タンポポのレビュー・感想・評価
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ラーメン話
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旦那がラーメン屋だった未亡人の宮本が後を継ぐが、味が悪い。
が、明るく努力家だったので、色んなスペシャリストが集まり、
日本一のラーメン屋にすべく日々精進する。
結局最高の味にたどり着き、解散。
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まあいい話なんやが、間に全く関係ないシーンが多すぎる。
食がテーマみたいで、食にまつわる全く別の小話が挿入される構成。
最後は開店の日に客が行列作るが、それは味うんぬんちゃうっての。
それは宣伝が成功しただけに過ぎんくない?(場)
バブルが弾ける 日本は失われた40年が始まる。
テーマは分かるが、タバコを吸いながら、ウトウトするのは、全くなってない。料理人は『タバコは吸っては駄目』なんの料理でも一緒。最後の映画を楽しむのならば『帽子は被るな』と言いたい。そして、一番真似しちゃいけないのが、麺啜る時は、音をたてては絶対に駄目だ。外国人は絶対に嫌う。
そして、藤田敏八が子供にアイスをやってしまうが、これはれっきとした犯罪。子供が死んだら、殺人罪になる。
この頃、店再建の番組、愛川欽也さんが頑張っていたが、甲州の弁当屋さんとかどうなっただろう。
大島渚と伊丹十三は美食家だったそうであるが、この程度ならば、海原雄山の美食倶楽部には呼ばれない。
現実はこのあとバブルが弾ける。日本は失われた40年が始まる。良い時代とは言えない。
ハラルフードの決まりは絶対に守らなければ、世界の常識を欠く。『うまいから食べてご覧』75歳位の老人はこう言うおせっかいを平気でやくが、それはは嫌われる。ブラン75にサインさせられるぞ。
競艇の好きな中華街の店主の役、高木均さんって言って、ムーミンパパの声やった人です。
食のエンターテイメント
海外でも受け入れられてる名作
伊丹十三作品の中でもダントツに好き。
何年かぶりに見たが、やはり面白い。
もっと伊丹十三作品が見たかった。
キャストも良いんだよね。
山崎努や役所広司が素敵。
ラーメンが食べたくなります。
コメディの裏側で
斜陽のラーメン屋を女手一つで切り盛りするタンポポの生き様に惚れ込んだタンクローリー運転手のゴローが、美食家の浮浪者や名家お抱えの料理人を味方に引き込みながらなんとか彼女のラーメン屋を再興させようと奮闘するさまをスラップスティックに描いたコメディ映画だ。
伊丹十三といえば処女作『お葬式』を尊敬する蓮實重彦に「ダメです」と一蹴されてしまったエピソードが有名だが、本作はそんな『お葬式』に続く2作目にあたる。それを踏まえたうえで本作に臨むと、女店主タンポポの姿が伊丹十三本人に重なるような気がしてなんとも切ない。
ラーメンという食べ物はおそらく庶民性や大衆性の暗喩である。全力でコミットする女店主タンポポは芸術のコードを降りてエンタメへと没入していく伊丹十三そのものだ。
途中、心ない同業者に「この素人め!」とケチをつけられたタンポポが「ラーメンっていうのは素人が食べるものでしょうが」と反論するシーンがあるが、ここにも『お葬式』のような蓮實重彦のような評論家の審級を主眼に置いて制作したある種の芸術映画から『タンポポ』という大衆に開かれたコメディ映画に伊丹の作風が転向したことが示されているといっていいかもしれない。
また、タンポポとゴローらによる復興譚が語られる一方で、幕間に官能的でアバンギャルドな色にまつわる挿話が挟まれるのだが、ここには芸術映画を完全には捨てきれない伊丹十三の未練が垣間見える。おそらく蓮實重彦に『お葬式』を棄却されなかったならば、こちらの挿話こそがこの映画の本流となっていたように思う。
これらの挿話は突然始まったかと思えば突然終わり、何事もなかったかのようにタンポポの物語へと戻っていくが、このとき挿話は間の抜けたアイリスアウト(画面を丸く閉じながら暗転させる手法)によって遮断される。「ハイハイ芸術主義はここまでですよ(笑)」と無理やり冷笑している伊丹十三の姿が目に浮かぶようで切ない。
現実/非現実を自由自在に往還するスラップスティックコメディとして完成度がきわめて高い一方、その裏側に伊丹十三の個人的な挫折と再生が伺えるメルクマール的な一作といっていいだろう。
途中で出てきた海女の女の子がやけに綺麗だなあと思ったら黒沢清『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の洞口依子だったらしい。好き…
【伊丹十三監督の、諧謔味溢れた、”食”をテーマにした傑作。メインストーリーの狭間のエロティックなサブストーリーも魅力的である。】
ー 私事であるが、伊丹十三氏のエッセイは、高校生以来、耽溺、愛読している。「ヨーロッパ退屈日記」を始めとした名エッセイの数々は家人の断捨離攻撃を受けながらも、全冊、書棚に収められている。
その伊丹氏が初監督した「お葬式」が、大ヒットと聞いた時は本当に嬉しかった。が、年代的に劇場で観ていない・・。その後別媒体にて、複数回鑑賞はしている。-
■今作、「タンポポ」は個人的に、伊丹監督作の中でも特に好きな作品である。
それは、冒頭、いきなり映画館がスクリーン側から映され、そこに愛人(黒田福美)を連れて現れたオフホワイトの三つ揃えのスーツと粋な帽子を被った男(役所広司)が、颯爽と最前列に座った時、後列の若いカップルがポテトチップスを上映前に”パリポリ”と食べている時に(後年、女性が松本明子さんだったと聞いて、驚いたものである。)
男が、”美味しい?”と言って、ちょっとポテトをつまむ。
そして”もし、映画が始まってこれを食べる音が聞こえたら、俺、お前を殺すかもしれないからね!”と若い男の胸倉を掴んだ後、男と愛人の前に、やおらテーブルが運ばれ、フランス料理、ワインが運ばれてくるシーンで一気に、引き込まれたものである。
- それ以来、私はパブロフの犬ではないが、映画館でポップコーンを買った事は、一度もない。-
◆メインストーリーは、映画好きであれば多くの人が知っていると思われるので、割愛。
◆今作の魅力は、メインストーリーとして進行する、”オフホワイトの三つ揃えのスーツと粋な帽子を被った男”のバージョンを代表とした幾つかのサブストーリーであろう。
- エロティックなシーンが多い。愛人とホテルで戯れる数々のシーン。ー
・愛人の柔らかそうな胸の上に置かれた芝海老をガラスのカップで囲い、跳ねる海老の動きを喜ぶ愛人の姿。
・愛人と卵の黄身を口移しで出し入れし、最後は愛人が恍惚とした表情で失神するシーン。
・男が、海辺に行き若い海女さん(洞口依子)から、牡蠣を向いて貰い彼女の掌から、そのまま食べるシーン。牡蠣の殻で唇を切り、血を流す男に対し、舌を伸ばしてその血を舐める海女さんの姿・・。エロティシズム極まれりのシーンである。
- ちょっと、今書いているだけでも、観た時の興奮が思い起こされる・・。ー
- その後も印象的なシーンがメインストーリーの合間に挟まれる。-
・品よくパスタを食べる”マナーお勉強会”のシーン。先生(岡田茉莉子)が仰々しく、巻いたパスタをスプーンに乗せて、音を立てずに食べる練習をしている脇で、豪快に音を立ててパスタを食べる外国人の太った男の姿を見て・・。クスクス笑う。この逸話は、実際に伊丹氏が外国で経験した事実を基にしているようである。(エッセイに”恥ずかしい思いをしたこと"が書いてある。)
・高級フレンチに行った重役以下の連中が、慇懃なウェイター(橋爪功:何だか良く覚えている)が注文を取りに行った際、メニューのフランス語が読めず、”舌平目のムニエル”を右で倣えで頼んだ際に、一番下っ端の男(加藤賢崇)がワインの銘柄も確かめながら、次々に注文をしていく様。彼の直属の上司(高橋長英!)の”チック”は絶品である。
・タンポポの息子がホームレスたちに会い、”ノッポサン”(高見映)に連れられて、夜中の洋食店に忍び込み、オムライスを手際よく作るシーン。
- 今では、超有名なタンポポオムライス誕生の瞬間である。-
そして、タンポポのラーメンを作る事に協力する事になったセンセイ(加藤嘉)をホームレスたちが見事な合唱で月夜に送るシーン。名シーンである。-
・夜、スーパーに忍び込んで、桃、カマンベールチーズetc.に次々に親指でグチャグチャにする老婆(原泉!)とスーパーの店長(津川雅彦)の追いかけっこ。
・歯痛に悩まされる男(藤田敏八)と、男を治療する歯医者と二人の色気たっぷりの女性助手 ー腋毛が・・-。
そして、男が治療後、”無添加物で育てています・・”というメッセージが書かれた段ボール紙を首から下げる幼子にアイスクリームを与えるシーン。
・”東北大学名誉教授!”の肩書を基に詐欺を重ねる初老の男(中村伸郎)が、刑事に捕まった際に、未練がましく”もう一口だけ・・”と北京ダックを口にする姿。
・妻が瀕死の状態になり、医師、看護婦が看取ろうとする中、幼き子供たちの前で、
”母ちゃん、死ぬな!そうだ、飯を作れ・・!”と言う男(井川比佐氏)に対し、幽霊のような妻(三田和代)がフラフラと起き出し、中華鍋で炒飯を作るシーン。
”できたよ・・”と中華鍋のまま、テーブルに置く妻。
子供達に”食え!”と言う脇で、医者の”ご臨終です・・”と言う言葉。
- シュールだなあ・・。-
<メインストーリーまで書いていくとトンでもない事になるので、この辺で止めるが、
伊丹十三監督が人間の ”食” と ”性” と ”死” は連関しているという考えの基、メインストーリーには ”荒野の用心棒” を思わせる西部劇を絡ませた、傑作。
何度観たか、分からない作品でもある。>
素人にわかんない味のラーメン、作ってどうすんの?
映画「タンポポ」(伊丹十三監督)から。
物語とは関係のないようなシーンが多用され、
その意味を探ろうとして、正直、疲れてしまった。(笑)
こんな時代だから、インターネットで探れば、
どこかにヒントや答えが見つかるかもしれないが、
それも野暮かなぁ、私の感性が磨かれていないのだな、と
思うことで割り切ることにした。
物語の中で、老舗ラーメン屋のおやじがうんちくを語り、
ど素人にわかってたまるか・・みたいな啖呵をきる場面がある。
その時、主人公の宮本信子さんは言い返す。
「だっておじさん、ラーメン食べるのは、そのど素人なのよ。
素人にわかんない味のラーメン、作ってどうすんの?」
この映画も(私には理解できないが)、
きっと必要なシーンとして盛り込んだと思うから、
この台詞を残しておきたいと思う。
「ラーメン」だけに絞っても、面白い作品になったのになぁ、と
呟いてメモを閉じた。
笑えてエロい、グルメ映画
伊丹作品のなかで一番すきな作品。
オープニングで観客に向かって語りかけたり
ナインハーフみたいな生卵をつかったシーンとか
西部劇ちっくなラーメン店のシーンとか
遊び心満載の作品です。
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