劇場公開日 1995年10月21日

TOKYO FIST 東京フィストのレビュー・感想・評価

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3.0極まる変態度

2021年3月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

怒りをコントロールできない癖がありつつ、平穏に過ごしていた筈のカップルに割り込む訳ありボクサー、嫉妬心から火が付いたのかド変態極まりない三角関係。

サディスティックに痛みを極める女の奥二重過ぎる瞼が女優のりょうに激似、輪島功一の独特な存在感、塚本晋也が描くボクシング映画は混沌としたディストピアな世界観とオドロオドロしい暴力性が"鉄男"を引き摺っているかの如く鳴り響くようなメタリックな要素が痛々しく感じる。

急に怒り出したりキュートに甘える仕草を見せる塚本晋也の演技がツボにハマる。

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万年 東一

3.0ナメんなよ!

2020年8月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

塚本晋也監督1995年の作品。
題材としては、ボクシング。
が、この異才が普通のボクシング映画を作る訳ない。
まるで『鉄男』のボクシング・バージョンとでも言うべき、これまた強烈ムービー。

恋人ひづると同棲しているサラリーマンの津田。
ある日、学生時代の後輩・小島と再会。ボクサーとして活躍していた。
そんな小島はひづるに色目を使い、遂には略奪。取り戻そうとやって来た津田を一撃でKO。
復讐心に燃える津田は、ボクシングを習い始め…。

『ロッキー』や『クリード』でも、一度敗れリベンジ果たす展開あったが、そんな爽快感あるもんじゃない。
濃密な人物描写、怖さすら感じさせる三角関係、お馴染みのバイオレンス!
津田が一撃でKOされた際の、顔の歪み、血しぶき。
過剰過ぎるかもしれないが、ボクサーのパンチは凶器。実際受けた側の衝撃はこれぐらい…いや、これ以上なのだろう。

『鉄男』でも見られた肉体変化は本作でも。
ボクシングを習い、身体を鍛え始める津田。
小島の鍛え抜かれたボクシング体型。
ひづるは自らの身体を痛めるかのように、それまでしていなかった耳にピアスや身体に鉄の棒を刺す。

その異常なまでの執着心を、塚本監督が狂気的に鮮烈に演出。映像表現も音楽も、塚本ワールド! 主演も兼。
小島役の塚本耕司は監督の実弟で、実際にボクサー。
ひづる役の藤井かほり共々、メイン3人が圧巻の熱演・怪演。

あらすじだけ見ると、津田の方に感情移入しそうだが、彼にも卑屈な面が。
挑発的な小島だが、彼も試合前に見せる弱さも。
ひづるもただ2人の男の間で揺れ動くようなか弱いヒロインじゃない。ナメんなよ!

クライマックスは2人の因縁のガチンコ試合を期待していたので、ちとアレレ…。
塚本監督が掘り下げ描きたかったのは、人間、都会、孤独、そして…
津田がひづるに見せた血まみれの顔は、本作は塚本監督ならではの異色のラブストーリーであったのだ。

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近大