ゾロ目の三兄弟

劇場公開日:

解説

小林旭の東映出演第一回作品。昭和28年頃の大阪を舞台に、河内の三ゾロと呼ばれる暴れ者の三兄弟が、大資本と結託したヤクザ組織を相手にする破天荒な活躍を描く。原作は今東光の『河内ゾロ』の映画化。脚本は「まむしの兄弟 懲役十三回」の高田宏治、監督は「任侠列伝 男」の山下耕作。撮影は「悪親分対代貸」の山岸長樹。

1972年製作/86分/日本
配給:東映
劇場公開日:1972年4月14日

ストーリー

昭和28年頃の大阪。河内三兄弟の一人、大西仁助は、安兵衛、三次の二人を従え、和田倉一家の縄張りに進出し、チンピラのジャックの豊造たちを追い出し、大阪鶴橋に河内仁吉一家の看板をかかげた。仁助はこの大阪で一、二の一家をかまえることが夢だった。仁助の出身地中野村では、関西レイヨン工場進出をめぐって、特産豚毛ブラシ業者の源吉と村長一派が対立。仁助の弟で、先祖代々からの百姓稼業を継ぐ多度吉が、業者の先頭に立って男を売ろうとしていた。そんなある日、父危篤の知らせで、生まれ故郷に仁助と、末弟で船員の永三も神戸からかけつけ、久々に三兄弟が顔を合わせた。数日後、ド助平で、ドケチで、喧嘩早い三兄弟は、父親の死をめぐって、内輪争いを始めるが、源吉の家に間借りした水野万紀の出現で、不思議にも三兄弟の内輪もめがピッタリとやんだ。と言うのも万紀の溢れるような女らしさに三人共惚れこんでしまったのだ。芸者だった万紀は、和田倉一家代貸の林蔵に身うけされたが強引な林蔵にいや気がさし逃げ出して来たのだった。一方、村長一派は、和田倉一家と手を組み工場設地を強行しようとした。和田倉は、工場建設を請負い、代貸の林蔵と、子分数人を中野村に送り込み、工場建設に反対するブラシ業者たちに、暴力を使って、いやがらせを表面化させる。この事に怒った多度吉、村民たちは、村役場におしかけ村長一派の企みをあばこうとするが、ここでも和田倉一家の邪魔にあう。仁助は、鶴橋の縄張りの件で和田倉と対立、工場の一戦も持ち込まれたため、和田倉一家に乗り込み、和田倉と対決、工場から手を引かせることに成功した。しかし、これが和田倉の企みであるとは、仁助も気がつかず、大阪一の親分和田倉と兄弟分となったことに大得意となっていた。さらに和田倉は、中国の豚毛を大量にあっせんしようと申し出る。仁助はこの仕事を快くうけ源吉たちを説得。源吉たちは田畑を売って手付金をつくり、取引することになった。ところが取引の日、荷が豚毛どころか、オガクズにすり替っていることを知った。荷がニセ物だと感付かれた和田倉は、外部にもれることを恐れ、立合った業者二人を抹殺する。また、この取引きで業者の代表となっていた源吉は、責任を感じ自殺を計る。一方、万紀の行方を知った林蔵は彼女を引き戻したが、彼女を慕う永三に知られてしまう。永三は単身林蔵の家に乗り込んだが、逆に捕えられてしまう。しかし、仁助によって万紀と共に救出される。勢いに乗った和田倉は工事の再開をはじめた。この和田倉一家の汚いやり口に、遂に大西三兄弟の怒りが爆発、郷里中野村に背を向け和田倉一家に殴り込むのだった。

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