千曲川絶唱

劇場公開日:

解説

「沈丁花」の松山善三がオリジナル・シナリオを執筆し、「四谷怪談(1965)」「波影」の豊田四郎が監督した純愛もの。撮影は「喜劇 各駅停車」の岡崎宏三。

1967年製作/102分/日本
原題または英題:River of Forever
配給:東宝
劇場公開日:1967年2月19日

ストーリー

五所川肇はトラックの運転手で、金を貯めるのを楽しみにしている。女も嫌いではない。ある日同僚勇次郎の妹美子がカリエスで入院している病院へ見舞に行った時、歯茎から血の出る日が続いて不安になった肇は、岩倉の診察を受けた。大したことはないということだった。だが、肇は知らなかったが、岩倉は肇の症状と採った血を調べて見て、まぎれもない白血病であることを知った。看護婦奈美の美しさに惹かれて肇は度々診察を受けたが、次第にモルモット的な扱いに腹を立て、病院に来なくなった。その間に病状は進み、目まいを起こしたりしたが肇はビタミン不足だ、ぐらいに考えていたのである。そして、受診を勧めに来た奈美を車に乗せていた時、突然襲った目まいで少年をはねてしまう。その時肇は、交通取調官と岩倉との電話を聞いて、ようやく自分が白血病であること知って愕然とした。ヤケになった彼は富山の運送会社をやめ、東京に出ると色んな医者の検診を受けたが、医者は真実を打ち明けない。肇は医学書を買って読み、白血病の実態を知った。今の医学では不治の病である。絶望した彼は、奈美のいる富山に戻った。奈美は、そんな肇を看護婦としてではなく、一人の女として迎えた。間もなく死ぬであろう男に激しい愛を捧げたのである。肇は奈美に励まされ、残された日々を精一杯に生きようとする。岩倉の診察では肇の命は後半年だった。そんな時、勇次郎の妹美子は不治の病に絶望的になって自殺した。肇はそれを知って逆に必死になって道路工事夫として働く。やがて、病状は進み、肇は倒れた。そして最後の日、肇は奈美の人魚のような裸身を見ながら息を引きとった。死顔には自分が働いた道路が永久に残るのだという満足そうな微笑が浮んでいた。

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