タンポポのレビュー・感想・評価
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自己実現欲求から自己を超えてレベルの高い時点の審美的欲求になる。
明日の日本語クラスで、学習者の一人がリーダーになってこの映画について話し合う。私は過去に一度見ているがあまり覚えていない。明日までに見直す予定。
学習者からはすでに下記について話し合いたいとGoogle Docsに載せている。
1)「タンポポ」は間違いなくとても笑える映
画です。この映画がユーモラスなのはなぜですか?監督のユーモアのセンスとは?
2)人間と食の関係というテーマがこの映画を貫いています。監督のメッセージは何だと思われますか?
後でもっと学習者の話し合いたい事項を書き足す予定。
自分の考えもまとめておいてクラスに臨みたい。私は意見を求められたら言うつもりである。
下記はあくまでも私見である。
このテーマは一言で「欲の極限」 「欲、欲求を並べたて、これらを人間や社会生活にどう使うか」だと思う。主人公ゴロ-がラーメン屋を立て直す。それも彼にしてみれば自己実現欲を満たしたということになる。彼は妻子に逃げられ、トラック運転手としても自信がないようで人生のおいても何かを成し遂げたことがないように描写されている。この彼がタンポポのためにうまいと言われるラーメン屋を立ち上げたのだ。それもホームレスや喉を詰まらせた老人のお抱えクックや喧嘩をしたチンピラの協力を得て。またタンポポに対してもラーメン屋の主人となるために自信を持たせてあげた。それは二人で焼き肉を食べているシーンで明確でタンポポの承認欲求を満たしてあげている。
この映画を観賞している私たちやゴロー以外の人々にとってゴローの自己実現欲は、自己を超えてレベルの高い時点の審美的欲求になるのだ。人のために働くことが結局自分に自信をつけていけることになると監督は考えているのではないか?映画ではそこに食の美や子供老人ホームレスなどに始まって老若男女と職業などの多様性をバランスよく付け足してる。これは人間社会の普遍性を表していると思う。
では、この映画の食のシーンは? 韓国料理、フランス料理、日本料理ワイン、アイスクリームまで。それに性と生。生きることや食べることや官能表現は基本的な生理的欲求である。この空腹を満たしたり、愛の欲求だったりを滑稽的に表現していると思う。欲には幅があるからね。私欲物欲出世欲とかいうけど社会や人間を変えていける欲もあるんだよね。このように。
私からみるとゴローの自己実現欲求が
社会のバランスや絆や美なども与えたと思う。私たちはどう生きるかが大事だと思う。
この映画は日本がエコノミックアニマルと言われていた時代の作品だ。監督は好景気時期に考えとけよと。経済が不況に入ることを予測して自助ではなく共助で欲求を満たすことを視野に入れていたのかもしれない。
ストーリー構成が不思議だった
当時、中学生の頃に映画館で観た思い出の映画。
2024年に観ると渡辺謙や役所広司が若い。私も年をとったという事だ。
この作品で役所広司を知り、とても興味を持った。
そして宮本信子の顔芸と山崎努の声が渋い。
女店主タンポポが営む売れないラーメン屋を、カウボーイハットのタンクローリー運転手ゴローとその相棒ガン達が立て直すラーメン・ウエスタン。本筋から時々外れて様々な「食と欲望」をテーマにしたサブストーリーが挟まる。観てて不思議な気持ちになったもんだ。第四の壁をいきなり破るオープニングだし。
フランス料理、スパゲッティ、ワインなど、食への薀蓄(うんちく)の奇想天外かつ官能的な挿話が盛り込まれている。また、日本のラーメン・ブームに拍車をかけ、アメリカで大ヒットを記録した作品でもある。
そして人間が人生で最初に味わうグルメでエンディングを映す。
伊丹十三は「最後の映画」を体験したのだろうか。
映画のアミューズメントパークや‼️
呆れたのは、ケチな思い込みから劇場公開時から今まで観ようとしなかった事。
ラーメンが話の軸でわあるものの
食、食材をモチーフにコメディ、アクション、フランスルノアール風有りと、こりゃ映画ジャンルのアミューズメントパークじゃ無いだろうか⁉️
ラスト国が関係なく全ての人が生まれて最初に口にするだろう食べ物⁉️でくくる処など、
やられちまったね。
ラーメンウェスタン?!
伊丹十三監督10作品。4Kデジタルリマスター版で蘇る
本当にクリアな映像です。
日本映画専門チャンネルで放映され、録画して鑑賞しました。
確かに、映像は見違えるようです。
10作品すべてに出演する夫人だった宮本信子さんは
「4Kリマスター版は衣装を、新しい衣装に着替えて
「もう一度同じ映画を作ったような…………………
「今の時間、現在にいるような感じ」と語り、
「綺麗になって本当に良かった」と喜ぶ。
さて「タンポポ」ですが、
夫が亡くなり、残されたラーメン店は寂れるばかり。
ぬるい汁に延びた麺、活気もない店内。
そんな夫の死を引き摺るタンポポ(宮本信子)を、
立ち寄ったダンプカーの運転手ゴロー(山崎努)が、
惚れた弱みと、この店を行列の出来る有名店に変えてやる・・・
そんな侠気がゴローの胸を駆け抜ける。
まぁなんと贅沢な配役でしょう。
「トイストーリーの主人公のカウボーイ人形・ウッディ」
そっくりの扮装の山崎努。
山崎努の助手がなんと若き日の渡辺謙。
謎の白服の男が役所広司。
役所はこの映画のストーリーとなんの関係もない。
お色気担当の「セクシー番長」
今の渋い姿とは想像つかない水も滴るイケ面セクシー。
愛人の黒田福美とミッキー・ロークとキム・ベイシンガーの
「ナインハーフ」のオマージュ・シーンなど、エロ満載である。
・・・食は生きること、つまり生殖・・・
「自由に映画を撮る」とはこのことか?
そう思うほど、好き勝手を貫いている。
伊丹十三の映画は日本人らしさがぎっしりと詰まっているが、
元々は海外生活が長くコスモポリタン。
決してそれをひけらかさず、茶目っ気たっぷり。
奇想天外。
奥さんの宮本信子の才能を見抜いた慧眼。
宮本信子は伊丹十三の期待の2倍の糊代があった。
作品を追うごとに大化けして行く。
この作品「タンポポ」では可憐さが際立つ。
描写が結構に下世話な所も、楽しみのひとつ。
エンタメに徹しているから、
文句の付けようがないほど面白い。
「食文化とは」を考えさせられる伊丹十三からのメッセージ
くたびれたラーメン屋を行列ができる店にするというストーリー。
しかし、この映画の本質は、伊丹十三が「食文化とは」を視聴者に考えさせるためのプロパガンダ映画である。
こどもや若者、頭の硬いやつが見る映画ではない。「意味がわからない、道徳的でない」となるだろう。視聴者レビューでもそういう意見がいくつか見つかる
映画の本ストーリーの随所に短いストーリーが挿入されるのだが、
食が持つとんでもなく官能でエログロなところ、食に関するマナーや常識非常識など、いろんなシチュエーションで、画面から匂いがするような庶民リアリズムが展開される。食とはこんなにエロティックで冒涜的でシリアスでユーモラスで、しかもそれが渾然一体したものだよ面白いよねとの伊丹十三からのメッセージである。年をとった今だからこの映画を愛しく思うのかもしれない。
ラストシーンがまたいい。そう、人間の食はおっぱいからはじまるのだ。
今見ても十分楽しめる
友人に勧められて、あまりの面白さに一気に最後まで見終わったら、やっぱりラーメンが食いたくなって夜中にうろついたことがあります。昔は、深夜気軽に食べられるラーメン屋さんもなかったし、今ほど外食もしなかったので、ラーメンと言えば、自宅で作るインスタントくらいの認識でした。
この映画、ベースにあるのは「シェーン」なんかの西部劇で、男手の足りない農場・牧場を女手一つで切り盛りする未亡人を、風来坊がやってきて手伝い、形を作ってカッコよく去っていく、という良くある話を、現代の日本を舞台に、ラーメン屋の経営立て直しに当てはめてしまった「逆転の発想」の面白さがすべてでしょう。伊丹十三の作品に通底する面白さの、いちばんシンプルな骨格を形成する映画と言えるでしょう。
自分の奥さんなのに、宮本信子さんを綺麗に撮るんですよね。山崎努も役になりきっていてハマっているし、今や世界の渡辺謙なんか、舎弟みたいな扱いですし、いろいろ発見があって面白いです。
2018.9.4
生きることは食べること。目眩く人生喜劇
のっけから観客に話しかけてくる役所広司
ラーメンをこよなく愛する老人
ハットが世界一似合うトラック運転手、山崎努
夫亡き後ラーメン屋を継いだ素朴な未亡人たんぽぽ…
主要人物たちが力を合わせて最高のラーメン屋を作ることに尽力するという物語の軸に加え、所々展開される「食」にちなんだ珍事の数々…
ツッコミ所満載なのに、登場人物全員が大真面目。
映画の括りでみると滑稽だが、人生というものを遠目で見ると、案外こんな感じなのかもしれない。
そういった「人生=食べること」という営みが、伊丹十三という稀有なフィルターを通し、とてつもなく面白くて愛しい傑作となった
初めて伊丹監督の作品を鑑賞したが、物凄かった。こんな監督、日本どころか世界を見渡しても中々いない。
氏の他の作品も観たくなった。てか絶対観る
食に纏わるエピソードの映画的光彩が放つ伊丹十三監督の演出手腕の素晴らしさ
近年の日本食ブームが「和食」のユネスコ無形文化遺産登録に象徴されるように、日本独自の進化を遂げる食べ物が世界的に認知されています。特に庶民的でリーズナブルなラーメンは人気が高いようです。そのラーメンを始めとする日本の様々な食文化をシニカルに描いた鬼才伊丹十三監督の傑作が、35年前の今作です。前年の「お葬式」で監督デビューした伊丹十三氏については、名監督伊丹万作氏を父に持ち、「北京の55日」「ロード・ジム」など海外でも活躍する日本の俳優というほどの認識でした。ただ、これより5年前のことですが、フェデリコ・フェリーニ監督の「オーケストラ・リハーサル」ロードショー上映の三百人劇場で偶然お見かけしたことがあり、僭越ながら地味なイタリア映画も観る勉強熱心な方なのだと印象に持ちました。後に氏の経歴から、ヨーロッパ文化に造詣が深いバックグラウンドを備えた知識人と知って、今では浅薄な思い上がりと恥じています。
才人伊丹十三の第二作目。ラーメン屋再建を中心に様々な食文化のエピソードをオムニバス形式に構築した喜劇。そのセンスの良さ、異色の着眼が映画の勘どころを飲み込んでのユーモアが素晴らしい。日本の映画人で、こんな作品創れる人は他に誰もいない。ルイス・ブニュエルの「自由の幻想」に構成を真似て自由奔放に、中味はイタリア映画的庶民リアリズムの人間暴露で、全体としては各個性派俳優の絶え間ない競演と、多面的な光彩を放つ。餅をつまらせる大滝秀治の死と隣り合わせの食の危うさ。シリアスとユーモアの渾然一体では、井川比佐志のエピソードが凄い。妻の臨終に駆け付けチャーハンを作らせ、泣きながら食べる父子の姿。ヴィスコンティの「ベニスに死す」をもじる白いスーツの男役所広司の性と食の粘着したコラボレーション。牡蠣と卵の黄身の厭らしさ。そして、本筋の宮本信子を手助けする山崎努と渡辺謙のラーメンの拘り追求の面白さ。全編映画表現の粋と正確性で、多種多様な場面を食のテーマで繋げた画期的な日本映画の傑作品。こんなうまい映画を作った伊丹監督を、絶賛する。
1986年1月21日 池袋東宝
公開当時は、処女作「お葬式」ほど評価されませんでした。日本食ブームで世界的に再評価されて当時の鬱憤が少しは解消されています。
Macaroni western set a traditiona...
Macaroni western set a traditional ramen shop in the 80’s Japanese society. Lots of references to western movie legacies and caricatures to constricting Japanese conventions
ラーメン食べたくなる映画
炭水化物ダイエットしてる人は観ない方がいいです。
ラーメンでウエスタン映画をしてるんですが、広くは食や生きるがテーマの作品です。
約40年前の作品だから、役者もみんな若いし再発見を楽しめる作品でもありました。
宮本信子ほど普通の人を演じるのが上手い人はいませんね。
女店主タンポポのラーメン屋再生計画
・宮本信子、西部劇ハットを被った山崎努、子分肌の渡辺謙の3人でラーメン屋を建て直す話が縦軸で、食にまつわる様々なエピソードを枝葉にてんこ盛り
・巻き舌チンピラ安岡力也と山崎の青春ヤンキーみたいなやり取り
・餅を詰まらせ逆さまで掃除機で吸われる
・要所で出てくる白タキシードの役所広司のダンディズム溢れるシーンの数々(黄身の口移し、海女の手から牡蠣をむしゃぶりつく)
・最初が映画館で役所がこちらに語りかける
・エンドロールにおっぱいを飲む赤ちゃんのアップ
食と性と生と死と
未亡人が一人でやってるラーメン屋を再建するべく集まった男たち。
とにかく出てくるキャラがいい。特に山崎努が最高にカッコよかった!
かなり古い映画で観たことはあったが、細かいところをかなり忘れていた。古くさいところはあるが、それを差し引いてもかなり面白かった。
ラーメン屋の本筋とは違うエピソードがいくつか挟まれる。やや意味不明だが、食や性を描いていて意外と重要なピースだなと思ってしまった。
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