転校生のレビュー・感想・評価
全14件を表示
小林聡美にもウブな時代があったんだな
1982年公開
映画.comオールタイムベスト
Amazonで購入したDVDで鑑賞
サブスクにはないしTSUTAYAでもゲオでもレンタルされていない幻の傑作
意外にも多分初鑑賞
原作は『サムライの子』『あばれはっちゃく』『さびしんぼう(原作タイトル:なんだかへんて子)』『はるか、ノスタルジィ』の山中恒
監督は『時をかける少女(1983)』『天国にいちばん近い島』『さびしんぼう』『はるか、ノスタルジィ』『転校生 さよならあなた』の大林宣彦
脚本は『時をかける少女(1983)』『愛情物語』『天国にいちばん近い島』『さびしんぼう』『潮騒(1985)』の剣持亘
舞台は広島県尾道市
粗筋
斉藤一夫が通う中学のクラスに女子の転校生がやってきた
幼稚園の頃に幼馴染だった斉藤一美だった
小学に上がる前に一美は父親の仕事の都合で神戸に引っ越したが尾道に戻ってきたのだ
なんやかんやと思い出話に花を咲かせ再会を喜んでいた?2人ではあったがひょんなことから神社の階段から転げ落ちてしまう
特に怪我もなく無事な2人ではあったが階段で回転しまくった拍子に中身が入れ替わってしまう珍体験
なかなか元に戻らないまま一美(見た目は一夫)は父の栄転で横浜に引っ越すことに
男女入れ替わりモノの元祖?
青春コメディ
原作のタイトルは『おれがあいつであいつがおれで』
なんといってもヒロインの小林聡美に尽きる
若い!声まで違う!稀にいま現在の小林聡美が出る時はあったが
初々しい
誰にでも若い頃があるんだな
こっちまで恥ずかしくなる
86年公開斉藤由貴主演『恋する女たち』に美術部の生徒として出演しているがこの頃にはすでに今現在の太々しい小林聡美がほぼ完成されている
今現在早いもので60歳
撮影当時はおそらく16歳くらいかもしれない
それでパンツ一丁に乳房露出
30歳近いグラビアアイドルが出すのとはわけが違う
ティーンエイジャーとしては大問題
本人はとても嫌だったに違いないが近年ありがちな監督らを訴える裁判沙汰にはならなかった
監督が病気を患い余命わずかなことも考慮したのかもしれない
女性俳優をけしかける胡散臭い団体も大林監督がどちらかと言えば左のほうなので仲間割れはまずいと判断したのかもしれない
中身は男の女子中学生を演じる小林聡美
中身は女の男子中学生を演じる尾美としのり
一夫(見た目は一美)はそこまで粗暴な喋り方だったかな
一美(見た目は一夫)は完全にオカマだ
彼らの演技力の問題ではなく監督の演出だろう
娯楽映画はリアルよりわかりやすさが大事
多少極端なくらいが丁度良いというスタンス
小林聡美の胸に尾美としのりが右頬を当てるシーンがある
その時の彼女の表情がなんともいじらしい
今の小林聡美では出せない味
小林聡美が男子生徒のケツを下げて懲らしめるシーンがあるが女子でもないのに不思議とスカッとした
なぜかタイトルは『転校生』
原作のタイトルで良かったのではないか
10代の頃からそう思っていた
なぜこんな地味なタイトルにしたのか
全然キャッチーじゃない
タイトルのインパクトって結構大事
調べてみるとどうやら原作のタイトルだとSF丸出しだから青春映画として多くの人を観てもらえればという悪意無き詐欺行為
転校生を「性の転向」とかけているのではないかという意見もあり「なるほど」とは思ったが大林側にそういう意図はないようだ
原作は児童文学で入れ替わるのは小学生
旺文社の小6時代で連載された
大林監督に持ち掛けたのは実際にこの作品を読んだ脚本家の剣持亘
10年くらい脚本を書いていないスランプ状態の脚本家だった
それが影響したのか設定を変えたのに原作に忠実であったために不自然なシーンが多く見られるのが残念
2人でこそこそ話すならともかくクラスのみんながいる中で幼稚園時代の恥ずかしい話を大っぴらにカミングアウトしないよね中三の女子ならその程度の配慮はできるはず
数々のクラシック音楽がBGMとして使用されている
サンリオの社長がハレンチ学園のようだと激怒しスポンサーを降りてしまい大ピンチだったらしいがなんやかんやで公開できる運びになった
この映画の裏話だけ集めて1本の映画になりそうで面白い
始まりから入れ替わる直後までとラストの引っ越しシーンがなぜかモノクロ
小説でいえばプロローグとエピローグか
追いかける小林聡美が振り返り背中を向けるシーンがせつない
ちなみに一美の兄役でしょこたんのお父さんが出演している
彼の声と動いている彼は初めて観た
やっぱりしょこたんのパパかっこいい
Amazonでも良いしU-NEXTでも良い
配信してくれ
この作品はより多くの人に観てもらいたい
配役
勉強は苦手でやんちゃな尾道の中学生の斉藤一夫に尾美としのり
幼年時代の一夫に円福寺幸二
神戸から転校してきたが幼稚園の頃は尾道に住んでいたため一夫と幼馴染で成績優秀だがカナヅチの中学生の斉藤一美に小林聡美
幼年時代の一美に奥藤直美
一夫の父親で親会社がある横浜に栄転することになった斉藤明夫に佐藤允
一夫の母親の斉藤直子に樹木希林
一美の父親の斉藤孝造に宍戸錠
一美の母親の斉藤千恵に入江若葉
一美の長兄の斉藤良行に中川勝彦
一美の次兄の斉藤次郎に井上浩一
一美の祖母(故人)に高橋ます乃
中学校の担任教師で数学担当の大野光子に志穂美悦子
一夫の友人の金子正昭に岩本宗規
一夫の友人の佐久井健治に大山大介
一夫の友人の福田静男に斎藤孝弘
裕福な家の娘で病気が影響し2歳年上のクラスメイトの川原敬子に柿崎澄子
一美の転校前の学校の同じクラスの生徒で勉強もスポーツも得意でカッコいい山本ヒロシに山中康仁
一美の転校前の学校の生徒で一美の友人でSF作家志望のせいか一美と一夫の男女入れ替わりを唯一信じた吉野アケミに林優枝
校長に加藤春哉
チンピラに鴨志田和夫
一夫と一美とツアー客と勘違いしたツアー旅行の幹事に鶴田忍
旅館の番頭に人見きよし
渡し船で8mmカメラを持つ少女に大林千茱萸
女子生徒Aに早乙女朋子
女子生徒Bに秋田真貴
女子生徒Cに石橋小百合
女子生徒Dに伊藤美穂子
理科の先生に西尾公男
社会の先生に新宅芳子
仲居に須賀俊子
敬子の姉に藤田幸
敬子の弟のヒロシに松谷圭
床屋に佐藤孝
列車の客に土肥政男
キュンキュンした❗️
君のカラダで僕を守って
1個のあり得ないような事態を描くために
99のあるあるリアリティを敷き詰めなければ映画にならない
とは誰からか聞いたことがある
これはまさにバックトゥザ・フューチャーに通じていた
30年前1955年にタイムスリップした主人公のおはなしはいかに1985年に帰還するかがドラマの芯
転校生は、男女入れ替わった中学生が
いつになれば元に戻れるか、それまでの日常がサスペンスとなる
尋常じゃない
他人のカラダを背負って生きること
他人の見方を知ってしまうこと
他人は自分であり、自分の体はじぶんではない
大林監督は、このプロットを
わりとドキュメンタリーふうに作ったと思う
変に技巧せず、ふたりの間をたっぷりとった
尾美としのり、小林聡美は、もう映画史に残る存在感だ、なまなましさ、あせくささ、いじらしさ、もどかしさ、いのちの表現
ATG映画はやっぱりいいなあ!
日テレ製作だから、金ローでよくやっていたらしいけど、あの枠だから20分はバッサリ切って放映していたず。ならば印象は単なるドタバタ、月曜ドラマランドでやった風だろう。
思春期、人生の基盤をつくるたいせつな時間。
自分が親なら子に見せるべき、ある意味性教育の
名作。
いまならこれ、カンヌ案件じゃないの?!
超久方ぶりに観て恐るべき先進性に驚嘆しました 単なるリリシズムの映画ではなかったのです
1982年公開
1981年「ねらわれた学園」の次の作品
本作の次が1983年の「時をかける少女」という順番です
大林宣彦監督が本格的にブレイクしたヒット作といえます
本作の「転校生」、「時をかける少女」、1985年の「さびしんぼう」と併せて、これら三作が「尾道三部作」と言われて有名です
因みに「新・尾道三部作」もあります
こちらは以下の作品です
1991年「ふたり」
1995年「あした」
1999年「あの、夏の日 - とんでろ じいちゃん」
大林宣彦監督のファンならもちろん全部観ているはずですね
ところがどっこい、本作と「あした」は視聴困難で、中古DVDが高値で売られています
何が問題なのかサッパリ分かりません
今日の目で観るとコンプライアンス的にマズいことがあるのでしょうか?
それでかどうか分かりませんが、本作は、大林宣彦監督のセルフリメイクで2007年に「転校生 -さよなら あなた-」が公開されています
但し舞台は尾道から長野市に変更されています
大林宣彦監督ならではのリリシズムが全編に溢れています
この作風が今では当然のように思い浮かべられるのですが、それまではどちらかというとキッチュでコミカルな映像作家というイメージでしたから、ずいぶんと作風が変わったと思ったものでした
本作を観ると自分自身の青春の思い出までが一気にフラッシュバックしてしまいます
白黒映像がリアルの記録
カラー映像が思い出の中
思い出こそ写真より何十倍も情報量が多いのです
尾道の光景は本作から話題になっていったのです
本作は作品のヒットと共に、尾道をまるでスターのように有名にした最初の作品なのです
そして超久方ぶりに観て恐るべき先進性に驚嘆しました
単なるリリシズムの映画ではなかったのです
それはLGBTについての問題提起です
本作はそれを40年も前に真っ正面から扱っていたのです
男の人格なのに、肉体は女
女の人格なのに、肉体は男
しかもそれがトランスしているのです
主人公達はそのことを周囲に気付かれないように苦労して生活することで強烈なストレスを毎日味わって生きていかねばならない人間なのです
本作とは、そういう映画であったのです
今こそ本作を観るべきです
LGBTを考える良い手始めだと思いました
【”お前は俺で、俺はお前なんだよ!” 第二次性徴期の男女が入れ替わりにより困惑する姿を小林聡美の女優根性と、尾美としのりのなよなよ演技が見事に表現した作品。近代邦画のジュブナイル映画の秀作。】
ー 或る年代以上の映画好きには、忘れ難き作品ではないだろうか・・。ー
■感想
1.作品構成の妙
・転校してきた斎藤一美と斎藤一夫が、神社の階段から転げ落ちるシーンまではモノクロで、階段下の前の踏切を電車が取り過ぎるシーンから、カラーに切り替わり、ラスト、再び二人が同じ階段で転げ落ちるシーンから、再びモノクロに変わる、印象的な色彩の使い方。
2.若き小林聡美さんと、尾美としのりさんの、振り切った演技及び異性を演じる表現力。
1)特に小林さん。年頃の女性で、頑張ったなあ‥。実際には、大変みたいだったけれど、あの頑張りが今の小林さんの女優としての確固たる地位を築いたのだ!と勝手に思っている。
そして、お二人とも現在でも、ドラマ、映画の第一線で活躍されている。稀有なことであろう。
2)入れ替わった二人の台詞
・一夫と入れ替わった一美:”あれって、時々、形が変わるのね・・。”
”生理って知っているよね・・”
ー 女性の身体は男の子には魔訶不思議なモノ。それを、作品の面白さに昇華させる大林監督の、技量。ー
3.故、大林宜彦監督ならではの、どこか懐かしさを感じる画。
背景に映る穏やかな瀬戸内海の風景が作品の風合に優しさを加味している。
<元に戻った二人が、お互いに距離を縮め、相手への素直な想いを口にし・・、そして一夫の父の栄転により二人が別れる、切ないバスのシーン。子供の頃にTVで今作を観た男には、沁みます・・。>
「君の名は。」を観て以来、男女人格入れ替えがどこかで気になっている
野ばらに寄せて。
就職して広島に来た時に、最初に思ったのは「尾道に行かなくちゃ」。MTノンパワステの3HBを中古で買って千光寺に行きました。駐車場に車を置いてから、歩いた、歩いた。階段を下って登って、また下り。でも、あの石段らしき場所を見つける事は出来なくて、ロープーウェイ乗り場でお姉さんに尋ねたら、「斜面が違う」って言われました。きゃわいらしい丸字の案内付きの地図を書いてくれて「歩きんさい、すぐじゃけぇ」。これが結構、直ぐじゃ無い。しかも迷った。地図になっとらんやん、これ、何の落書き?なんて文句言っても始まらない。それでも、なんとかM天満宮に辿り着き。薄曇りの休日の夕方は、やや強めの雨に煙り始めてて。傘持って来て良かったよ、と思いながら、「入れ替わり」が起きたと思しき場所に立つと、思わず顔がにやけて来た。キモいよ、俺。
あれから、尾道には何度も行ったけど、雨ばかりに出くわす。駅南から東側や海岸沿いの道路なんかは、きれいに整備され、ラーメンが名物になってたりして人通りも増えた様な気がするけれど、千光寺に登って行く階段や、頭を擦りそうになる高架や渡り廊下は古びるばかりで、逆にほっとする。一昔前は、「大林宜彦が好きで尾道までやって来て、ここを歩いてる人もいるよね」、なんて考えながらアーケードを歩いたりしたけど、今はどうなんだろう。この街の風景と人が好きで、この街の物語を映画にして、日本中の人を笑かして泣かしてシンミリさせた、大林宣彦さんの事も、彼の作った映画も、いつか忘れ去られてしまうんでしょうけど。
俺は忘れません。本当に好きでした。
額縁に入れて飾っておかなければ腐ってしまうような、お芸術でも無く。普遍性のあるメッセージで人々に高説を垂れるでも無く。非日常であっても身の丈である事を忘れず。歩いて行ける野原に咲いた、目を引く原色のバラの花を見つけた様な気持ちになる、大林宣彦の映画を忘れません。でも、痴呆になったらゴメンなさい。
色んな人の作品の中に、大林宣彦を感じることは、今でもある。
きっとこれからも、フェイクを感じさせるチャンガラでポップなスタジオ取りの画だったり、あざといくらいに「何か」デフォルメした「人物を中心にした風景」だったり、そんなんを見ると、「大林的やなぁ」なんて事、言うんだと思う。
合掌
訃報・・・真っ先に思い出したのがこの転校生
公開当時は、股をさぐって「ない!」と叫ぶ女の子の予告編を見たものだから、てっきりオバカ青春コメディだとばかり思っていた。心の入れ替わりというファンタジー映画を土台とした、ノスタルジック映像満載の青春映画だったわけです。確かにエッチなシーン・・・上記の小林聡美の行動や尾美としのりが彼女にブラジャーをつけるシーンなど・・・も多かった。
モノクロフィルム映像から、カラーへと変わり、ラストもモノクロへと変化する構成。一夫が8mmカメラを持っていたりと、映画への愛情も現れている。一夫の家の壁には名画座のポスターもあり、『駅馬車』、『アパッチ砦』、『ラスト・シューティスト』と変わっていくほど西部劇好きだったことがわかる・・・本当?
最初に見たのはTVでしたが、その後にリバイバル上映を観た気がします(記憶はあやふや)。素敵な作品たちを残してくれた大林監督。ご冥福をお祈りします。
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