帝都物語のレビュー・感想・評価
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正統派文芸空想超大作
公開時に劇場で鑑賞しましたが、amazonプライムで久々の鑑賞です。
10巻からなる原作小説を読破しており、各シーンの背景を理解出来ていたので、素直にストーリーを追う事が出来ましたが、初見の方が見ると、何故その人物がその行動をしているのか、何故その様な場面展開が起こっているのか、理解出来ずに戸惑うのではと思います。
そもそも、原作の荒俣宏は博物学の大家で、豊富な知識をこれでもかというほど盛り込まれた情報量の原作なので、映像でそれを表現するのは困難だと思いますが、実相寺監督独自の画角や照明を駆使して説明を排除して完結させているのには感服しました。
何度も見返したい傑作です。
エヴァの原形はここに
あったか😮´-。
人類補完計画のメンバー、第3新東京市。
学天即にもっと光をもっと٩( ᐖ )۶‼️
宝の持ち腐れやんか!😢
もっと活躍させて上げて♡❕❕
うしおととらの実写化して欲しいなぁ( ゚д゚)🍫ホスィ…
るろうに剣心の「じんえ」は加藤がモデルだったか…
臨兵闘者皆陣烈在前天津飯
嶋田久作の存在感
平将門の霊を呼び帝都の崩壊を目論む加藤保憲を止めるため、彼の陰謀に気づいた者たちは帝都の防衛を強化するが…。
1988年の同名小説映画化作品。兎にも角にも最初から最後まで嶋田久作の存在感が凄い。物語はとっ散らかっている明治から昭和への移行を描いた雰囲気が魅力的な作品。
兎にも角にも、嶋田さん!!!
DVDのパッケージの写真を見るだけでも「怖っ!!!」というほど。
よくぞこんな俳優を見つけてきたものだ。
嶋田さんはこの映画で新人賞をお取りになる位、劇場で知る人ぞ知る程度の知名度だった。
けれど、相手役?の石田さんと比べても、たくさん出演されている日本が誇る超有名俳優の方々と比べても、嶋田さんしか思い出せないくらいのインパクト。
で、嶋田さんはこういう役柄だけかというと、
『くちづけ』のとっても温和な知的障害を抱えている方の演技や、
『謝罪の王様』での、国家間の信頼を取り戻す為に、ひたすら実直にまじめにバカげた動作を繰り返して相手の国への誠意を伝えようとする総理大臣、しかも自分の失敗ではなく、バカな国民・部下の尻拭いを”長”としての責任を全うするためにする誠実な方の演技
と、演技の幅もとにかく広い!!!
繰り返すけど、よくぞこんな方を見つけてきたものだ。
映画は・・・。
ウルトラQ?が始まるの? 学天則とか妖怪物?とク―リチャ―のオンパレード。可愛かったり、おかしかったり。フィギアがあったら買っちゃうぞ!(特に学天則)
特撮は、今のCGとかだともっと違う表現できたかもしれないけれど、時代を考えると、手作り感があったりして、笑いも含めて、まあ楽しめる。
これだけのシーンにこのセットを作ったかと唸るほどの贅沢。
しかも、必要なシーンも多いけど、これって必要?もっと、どうにかならなかったの?というシーンもある。
雑学の大家、もとい博学の大家として名を馳せていた荒俣さんの原作の映画化。
地脈とか将門の怨霊とか、『うしろの百太郎』を彷彿とさせるネタや、当時の七不思議みたいな特集にはよく出てきたものを、よくぞこれだけの物語にまとめてくれたというワクワク感や、
歴史や国語の授業で習った方もたくさん出てきて、どんな活躍されるのかとワクワクしながら鑑賞。
なのだけれど、途中、なんやそれ!!みたいな解決法もあるし、史実と違うし、それでも丁寧にそのくだりや心情描写がなされていたら納得したんだろうけど、う~ん・・・。
(「オン バサラ~」って、お寺でお参りする時唱える言葉として仏像の横に書いてあるけど、陰陽師???)
いろいろなものをたくさん詰め込み過ぎて、…。なんでこの人がこういうことするの?という流れをしっかり描いていない。
特に、ラストの主要な筋になる、というか、将門復活の顛末に関わる重要な部分が、あまりにも唐突で、「なんや、それ~(ノ-_-)ノ=」となる。辰宮と恵子、恵子と加藤の関係をそれとなくほのめかしておいて欲しかった。ワンショットで伏線を張る人もいるんだけどな。『ウルトラセブン』の監督、男女の関係を描くのは苦手だったのかな?
原作4冊分、明治~大正~昭和という長い年月を一気にまとめた物語だそう。(原作未読)
それならこのような脚本になるのも無理ないかなと思う反面、登場人物が、あまり年をとった様でないから2,3年の物語に見える。途中で産まれた子だけ妙に大きくなっていた。
上に嶋田さんしか印象に残らないと書いたけど、原田さん、大滝さん、西村さん、玉三郎さん…とそのシーンだけ切り取るとうまい!!!という演技をなさっているんだけど、全体を見渡すと、そこに時間を割く意義があるのか?、撮りたいシーンだけ寄せ集めた? セットや大物俳優を使った関係で削れなかった?というシーンが多くて、 緩急のつけ方が悪くて間延びしている。
これだけの才能を集めたのに、活かしきれなかった大作。
それこそ、タイムマシンがあったなら、再提出を課したいよ。
それでも、神田明神?湯島天神?と懐かしさを醸し出し、
時折、加藤を鑑賞したくなる不思議な映画です。
ぶっちゃけ構成が古くて話が全然分からん…のに、なぜか『すごい物を見...
ぶっちゃけ構成が古くて話が全然分からん…のに、なぜか『すごい物を見た…!』感が強いのは、一重に嶋田久作のインパクトのおかげだし、実相寺監督の『なんか分からんけど、凄そう』みたいな演出があったから。
食べた感触はすごいけど全然お腹にたまらない麩菓子みたいな感じ。
嶋田が演じる加藤保憲やギーガーが作製した護法童子といった強烈なイン...
嶋田が演じる加藤保憲やギーガーが作製した護法童子といった強烈なインパクトはあるものの、ダークさが強調されずにファンタジックな仕上がりになったことこそ、実相寺の演出の妙であろう。
帝都物語を是非お読みになってから、本作をご覧ください
読んでから観るか、観てから読むか
これは1977年の角川映画「人間の証明」の宣伝文句
小説が映画化されると、なんでもこれが悩ましいから、上手いキャッチフレーズです
角川ノベルから刊行されていますが、角川映画ではなく製作はエグゼ
この会社は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった西武百貨店などのセゾングループの映画製作会社です
製作者の堤康二は、そのセゾングループの総帥堤清二の息子だそうです
そのセゾングループもバブル崩壊で解体されてしまいました
正に今は昔のことです
本作は必ず読んでから観るべきです
だって加藤保憲とは何者?、式神?龍脈?五芒星?
普通の人なら聞いたこともないワードが説明無しに使われて、奇想天外な物語が展開されるのですから理解不能な映画に確実になります
当然です
実相寺監督の独特の雰囲気や映像美を味わう目的としても、原作を読んでなければ意味不明でしかないでしょう
原作小説は1985年から1987年にかけて、新書版で全10巻、他に番外編2巻、外伝1巻が刊行されてベストセラーになっています
1987年には日本SF大賞も受賞しました
本作は本編10巻のうちの4巻までを映画化したものです
原作は大変に面白く、読みはじめたなら夢中になると思います
著者荒俣宏の博識ぶりには感銘を受けることでしょう
もしこの原作を少しも面白いと感じられないようなら、もう本作のことはお忘れ下さい
あなたとは合わない映画です
因みに、「銀河英雄伝説」の原作小説も1982年から1987年まで、本編の全10巻が刊行中でした
つまり「帝都物語」と同時平行で刊行されていた時期があったのです
なのでその頃は毎月「帝都物語」か「銀英伝」のどちらかが発売されているような状況になりました
ですので読むのに忙しいというか、嬉しい悲鳴状態だったものでした
本作は、なんといっても嶋田久作の演じた魔人加藤保憲のビジュアルイメージの破壊力が凄まじく、本作と言えば加藤保憲!となります
ですから正直成功した映画とは言いかねる作品でありながら、続編的な映画が2本、OVAまで作られています
漫画版も3人の作者からそれぞれ発表されていますし、加藤保憲のキャラは、「勇者警察ジェイデッカー」のキャトー・ノリヤスなど、様々な他の作品にまで登場するほどです
しかし加藤保憲だけに目を奪われていていてはもったいないのです
改めて観れば、本作には忘れられるにはあまりにも惜しい、もっと正しく評価されるべきことがあると気づかされます
それはまず、特撮と式神などのクリーチャーです
特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンの世界的名作「シンドバッド黄金の航海」に登場したホムンクルスを思わせる大きさと姿形なのです
そしてその動きはハリーハウゼンのダイナメーションを再現したコマ撮りアニメーションなのです
終盤には、その作品に登場した超有名な6本腕の「陰母神カーリー」まで登場するのです!
ハリーハウゼンへの大きなリスペクトを感じます
これに気づかないようではオタクとは名乗れません
「エイリアン」のデザインをして世界中に知られるようになったH・R・ギーガーのクレジットもありますが、終盤に空中を飛び回り回転ノコギリのように薙刀の柄を切断する護法童子のみ彼のデザインです
特撮監督のクレジットはないのですが、絵コンテとのみ記載されている樋口真嗣さんが実際は特撮を担当されたようです
東宝は配給だけなのですが、東宝特撮の系譜に入れられるべき作品であると思います
東宝特撮の怪人路線の末裔作品
それが正しい位置付けであると思います
そして、昭和2年の銀座が再現されたオープンセットの目を見張る出来映え
CGがない時代にガチンコで此処まで再現したのですから驚くべきものです!
ここまで巨大で正確さを徹底されたオープンセットは他には思い当たらないほどです
そして、忘れてはならないのは原田美枝子です
終盤の加藤保憲との最終対決に向かうシーン
月明かりの下、白袴の巫女服に朱色の襷をかけ、薙刀を持ち白馬に跨がるのです
凛々しく、そして美しいその姿のインパクト!
彼女の清い白い肌、正しい意志の強い目と眉、その美貌に相応しい説得力があります
黒澤明監督の「乱」での楓の方にも負けない印象があります
嶋田久作の加藤保憲だけが取り上げられて忘れてられているのは余りにもったいないことです!
彼女の役の辰宮恵子は、相馬俤神社の巫女でした
相馬は東日本大震災で起こった原子力災害の非難区域のすぐそばの所です
そういえば2015年の秋葉原通り魔事件の犯人の名前は加藤でした
そしてコロナの緊急事態宣言で無人となった銀座通りの光景
あれもこれも加藤保憲の仕業であったような気になって来ます
そぞろ地震が増えてきています
何者かが龍脈を・・・なんて妄想に浸れます
帝都物語を是非お読みになってから、本作をご覧ください
加藤保憲=嶋田久作という適材適所
"帝都物語" シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで3回目の鑑賞。
原作は未読です。
明治、大正、昭和に掛けて、平将門の怨霊を目覚めさせ帝都・東京を破壊しようと暗躍する加藤保憲(嶋田久作)と、その企みを阻止するために戦う人々の姿を描いた伝奇大作。
渋沢栄一、幸田露伴などの実在の人物や関東大震災などの史実を織り込みながら展開されるオカルティックな物語を、実相寺昭雄監督が類稀なる映像センスを十二分に炸裂させ、その唯一無二の世界観を見事に描き出しているなと思いました。
クリーチャーや関東大震災を描く特撮、当時の東京の街並みを再現したオープンセット、呪術や超能力を表現するVFX…そのどれもが当時としては抜群のクォリティーを誇っており特撮ファンとしては見過ごせないものばかりで大興奮でした。
本作最大の魅力はと言えば、加藤保憲を演じる嶋田久作のハマリ具合の素晴らしさでしょう。荒俣宏が嶋田久作の姿に合わせて原作の加藤の人物描写を書き直したと云うほど…
なんとも言えない不気味さを放つ顔つきと云うか、目力の強さのすごいことこの上無し。この役を演るために生れて来たのではないかと思いたくなるくらいの適材適所ぶりに改めて感服すると共に、一生色褪せないものだと感じました。
[余談]
エンドクレジット終わりの「加藤保憲 WILL RETURN」が、なんだかMCUみたいで笑ってしまいました(笑)。
狙われた帝都
千年の昔から平将門の怨念宿る帝都・東京。
将門の霊を目覚めさせ、帝都壊滅を目論む謎の魔人、加藤。
加藤の魔の手から帝都を守ろうと闘う人々…。
荒俣宏の小説を映画化した1988年の作品。
特撮SF、陰陽道や魔術を散りばめた伝奇、ホラー、ミステリー、明治末期から昭和初期のロマン溢れる時代を舞台にした大河要素…。
個人的にそそられるジャンルや要素がてんこ盛り。
関東大震災などの実録事件や当時の実在の著名人も絡め、史実と空想の、スケール大きいエンターテイメント。
しかし残念ながら、傑作にはなり損ねた。
ストーリーがいまいち分かり難い。
大長編小説の1~4巻を2時間強に収めるのには無理があったようだ。
本来ならもっと各々エピソードは広がり、数多い当時人物も深く描かれている筈が、相当はしょられ、巧く纏まっているとは言い難いのは原作未読でも感じてしまう。
それでも本作は、鬼才・実相寺昭雄監督の手腕あってこそ。
『ウルトラマン』『ウルトラセブン』などで特撮に造詣深く、江戸川乱歩の怪奇ミステリーも手掛け、本作の監督適任者に実相寺を置いてそうは居ない。
奇っ怪でありながら何処か魅力的な、独特の世界を創り上げた。
関東大震災シーンはほんの一瞬だが、崩壊した東京のミニチュア・セットは本作の特撮最大の見せ場。
H・R・ギーガーのデザインによる魔物などのクリーチャー、当時の最新のSFXを駆使した妖術なども見物。
明治末期、大正、昭和初期を再現した木村威夫によるこだわりの美術やオープン・セットは見事の一言に尽きる。
多用されているクラシック音楽も作品にマッチ。
そうそうたる名優、当時の人気俳優揃い踏み。
中でも、加藤と対する巫女・原田美枝子の凛とした美しさが光る。
だけど何と言ってもキャストでは、
嶋田久作!
嶋田久作=加藤、加藤=嶋田久作というくらいのハマり役!
今やベテラン俳優の嶋田久作だが、この時ほぼ無名の新人。それでこの圧倒的存在感、強烈インパクトは恐るべし…!
嶋田久作の怪演と共に、魔人・加藤は邦画屈指の名悪役!
総じて、
ストーリー的には今一つ。アクションのキレやスリルの盛り上がりは欠け、テンポも鈍い。所々チープでもある。
が、実相寺監督の演出と作風、嶋田久作の怪演がそれらを補い、個人的には嫌いじゃない。
人々が未来へ夢と希望を持ち、東京が栄え続ける限り、加藤の野望は襲い来る。
…しかし、ご安心下さい。このお話は、架空の東京の物語なのです。
え? 何故ですって?
現実の東京は今、加藤に狙われる以前に、崩壊しているようなものですから。
スーパーバカ映画
ストーリーの意味が分からない
全ての台詞の意味が分からない
キャラの行動原理の説明がない
全てのキャラに感情移入できない
観客置いてきぼり
脚本は崩壊しており、音楽はダサい
観ているのが恥ずかしくて汗をかいた
これは撮影年代のせいではない
ふざけて作ったとしか思えない
この映画に関わった奴は全員バカ
加藤の不気味さが凄すぎる
古き日本ならではの、都市計画や陰陽師の活躍、そして加藤の恐ろしさがいい!
有無を言わさずに霊的な存在を『当たり前』とされる。
とにかく嶋田久作の演じる加藤の不気味さが凄い。
私がこの映画を初めて観たのはだいぶ子供の頃だが、その姿がずっと忘れられなかった。
ITのピエロ的なインパクトがある。
黒い紙がカラスに変化するシーンや、鼠風の化け物が走り回るシーンもよく出来ている。
映像の質とストーリーのバランスが良いので、B級っぽい粗に興醒めすることなく楽しめた。
雷や爆発シーンがしょぼくないのも嬉しい。
後半のロボットにはある意味度肝を抜かれたが…
また、明治・大正・昭和へ移り変わるたび、各時代の風景やファッションも楽しめる。
特に背景が昭和に移ってからは、ビヤホールでくつろぐ人々がオシャレだ。
音の使い方やカメラワークも上手いので、飽きずに観られる。
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