妻として女として

劇場公開日:

解説

「別れて生きるときも」のコンビ井手俊郎と松山善三のオリジナル・シナリオを、「秋立ちぬ」の成瀬巳喜男が監督した女性映画。撮影は「「赤坂の姉妹」より 夜の肌」の安本淳。

1961年製作/106分/日本
原題または英題:The Other Woman
配給:東宝
劇場公開日:1961年5月30日

ストーリー

綾子は大学講師の河野圭次郎と結婚して二十四年、今度大学に入った弘子、中学生の進と二人の子がある。だが、河野には十数年も続いている女三保がいた。彼女は銀座のバー「カトリーヌ」のマダムである。河野につくし、売上げから名儀人の綾子に毎月十万円ずつ払っている。なじみ客の南に「奥さんと二号が仲よくしてるなん薄気味悪いや」と言われた。伊豆山に行った時、河野は教え子に顔を見られてうろたえた。三保は悲しかった。東京へ戻った三保は、酔って南のアパートまで行ったが、いざとなると踏みきれず逃げて帰った。久しぶりで河野が三保の家を訪れた時、彼女は泊っていくようせがんだが、彼はチュウチョした。三保は別れるより仕万がないと決心した。綾子に金か店かどちらか貰う権利があると言った。が、綾子は「被害者は妻の方よ」といってはねつけた。お腹を痛めた子を返して貰う。手段はこれしかないと三保は思った。三保は学校から帰る進を待って喫茶店へ、後楽園へと連れて遊んだ。しかし、母親であるとは打明けられなかった。進は三保の友達の福子からその秘密を聞かされた。進から二人の母が三保であることを聞かされ呆然とする弘子。綾子は嫁に来る前から子供のできない体だったのだ。弘子と進は表へ飛びだした。三保は「カトリーヌ」から去った。四十にもなって女がジタバタして五十万円、三保はくやしかった。女子寮に入った弘子のところには、家に帰ってもつまらない進が来て帰ろうとしない。校庭の樹に蝉が鳴きはじめる頃であった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0タイトルなし

2023年11月28日
Androidアプリから投稿

冒頭の掴みが本当に素晴らしいのだけど、中盤以降はラストに向けて畳みかけるようにやたら場面転換や回想シーンが多く、興を削がれた感じがした。ジェットコースターに乗るシーンを入れる辺り、意図的で心憎くも感じた。

家に帰るとやけっぱちに歌う高峰秀子、祖母(飯田蝶子)の合いの手、仲代達矢との絶妙な距離感のやり取りは素晴らしかった。星由里子は洋服と顔が本当に映えていたし、森雅之は相変わらず意気地のない男をやらされるけど、中年の渋さとカッコ良さが滲み出していてヤバかった。

作品全体としてはイマイチに感じたけど、子役含め俳優陣の魅力が引き出されていたし、演出が光る場面も多くあった。

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抹茶

5.0男女関係の影と戦後社会にけりをつけそこねること。

2022年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1961年。成瀬巳喜男監督。建築を教える大学教授とその妻の家庭には、大学に合格したばかりの長女と中学生の長男がいる。さらに、教授には銀座のバーを任せている妾がいる。妻と妾はお互いを意識しながらもなんとかやってきたが、ある日を境に女二人に決定的な対立が訪れ、真実が明らかになって、、、という話。
徐々に過去が明らかになっていくスリリングな構成。戦争中の男女関係がついつい戦後に尾を引いて、気づいたらもはや戦後16年。別れを決断する妾が慰謝料を求めるが、妻がはねつけることで、秘密の封印が解かれてしまう。家族団らんや女性たちの語らいの場の画面の明るさに対して、男と妾、夫と妻が語らう画面になんと影が多く陰惨なことか。
長い年月にわたる微妙な人間関係を丁寧に描く成瀬節炸裂。人物が口ずさむ流行歌、小唄、鼻歌にも複雑な陰影がある。いまだに戦争を引きずっている戦後社会の総決算(の不発)でもある。味わい深い映画。
冒頭では不穏な雰囲気をまき散らすだけの踏切と遮断機の警告音、電車の通過の場面が、映画後半では実際に子どもたちの未来を閉ざす暴力的な力となって表れる。予兆とその実現。しかも、子供たちは暴力的な踏切などなかったかのごとく、親世代のごたごたを軽々と乗り越えて、映画を見に行くのだ。

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文字読み

4.0メカケって死語?

2014年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

前に観たような?60年代の成瀬は何を観てるのか分からなくなってる。
バトルおぶ高峰秀子&淡島千景。オロオロする森雅之。タイトルの女はお妾さんで、現実感はまるで無いけど三人観てるだけでも面白い。飯田蝶子がさらに面白いが。

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クーガ

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