用者として、休み(有休・忌引き・土日休やお盆休暇)が取れてonとoffがはっきりしている職業かどうかというのも、長男・長女と次男の嫁の行動を分けているかなと思います。三女も、教師として雇用されていますが、仕事中に家に戻れる就業スタイルでした。
子どもの自立との兼ね合い。嫁姑問題や実家から自立できない嫁、パラサイトや母子共生から抜け出せない家族も存在している現代。
家族であっても、家族だからこそ、距離の取り方が難しいと思いました。
どちらかというと今の方が親は子どもに優しくなり、子どもも厳しくされなかった分、親に優しいのかもしれません。
また、今と違って生きていくだけでも大変な時代だったのだと思います。