「短編映画集」kino

劇場公開日:

解説

日常の断片を切り取ってきたような6つのお話からなる、オール・ルーマニア・ロケによるオムニバス映画。監督は、CMやゲーム・ソフト開発など様々な分野で活躍するクリエイター・佐藤雅彦で、これが劇映画初監督となる。脚本は、佐藤監督と内野真澄の共同。撮影を「DIEU SEUL ME VOIT」のピエール・ストーバーが担当している。16ミリからのブローアップ。

1999年製作/52分/日本
配給:シネマトピックス(ソニー・ミュージック エンタテインメント 提供)
劇場公開日:1999年1月16日

ストーリー

「Opening(オープニング)」作業員たちが、街角の看板に大型ポスターを張っている。やがて、作業を終えた彼らはトラックに乗って帰っていく。街角に張られたのは、佐藤雅彦監督の「kino」という映画のポスターだ。「1.Othello(オセロ)」バス停に男がふたり、左向きに並んでいる。と、その最後尾と最前列にふたりの男がそれぞれ右向きに並んだ。右向きの男たちに挟まれた格好となった左向きの男たちは、まるでオセロの駒のように右向きに向きを変えるのだった。「2.The mystery of Hotel Dominik(ホテル・ドミニクの謎)」ホテル・ドミニクの705号室にひとりの紳士がチェックインした。几帳面な彼は、やがて壁に沢山のスイッチがついているのに気づき、それがなんのスイッチかを確かめ始める。ところが、ひとつだけどうしてもなんのスイッチだか分からない。一生懸命スイッチをつけたり消したりする紳士。部屋の中ばかりを見回す彼は、それが部屋の前の電灯のスイッチであることに気づかない。「3.Little resistance(反抗期)」授業中、ひとりの生徒が椅子の向きを変えて座っていた。そんな生徒を叱り、椅子の向きを直させる先生。しかし椅子の向きが変わっても、その生徒は・座る向き・を変えようとはしないのであった。「4.Weather forecast(おばあさんの天気予報)」そんなに大きくもない国の、そんなに大きくもない町に、少女・イリンカとその母親が引っ越してきた。引っ越して最初の日曜日、ふたりはルカルの町に買い物に出かける。ところがその途中、ひとりの老婆が強引に母親に傘を持たせようとした。空はよく晴れていて、雨が降るようには思えない。しかし、バスの時間のあるふたりはとりあえず傘を借りて先を急ぐことに。やがて、ふたりは細い路地にやってくる。ここを通ればすぐにバス停だ。だが、母親は頭上の電線に沢山の鳩がとまっているのに気づく。しかも、鳩はボトボトと糞を落としているではないか。とその時、母親は悟るのであった。老婆は雨の為ではなく、引っ越してきたばかりでこの鳩の糞の路地のことを知らないふたりの為に傘を貸してくれたのだと。かくして、イリンカとその母親は鳩の糞の被害に遭うことなく、無事バスの時間に間に合うのであった。「5.Point(ポイント)」Pointのiの・は、世界最小の演技者だ。彼は、蝿になったり蚊になったり蛾になったり蚤になったり蛍になったり、時には電子になったりハレー彗星になったりして、スクリーンの中をところ狭しと飛び回る。「6.View of a Father View of a San(大人の領域、子供の領域)」今日はパパとペトルのお出かけの日だ。途中で出会う知り合いとの挨拶もそこそこにパパは先を急ごうとするけれど、ペトルは町の様子に興味津々。ケーキ屋さんで立ち止まったり、ぬいぐるみをねだったりと道草ばかり。やがて、ふたりは病院の前で待つママと会う。実は、今日はママと生まれたばかりの赤ちゃんを迎えに来たのだ。パパはママと赤ちゃんの退院を喜び、ペトルはさっきパパに買ってもらったぬいぐるみを初めて会う妹にプレゼントするのだった。

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スタッフ・キャスト

監督
脚色
佐藤雅彦
内野真澄
原作
佐藤雅彦
内野真澄
エクゼクティブ・プロデューサー
ゴトウ・ヒロシ
モチヅキ・ヒデキ
プロデューサー
カンダ・レイコ
撮影監督
ピエール・ストゥベール
プロダクション・デザイナー
マリア・ミュー
美術
イオン・ミゥ
録音
ヴィオレル・ギョセル
音響効果
コバヤシ・ノリオ
編集
中沢浩史
衣裳
レナ・セレテニコヴァ
ライン・プロデューサー
マサ・サワダ
ツヤマ・マサジ
助監督
エミール・ストテア
ナレーション
アーサー・タンスレイ
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