ダイナマイトどんどんのレビュー・感想・評価
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バカで野蛮で猥雑な生命力に溢れた昭和という時代の娯楽映画の最後の金字塔
戦後間もない昭和25年、米軍占領下の北九州戸畑。昔気質の親分、岡谷源蔵(嵐寛寿郎、76)率いる「岡源」組と、橋本伝次郎(金子信雄、55)率いる新興ヤクザ「橋伝」組の抗争は日々激化。自分もヤクザの親分みたいな警察署長(藤岡琢也、48)が和平会議を招集します。「戦後民主主義的」に解決を図るため、北九州の博徒の親睦団体「筑豊侠友会」を立ち上げ、豊楽園球場にて親善野球大会を開催することに。
こうして書いてるだけで極めてアホくさい設定ですが、画像で見ると更にアホくさい(褒めてる)です。大の大人たちががん首揃えてこんなくだらない(褒めてる)映画を必死になって撮って、結果大爆死するというオチまで含めて痛快娯楽映画です。まだポリコレもコンプラもなかった古き良き時代の香りがぷんぷんと漂っており、今の良い子達にはとても見せられません。
本作に入れ込んだあまり、主演の菅原文太は「健さんと勝負や!」とぶち上げ、封切りをわざわざ高倉健主演の角川映画『野性の証明』と同じ1978年10月7日にぶつけたそうです。さらに角川のメディアミックスCM物量大作戦に対抗するため、普段は断るテレビCMにも出演し、チオビタドリンクを片手に「ダイナマイトっ、どんどん!」と叫びまくりました。
で、結果は野性の証明の配給収入21億8000万円(日本配収4位、邦画配収1位)に対し本作は製作費の回収もままならない有り様…。さらにwikipediaの「1978年の日本公開映画」のページにはなぜか本作の記載がありません。wikiにも無視される有り様…。
1978年のわが国の映画配収トップチャートには「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」といった海外SF大作、「007/私を愛したスパイ」、「野性の証明」、「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」などが並んでいます。それに比べて本作は古き悪き昭和を振り返るヤクザパロディ映画。菅原文太の気合をもってしても、海外勢や角川軍団やアニメ大作の前には適うはずもありません。映画の中でも外でも、菅原文太はボロボロになりながら奮闘しました。
本作で菅原文太(45)は岡源組のNo.4、暴れ出したら誰も止められない「遠賀川の加助」を熱演。熱血暴れん坊、剽軽男芸者、手のつけられないアナーキー野郎、着流しで殴り込みをかける古き良きヤクザと、シーンごとにあらゆる役柄を見事に演じきります。こんな真似は一本調子の棒演技、高倉健にも鶴田浩二にもできっこありません。
菅原文太以外にも、数々の昭和の名優たちが出演しており、ノリノリで怪演を披露しています。特に二人の親分、嵐寛寿郎と金子信雄のやり取りは日本の至宝といっても過言ではありません。「任侠〜っ!」以外ほとんどセリフのない嵐寛寿郎の設定はバカバカしすぎて大笑いです。嬉しそうに芸者の手をナデナデしてる寛寿郎の顔を見てるだけで笑いを誘われます。さすが明治生れのモテ男はいくつになってもスケベです。
橋伝組No2狡賢い花巻役、怪優岸田森(39)も輝いています。夭折が悔やまれます。菅原文太の敵役、北大路欣也(35)もガチムチです。炭鉱のぼた山で泥だらけになりながらの文太&欣也の殴り合いシーンは、喧嘩を通り越してもう男同士のセックスです。フランキー堺(49)は戦争で障害を負った元プロ野球選手という影のある重要な役柄を好演。にっかつロマンポルノの名女優宮下順子(29)が花と色を添えます。日本映画の火が消えてゆく最後の打ち上げ花火のような本作の輝きと名優たちの演技を、しっかりと目に焼き付ける必要があります。
両軍のチーム名は橋伝カンニバルズ(人食い人種)vs岡源ダイナマイツ。ダイナマイツの背番号は手本引き、掛け声は「ダイナマイトーっ、どんど〜んっ」とどこまでも徹底して頭の悪い設定を貫く岡本監督、さすがです。随所で古き良きヤクザ映画を茶化しまくっています。
で、なんやかんやあって最後はもちろん大乱闘。えんえんと続く乱闘を観客席にぽつんと座った戦争孤児が見つめています。
本作中の最大の胸熱シーン、ついに堪忍袋の緒が切れた加助は仏壇と神棚に手を合わせ、一張羅の着物に着替え、長ドスを手に家を出ます。たった一人でのカチコミです。それを待ち構える盟友、留吉(小島秀哉、44)。そんなことだろうと、留吉も長ドスを手に一人加助を待っていました。二人の後ろ姿には、「負けると分かっていて死地に赴く男の美学」が凝縮されています。多勢に無勢、拳銃vsドス、ユニフォームvs着流し。加助と留吉は敗れた日本であり、橋伝は小狡いアメリカです。そしてやっぱり日本はアメリカにボロボロにやられてしまいます。日本人の「男の美学」へのこだわりこそ戦争に負けた最大の要因だという監督からのメッセージでした。
戦争には負けましたが野球では負けません。WBCに熱中し、大谷翔平の活躍に胸を熱くするわれわれ日本人は、心の奥ではまだ本当に凝りてはいないのかも知れません。
任侠に甘い幻想を懐いてはいけない
徳間書店が買収した新生大映が製作し、ヤクザ映画の東映が配給した作品。
子供の頃、タイアップした栄養ドリンクのCMで菅原文太がタイトルを絶叫していたのが、今なお耳朶に残る。
監督の岡本喜八は幅広い作風で有名。
先日やはりTVで放送されたばかりの東宝版『日本のいちばん長い日』(1967)とのギャップに驚かされるが、原作が火野葦平なのにはもっとびっくり。
終戦の五年後、抗争を繰り返す北九州の暴力団関係者を集め、暴力でなく野球で決着をつけようというストーリーの任侠コメディー。
その方が民主主義的だし健全だしね。
でも、現実はそんなに生やさしくない。
映画の舞台となった九州の暴力団は時代が平成になっても過激な抗争を繰り返し、揚げ句、民間人を標的にした任侠とは名ばかりのテロ同然の殺人も辞さないほど尖鋭化。
責任を問われた組織のトップに極刑の判決が下ると、関係者に恫喝まがいの棄てセリフまで浴びせる始末。
近年、某外食チェーンの社長射殺事件にも北九州の反社会勢力が関与していたことが発覚。京都の裁判所も一時、厳戒態勢が敷かれ戦々恐々としていた。
本作も「昔のコメディーだから」と、割り切って楽しめる気分じゃなかった。
巨漢俳優・大前均演じる強面の主審に代わり登場する草野大悟の情けないキャラクターに、何故か心が和む。
BS松竹東急にて初視聴。
どうせなら、岡本喜八監督の反戦作品を放送して。
野球せぇ
ハイテンションの切実を評す
最高に面白いヤクザ映画 野球映画の最高傑作
岡本喜八監督の最高に面白い映画
野球を絡めた爆笑ヤクザ映画
ハリウッドが『メジャーリーグ』なら日本には『ダイナマイトどんどん』がある
民主主義の喧嘩は野球です
時代を感じさせる自由な古き良き任侠コメディー映画
ハチャメチャドタバタ
娯楽映画の傑作
九州弁が良い
菅原文太は宮城県出身だけどね
豪華なキャスト陣
出番が少ない脇役まで実力者が目白押し
福岡ソフトバンクホークスの選手層と双璧の顔ぶれ
東映ではなく大映映画
どうりでかつての東映三人娘の1人桜町弘子の扱いが小さいわけだ
岡源の組長の通訳をする威勢がいい芸者役が面白い
『橋傳組カンニバルズ』
カーニバル?カンニバル!おいちょっと(笑)
対立する橋傳組の野球チームが面白い
右打席左打席一度に両方に立つケーシー高峰も笑える
岡源の菅原文太丹古母鬼馬二志賀勝以上に迫力がある北大路欣也
弥七じゃない中谷一郎もいいね
元プロ野球チームのエースで元兵隊なのに何故かポッチャリのフランキー堺がダイナマイツの監督
戦場から帰ってきたらヤクザなんか怖くない
パンパンや芸者の皆さんがダイナマイツの応援団
千代竜役桜町弘子もいるよ
カンニバルズの応援団はストリッパーか
ついにはなぜか脱ぎだすカンニバルズ応援団
お色気も忘れていないサービス精神
決勝はもちろん岡源組ダイナマイツVS橋傳カンニバルズ
乱闘騒ぎは当たり前
最高に面白い野球映画
最高に面白いヤクザ映画
最高に面白い大映映画
くだらないを通り越して芸術映画より芸術的
まだ観ていない映画ファンは必ず観るべし
ダイナマイトーどんどん!
ダイナマイト!ドン!ドン!!
78年大映。
菅原文太で戦後とくれば東映映画を連想してしまうが、今作は大映、監督は岡本喜八!まず長い。東映はだいたい100分以下だがこれは2時間23分もあるよ。
だが開始15分での「任侠野球」をぶち上げ快調な出だし。本気のふざけた展開だ。ピンクのスーツ着た岸田森がビンビンに来てる。そして任侠映画では見たことのないフランキー堺がいい味出してるぞ。あと田中邦衛の投球フォームw
喜八監督といえば場面転換の上手さ。今作でも実に見事。北大路欣也の投球シーン転換は唸った。
後半は任侠系に傾きつつもラストの試合を盛り上げる展開。これは燃える。試合は無秩序だがちゃんと進むというww 最後はカオスの極み。ここまで徹底してやってくれたら言うことはありません。アッパレw 痛快娯楽任侠野球映画でした!
とても楽しい
いくらでも刀を振り回しても、拳銃を撃っても誰も死なないのが茶番であるし、楽しくもある。北王子欣也のギラつきがすごかった。田中邦衛のアル中ぶりもすごかった。見せ場の中心が野球なところがとてもよかった。
見所いっぱいで楽しいのだけど長い。
任侠野球、ぷれいぼ~る!
まるで『独立愚連隊』を彷彿させるような、これぞ岡本喜八とでも言うべき痛快娯楽作。
1978年の作品。
戦後の北九州。
昔気質の岡源組と新興の橋傳組の2大やくざの抗争がエスカレートし、問題となっていた。
そこで警察署長の提案で、民主的に解決しようと野球大会が開かれる事に…。
任侠×野球の異色ジャンルの組み合わせ。
漢気溢れる任侠の世界と熱血スポ根が見事に融合!…と思ったら、
かなりの変化球。と言うか、完全なるコメディ。
橋傳組の方は頭がキレる若頭が優秀な人材を集め、強豪チームを作っていくのだが、岡源組の方は…。
ルールも野球の“や”の字も知らない奴らばかり。唯一一人だけ、補欠でグランドに入った事あるだけ。
そんな岡源組に、プロの経験ある男が奇遇にも監督に就任。
この監督がチョースパルタ。飛んでくる球を身体で受け止めろ!…って、オイオイ。やくざたちもホントに身体で受け止めるし…。
任侠の世界じゃ文句言わせないけど、野球の事に関しては全くの素人。散々しごかれる。
THEやくざの漢である主人公の加助は、この野球が面白くない。
何が球投げ遊びじゃ! やくざならやくざのやり方で白黒付けるんじゃ!
…と言ってた加助だが、いつの間にか彼も参加する事になり、その威勢の良さでチームを引っ張る。
一応スポ根的な要素もあるが、後はとにかく何でもあり。
相手チームの投手が酒好きと知って、試合の合間合間に酒を呑ませてベロンベロンにさせる。
魔球的なのも登場!
中盤ある事情から殴り込みをして加助は大怪我を負うも、すぐ試合に復帰。
ある大事な試合では、グローブの中にメリケン、腹や脚に鉄板を仕込み…などなど。
昔のブッ飛び野球漫画を実写にしたような感じ。いや、それ以上!
派閥争い、殴り込み。男と女。
任侠映画要素もあるにはあるが、『仁義なき戦い』のようなリアリズムを期待すると、アレレ…?
皆で真面目にパロディーやってるようなやくざコメディ。
そんな中で唯一人本当にシリアスなのが、ある事情で岡源組に入ってきた銀次。
新入りだが、誰にも頭を下げないくらいの一匹狼。
野球にも参加。経験者で、誰も打てない絶対的エース。
が、加助とは常に火花バチバチ。
と言うのも、加助が惚れてる飲み屋の女将の夫。
女を巡って、殴り合いも。
そんな銀次が突然、ライバルの橋傳組に引き抜かれる。
エースを取られ、戦力を失ってしまった岡源組。
奇しくも決勝戦は、岡源組対橋傳組。
しかも岡源組は、負けたら縄張りを取られるという事実上の組消滅を約束させられてしまう…。
組の存続。
加助と銀次の決着。
文字通りの天下分け目の決勝戦。
怪我人続出、もはやルール無しのハチャメチャ試合が、プレイボール!
キャストたちが皆、熱量高めの快演。
脚本を大変気に入ったという菅原文太が豪快演技。
北大路欣也はシリアスに男の色気を発揮。
野球賭博で儲けようとする岸田森、スカした投手の田中邦衛らサブキャラもユニーク。
惜しむらくは、監督役のフランキー堺が要所要所見せ場はあったが、もうちょっと出番あって欲しかった。
キャストたちの吹替ナシの試合も必見。
実際に北九州で、野球で勝負付けたやくざの実話あるらしいが、本作はその映画化ではない。
が、血みどろの争いよりずっと平和的なナイスアイデア。
映画としては、本格的な任侠/野球モノを期待すると漫画的で物足りないかもしれないが、一応それらの醍醐味はあるし、何より面白可笑しく、豪快!痛快!
ダイナマイト級の楽しさ、面白さ。
タイトルは、岡源野球チームの気合い入れの掛け声。
ダイナマイトー!
どんどん!
もう破茶滅茶。 クライマックス、もはや野球の試合でもなんでもありま...
コテコテな九州弁?がよかった
日本版ベアーズときいて、ベアーズがそこまでだったので
おもしろいのかな?と見始めましたが
おもしろい…
ベタな展開もいいし、任侠ものなのに殺伐深刻としてなくてよかった
方言がいい味だしてました
きたおうじきんやさん、若い頃もすごくオーラがありかっこいい…
タイトルの歌が劇中歌で流れていましたが
あのシーンが1番好きです
あと観客席の脱ぎっぷりも
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