「酒井忠清」大殺陣 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
酒井忠清
加代(三島ゆり子)と幸せに暮らしていた書院番・神保平四郎(里見)は友人である中島外記(尾形伸之介)をかくまったことから謀反を企む一味と見なされ捕縛される。逃げ出した平四郎は偶然出会った旗本の浅利又之進(平)の屋敷にかくまわれ、加代の安否を確かめるべく出かけたところ、山鹿素行(安部徹)の姪みや(宗方奈美)が近づく。加代が斬り殺されたことを知り、復讐しようとする平四郎をみやは必死に止めにはいる。下っ端の目付を2、3斬ったところで何も解決しない。諸悪の根源を断ち切らねば、世の中は悪くなる一方だと・・・こうして平四郎は山鹿素行の一党に加わるのだった。
諸悪の根源は、綱重を将軍に据えて自らを摂政となり天下を我が物にしようとする酒井忠清(大友)なのだが、集めた仲間の人数では勝てぬ。そこで警護が手薄となっている甲府宰相の綱重を討つことに決定した。
徐々に平四郎に恋してゆくみやというヒロインは、女忍者のように体を張る。岡部を仲間に引き入れるため体を許すが、裏切られたため、平四郎に殺させたり、坊主となった日下仙之助(山本麟一)に犯されたり・・・決行前夜に日下に絞殺されるという可哀そうな女でもある。
暗殺決行。田舎道を通る大名行列の中に十数頭の裸馬を走らせ、混乱の中7人の刺客が斬り込んでゆく。死闘を続けるも、一党は殲滅されるが、その集団の大殺陣は凄まじい。この10数分の映像を魅せる映画なのだ。平四郎の死体を見た浅利は単身綱重に斬りかかり、綱重を討つが、家臣たちに斬り殺される。
酒井の気が触れたように「甲府公は死んではおらぬ」とあわてふためく姿が、一行の暗殺計画が成功したことを表している。しかし、虚しい。
同じく酒井忠清を描いた映画『江戸城大乱』