「野ばらに寄せて。」転校生 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
野ばらに寄せて。
就職して広島に来た時に、最初に思ったのは「尾道に行かなくちゃ」。MTノンパワステの3HBを中古で買って千光寺に行きました。駐車場に車を置いてから、歩いた、歩いた。階段を下って登って、また下り。でも、あの石段らしき場所を見つける事は出来なくて、ロープーウェイ乗り場でお姉さんに尋ねたら、「斜面が違う」って言われました。きゃわいらしい丸字の案内付きの地図を書いてくれて「歩きんさい、すぐじゃけぇ」。これが結構、直ぐじゃ無い。しかも迷った。地図になっとらんやん、これ、何の落書き?なんて文句言っても始まらない。それでも、なんとかM天満宮に辿り着き。薄曇りの休日の夕方は、やや強めの雨に煙り始めてて。傘持って来て良かったよ、と思いながら、「入れ替わり」が起きたと思しき場所に立つと、思わず顔がにやけて来た。キモいよ、俺。
あれから、尾道には何度も行ったけど、雨ばかりに出くわす。駅南から東側や海岸沿いの道路なんかは、きれいに整備され、ラーメンが名物になってたりして人通りも増えた様な気がするけれど、千光寺に登って行く階段や、頭を擦りそうになる高架や渡り廊下は古びるばかりで、逆にほっとする。一昔前は、「大林宜彦が好きで尾道までやって来て、ここを歩いてる人もいるよね」、なんて考えながらアーケードを歩いたりしたけど、今はどうなんだろう。この街の風景と人が好きで、この街の物語を映画にして、日本中の人を笑かして泣かしてシンミリさせた、大林宣彦さんの事も、彼の作った映画も、いつか忘れ去られてしまうんでしょうけど。
俺は忘れません。本当に好きでした。
額縁に入れて飾っておかなければ腐ってしまうような、お芸術でも無く。普遍性のあるメッセージで人々に高説を垂れるでも無く。非日常であっても身の丈である事を忘れず。歩いて行ける野原に咲いた、目を引く原色のバラの花を見つけた様な気持ちになる、大林宣彦の映画を忘れません。でも、痴呆になったらゴメンなさい。
色んな人の作品の中に、大林宣彦を感じることは、今でもある。
きっとこれからも、フェイクを感じさせるチャンガラでポップなスタジオ取りの画だったり、あざといくらいに「何か」デフォルメした「人物を中心にした風景」だったり、そんなんを見ると、「大林的やなぁ」なんて事、言うんだと思う。
合掌
かいりさんへ
特定作品の聖地巡り、というより、「ラストシーンに使われた場所巡り」なんかが良いです!ラストじゃなくても良いけど、印象に残るシーンのロケ地ですね。天気の子ならラストの坂道!
なお、遂に広島県でも県知事から不要不急の外出自粛要請です。今日時点で感染者30人ですから、かなり早め。よって劇場鑑賞は完全凍結です...
巫女雷男さんへ
あ!うちの女房も、映画には付き合ってくれませんよ。と言うか、俺も女房の「買い物の様なもの」には付き合い切れませんので、そこは互いの心の平穏の為に別行動w
そうそう、そのマニアックゾーン攻めたいですw
東京行くんですけど、相方とかの関係で「食べ歩き」「飲み歩き」「ショッピング」で映画好きと行かないんですよね。
最高でも隣県までしか映画みにいかないから💦
巫女雷男さんへ
私は仕事以外で「東京」に行ったこと無いんですw だから東京観光したことが無くって。観光と言う時点で田舎もんですけど。今の夢は、東京に長期滞在して、「カリコレ」と「未体験ゾーンの映画たち」を全作品見ることですw
近大さんへ
定年退職したら女房と2人で、ゆっくり柴又や下町巡りをしたいと思ってます!
下妻物語、嫌われ松子や去年のリトルゾンビーズ等々。主に映像表現と言う観点から、大林宣彦を思い出す事が多いです。
先ずは此処で大林宣彦監督のご冥福をお祈り致します。私も尾道行ってみたい。
行った事ないのは中国地方と四国のみ。
何十年も名作として語れる作品をお持ちの監督は亡くなってからの語り癖も素敵です。今後そうなって貰いたいものです。
尾道に行きたくなるようなレビューをありがとうございます!
いつかは是非行ってみたい尾道。
やっぱりミーハーぽく写真を撮りまくるんだろうなぁ~などと自分を想像してしまいます。