東京兄妹のレビュー・感想・評価
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小津と現代
これも市川準監督没後、しかもDVD化されてから初めて観た。
公開当時から多くの人が指摘していたが、明らかに市川監督が敬愛する小津安二郎を意識した映画である(市川本人は小津へのオマージュという評価は必ずしも肯定はしていないようだが)。ただ正直言って、その小津的世界観が(公開当時の)現在の現実とすでに合わなくなっていたため、どうにも不自然さがぬぐえなかった。いつもの野外ロケで街の風景を映し出す市川監督の映像は当時の空気を感じさせてなんとも懐かしいのだが、そのロケで映される現代の風景に主人公兄妹の古い一軒家の佇まいや室内が上手く馴染んでなくて、なんだかちょっと浮いてしまっている。また個人的には兄妹の関係性も非現実的に感じられ、有り体に言えばちょっと気色悪くて受け入れがたかった。
とはいえ市川監督だから全くつまらないわけではないのだが、どうも小津リスペクトが過ぎて市川監督の個性が若干死んでしまっているような気がした。決してつまらなくはないんですけどね。
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