チャイナシャドー
劇場公開日:1990年5月12日
解説
国際都市香港を舞台に謎の過去をもった野心満心の若き実業家の姿とその多国籍の人間模様をサスペンスタッチで描く。西木正明原作「スネークヘッド」をヒントに「火まつり」の柳町光男が脚本・監督、共同脚本は「ゾンビ伝説」のリチャード・マックスウェル。撮影監督は「モダーンズ」のトヨミチ・クリタがそれぞれ担当。
1990年製作/121分/日本
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1990年5月12日
ストーリー
一九七六年の秋。毛沢東の死をきっかけに起きた中国の内部抗争を逃れ・香港に密入国をはかった紅衛兵呉昌は、香港警察の追っ手が迫った時、恋人モンリンとの愛を捨て、自由を手に入れた。それから13年後、天安門事件の動揺も表面上は収まった香港に、若い日本人ジャーナリストがやって来た。彼の名は北山アキラ。“大林一夫”という日本人を探しているアキラは、案内人の少年小牛に上海クラブに連れられる。そこで小牛に紹介されたクラブ歌手はモンリンだった。自分の過去をあまり語らないモンリンに次第に惹かれていくアキラ。しかし、二人がデカダンでゴージャスなプライベート・パーティに侵入した時、ヘンリー・黄と名乗る若き実業家が現われた。彼こそ13年前にモンリンと別れた呉昌だったのだ。懐かしさよりも、ぎこちなさの方が先に立つ二人だったが、アキラはそんな二人の再会の陰にあるドラマに興味をもつ。そして、大林一夫探しに憑かれたように熱中するのだった。上海の紅衛兵の中にいたと噂される日本人、大林一夫とはいったい誰なのか。モンリンからその話を聞いたヘンリーは最初一笑に付していたが、以来自分の出生の謎についての不思議な幻想を見るようになるのだった。そんなことに心を乱されながらもますます力を貯えていき、遂には香港の暗黒界にも太いパイプを持つ李克中が所有する“華民日報”の買収にも成功するヘンリー。しかしその一方で一度は断ち切ったはずのモンリンへの愛を抑えきれずにいた。そして、ヘンリーはモンリンに自分がアキラの探している“大林一夫”であることを告白するのだった。長い時間を超えて結ばれる二人だったが、アキラからの取材でヘンリーが大林一夫であることを知った李克中は、手負いの虎のような猛反撃に出た。そんな李の魔手からモンリンだけは逃そうとするヘンリーだったが、李の放つ暗殺者は既にやって来ていたのだった。そしてモンリンは、ヘンリーをかばって凶弾に倒れた。彼女の亡きがらを抱いて、いつまでも泣きくれるヘンリーは悲しみの時を迎え、新たなる旅立ちの挑戦を誓うのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- 柳町光男
- 脚本
- リチャード・マックスウェル
- 柳町光男
- 原作
- 西木正明
- 製作総指揮
- 井関惺
- 製作
- エリオット・ルイット
- ドン・ゲスト
- 制作
- SHプロダクション
- エリオット・ルイット・プロダクション
- 撮影監督
- トヨミチ・クリタ
- 美術
- アンドリュー・マッカルパイン
- 音楽
- 清水靖晃
- サウンドデザイナー
- 紅谷愃一
- 編集
- 山地早智子
- アソシエイト・プロデューサー
- 桜井勉
- 王愛美
- 助監督
- ジェリー・グランディ
- スチール
- 佐藤芳夫
- アレン・エブラード
- ロバート・マクイーワン
- 字幕
- 戸田奈津子