劇場公開日 1984年12月15日

「1984年の日本人ツアー旅行」天国にいちばん近い島 Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.01984年の日本人ツアー旅行

2022年8月13日
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鑑賞方法:TV地上波

単純

幸せ

寝られる

本作はほぼ全編ニューカレドニアロケで作られた、いわばリゾート映画ですが、よく見てみると戦後、復興、高度成長、学生・空港闘争、これらがみな一息ついてしまって、でもまだのちにバブル景気云々と言われるほど日本産業・経済が過加速しているとは分かってなかった頃わずか数年間の日本の空気感がよく感じられる作品です。

当時“漢”のみの部活とバイクに没頭(こう書くとカッコいいな‥)していた頃の自分は見向きもしなかった(鑑賞するお金もなかった)ですが、若者の皆さんの間では結構話題となり(角川筆頭に雑誌・イベント影響力も巨大だった)、色々なものと原田知世が流行しました。

と、映画の中身ですが、長年の予想通り大したものはありません。役者さんは懸命に演じているしロケ先の風景とその画の構図は綺麗ですが、撮影の光の具合が平坦、音声がまるでラジオ朗読劇、台詞回しが大林演出を超えて単調で陳腐、そしてそれらを気にしてしまうと物語進行(それも文字通り“微妙”)にも集中できません。

ただコレを「南国リゾートホテルの豪華パンフレット」とか、「ゆるいラブストーリー仕立ての観光紹介ビデオ」と思って見ればそれなりに落ち着いて楽しめます… スミマセン大林監督、私はアンチではありません(「ねらわれた学園」とかはまあ酷かったけど)。

いくつかの意味でエポックメーキングだったことは事実な映画で、少し懐かしい気分にもなれて感謝の作品です。同時代以上の方々以外には多分全くワケ分からないレビューでスミマセン。

keebirdz