空の大怪獣ラドンのレビュー・感想・評価
全24件中、1~20件目を表示
なぜ名作と呼ばれるのか
不思議に思っていたのですが、実際に見てみてなるほどと思いました。
午前十時の映画祭で見損ねたのがもったいなかったと改めて感じました。
当時、世界で他の追随を許さない最高の特撮技術で描かれた怪獣映画。
古代に生きた翼竜が現代世界に蘇る。彼らが生きた時代には人類は存在しておらず、彼らは自由に大空をわがものとできた。まさに彼らは大空の支配者だった。
しかし、彼らが蘇った世界は人類が地上に建造物を築き上げ、空には航空機が飛び交う世界だった。
彼らが生きているだけで人類にとっては大きな脅威となる。蘇る時代を間違えた彼らは現代の支配者によって駆除される。
ミサイル攻撃により阿蘇の山で断末魔をあげるつがいと雛の翼竜たち、その叫びが胸に突き刺さる。
当時、世界の最高峰である円谷特撮で描かれたスペクタクルシーンの数々、大空に憧れた円谷英二の思いがフィルムに刻み込まれた。そしてそれだけに終わらない、異質なものとして社会から排除されるものの悲しみを見事に描いた。
同じく社会から阻害される者の悲しみを描いた「ゴジラ」に並ぶ、世界に誇れる怪獣映画である。
【”捕食そして、地球温暖化・・。”サスペンスフルな前半と、スピード感あふれる後半と、怪獣とは言え切ないラストシーン。今作は、怪獣作品としては一級品であろう。】
■九州の阿曾山の炭鉱で鉱夫や警官が惨殺される事件が発生。
調査のため炭鉱を訪れた河村繁(佐原健二)は古代昆虫・メガヌロンの姿を目にするが、落盤に巻き込まれて記憶を失ってしまう。
数日後、プテラノドンが変異した巨大翼竜・ラドンが超音速で飛び回り、各地で暴れ始める。
◆感想
・本格的な怪獣映画である。
・ジオラマの完成度も高く、ラドンの羽の衝撃により解体していく家並み、ビル群、横転する列車の姿。
・阿曾山に戻り隠れるラドンに対し、次々に打ち込まれるロケット弾も迫力十分であるし、活火山である阿曾山が噴火し、粘性の低い溶岩が流れるシーンもリアリティ感に溢れる。
<ラスト、番いのラドンが溶岩流に呑み込まれ、もう一匹のラドンがそれを助けようとする姿も、心に残る作品である。第一級の怪獣映画である。>
引き込み度が弱く、単調に感じた
午前十時の映画祭にて、昔のガメラのような面白さを期待して観に行きました。
引き込み度が弱く、単調に感じ、盛り上がらなかったです。
セリフが聞き取りにくいのも感じました。
1950年代の映画なので、やむを得ない部分もありますが、もっと話に捻りを入れてもよかったですね。
スクリーン内に暖房が入ってないのか、結構寒かったです。
まだまだこの手の映画に力が入って頃の良作
東宝の「ゴジラ」に続いて作られた「空の大怪獣ラドン(4K)」を見てきました。
午前10時の映画祭を見行ったのも久しぶりになります。
また、本作品、私としては初見になります。
「ゴジラ」をモノクロでしたが、本作品はカラー作品ですね、フィルムの方は16㎜で撮りあげているみたいで、真四角な映像でした。
しかし、本多猪四郎監督、円谷英二特技監督の黄金コンビで、まだまだこの手のジャンルの創成期に当たる作品だけあってヤッケ仕事ではなく、しっかりとした作品に仕上がっていました。
まずは、東宝の俳優さんでお馴染みの佐原健二さん、佐原健二さんが実に若い!同じく平田昭彦さんもお馴染みですね。ふたりのツーショットは後の「ウルトラセブン」の参謀格!田島義文さんもお馴染みで、みんな当たり前ですが十分に若いですね。
しかし、さすがわ、当時の東宝作品、予算があるので、円谷英二監督による特撮の部分は、当時として考えてもよく出来ていますね。冒頭の炭鉱の列車のシーンは実写かなと思うほど・・・・この頃の特撮映画は、世界に自慢できる程の作品がかりですね。
私的には「ゴジラ」と違って、「ラドン」が正直、人間にとって害であり、敵意を持って人間だけの力で攻撃する内容が分かりやすくて良いと感じました。ここで「ウルトラマン」のように正義の味方が登場するのもいいですが、人間の力だけで、外敵をやっけると言う内容が本当にいいですね。
ラストは、少々好みではなかったですが、しかし、前半は結構緊張感も出ていて、この頃の怪獣映画であっても、まだまだステータスが高く、本から作品作りまで真剣に取り組んでいる想いが伝わってきます。
本作品、見て良かったな・・・・
タイトルなし
午前10時の映画祭にて
意外にも舞台は九州
ヤゴみたいな怪獣が住宅地に現れたり、ラドンはあれは実はつがい?ちょっと怪獣の出現が唐突な気がしましたが、超音波プテラノドンと空中戦は迫力あり、しかも多少の攻撃ではビクともしない凄え怪獣
当時の町並みを忠実に再現したのかどうかは分かりませんが、新天町、アサヒビールのビルが破壊される場面はおぉっとなりました 昔はそう言えば路面電車も通っていたな
実は地下、海底に関してはまだ未知なことが多い(最近のトンガ噴火然り)、温暖化が進めば南極の氷が溶けて古代のウィルス復活や凍った動植物から遺伝子を採取なんて聞いたことがあるので、あながち荒唐無稽な話ではないと思った
令和の現在である意味一周回って新鮮な特撮演出が釘付けに
前にゴジラ特集番組でこの『空の大怪獣ラドン』という作品が紹介されており、たまたまタイミングと時間が合ったので鑑賞。ちなみに『午前十時の映画祭』という古い映画をデジタル化したサービスで見ました。今回が初です。
内容は人間の炭鉱工事と環境条件が原因で復活したヤゴ?の祖先が工事員を数人殺めるところが序盤で、中盤からそのヤゴ祖先の住みかに巨大な卵🥚が存在し、孵化したラドンの雛が親と共に人間に被害を与える。怪獣あるあるの人間都合で住みかを追いやられるパターンです。
この日本の特撮はジオラマ、模型での表現で、なんと言ってもその迫力。作り物とはわかるもののなんだか作成者たちの作業工程が勝手にイメージされ、そのラドンは生き物と捉える錯覚に陥りました。注目のラスト、ラドンが噴火した溶岩に焼けてしまうシーン。聞いた話だと釣り糸が切れ、ラドンがそのまま落ち焼けたが、結果的に火の蒸気の影響か躍動感ある動きとなりとても失敗とは思いませんでした。
今後もこうした作品を是非スクリーンで見れる機会が増えたらと思います。
あんなラストだったとは
阿蘇山の近くの炭鉱に、最初は巨大ヤゴが現れ人を襲い、大怪獣ラドンが卵から孵りそのヤゴを食べ、てな話。
なかなか面白かった。
地球温暖化問題をあの当時に提起してるなんて先見の明だなぁ、と思った。
ラストがあんなだったとは、驚きだった。
若い時の白川由美は美しかった。
驚きの円谷作品
4Kリマスター版を映画館で見ました。
最初に見たのは幼稚園か小学生低学年の頃。
白黒テレビで冬休みの子供番組の映画放送だったでしょうか。
50数年ぶり、カラーTVでも見たかな?それくらい昔の話。ゴジラ映画でも出てましたからそっちの印象の方がまだ強い位です。
それはともかく、私が生まれる何年も前にこれほどクオリティの高い怪獣映画を作っていたとは驚きです。シンゴジラとかシンウルトラマンとか裸足で逃げ出すレベル。当たり前ですがCGでは無い。
ミニチュアにしても全部本物ですからね。
自然現象物理現象を極力正確に再現したCG映像より模型でもリアルの方が細かい部分や迫力が違います。しかも模型の造形がテレビ版のウルトラマンなどとも比べ物にならない位細かい。流石映画。
飛行機もラドンもほぼピアノ線が殆ど見えない。
全く見事と言うしか無い。
炭鉱も本物の炭鉱を使ったロケ。街も懐かしい街並み。しかも後でミニチュアで再現して壊す(笑)。
超巨大なヤゴ(トンボの幼虫)も本物かと見まごう程。動きは少々アレですが、造形は変にリアルっぽいCGより本物に見えてしまう。
それにしてもこの時代から地球温暖化問題あったんですね…知りませんでした。
物語は前半は炭鉱の鉱夫が巨大なヤゴに襲われて撃退しようとする所からラドン(と言うか謎の超音速飛行物体、空飛ぶ円盤かも?って台詞があるのでそんな昔からあったのかと)が旅客機などを墜落させる所に切り替わり、ラドンの巣が炭鉱近くにありラドンは巨大ヤゴも食べていた。
ヤゴとラドンの間に唐突感はあるけど繋がった。
ラドンは衝撃波で佐世保、西海橋、博多と次々壊して最後は…
ゴジラの様に火炎やビームを吐くわけでも物凄い怪力があるわけでも無く単に凄く早く飛べるプテラノドンの仲間みたいなラドンは地味と言えば地味かも知れないが、自衛隊が通常兵器で辛うじて何とかなりそうなレベルの怪獣って所がミソだったのかも知れないですね。
蘇った色彩
「午前十時の映画祭」で鑑賞した。素晴らしい4K画像だった。空の色、ヒロインの鮮やかな浴衣、洋服の発色、溶岩、土、木の美しさ。今から66年前の作品とは思えないほどの画質の美しさに技術の凄まじさが良く分かった。今となってはほぼ不可能に近いミニチュアによる街や橋を壊す映像に新鮮な感度を覚えた。細かなところまて妥協せずに作り上げた円谷英二の職人気質には恐れ入る。CG全盛の時代に、チャチな特撮とは絶対に言えない素晴らしさが宿っている。劇場で発見出来た喜びは、また格別だ。
怖い
正体不明の生物→正体はプテラノドンだ→対策会議
今も俺達が知り、口にもする怪獣の名ラドン!
一体どんな経由でラドンと命名されるのか!
と会議で学者が、「えー、ラドンの件ですがー」みたいにしれっと勝手に命名したら、誰のツッコミも無くすぐ浸透しちゃうんだね。
え?プテラノドンでいいんじゃないですか?とか。
誰も疑問に思わなくスルー定着しちゃうんだね。
やっぱ自分の責務に追われた大人の判断力っていい加減だな、超適当じゃん。
人の判断力って怖い、仕事に追われすぎると冷静な判断なんて出来ないんだ。
なるほど、うちのクソ上司もいい加減に指示して、結果だけに文句言う訳だ。
年末の仕事も地獄だな。
やっぱ凄いトコ描くな本多猪四郎。
円谷英二の伝記で読んだ思い出
午前十時の映画祭にて鑑賞。
序盤はモンスターパニック映画的ながらも、中盤以降はラドンの迫力と理不尽さ、飛び散る爆薬と破壊される街並みと、特撮の醍醐味がふんだんであった。
赤ちゃんの泣きだすタイミングも指導済み?
悲しいお話だったんだなー。
ラドンが暴れまくるだけの話と思ってみたら予想以上に結末が悲しいお話だった。当時の特撮としては凄いレベルと思うけど今と違ってごちゃごちゃ余計な話がついていない分ラストの展開ぎ際立って悲しく感じる。初めて見たけど良かった。
シンプルに可愛そうなラドン
いやー。怪獣映画の醍醐味は、やっぱり円谷w
と言うか、ジオラマとミニチュアに萌えます。
これと言って、悪い事をしてる訳じゃ無いのに、人間様の縄張りでは共存出来ないから駆除されてしまう怪獣達。哀しい。
でもラドン、性格悪かったし、ドハゴジん時w
イヤイヤ、あの性格は、この誕生時の人間への恨みから来てたんだ!
と、一人で納得したずらw
楽しかった。
結構。
是非、観るべき怪獣映画。
傑作「ゴジラ」の影に隠れてしまった名作。私はこの名作をテレビ画面(ビデオも含む)でしか観たことがありません。
巨大怪獣を小さな画面で見るなんて、阿呆らしいと考えている人間です。もう三十年以上鑑賞していません。つい最近、午前十時の映画祭でこの映画が今年上映されることを知りました。拍手喝采です。大きいスクリーンで観れるなんて、待ち遠しい。
東宝怪獣映画で名作と私が思うのは、初期に集中しています。「ゴジラ」、「ゴジラの逆襲」、「モスラ」、そして「空の大怪獣ラドン」です。
ラドンと航空自衛隊との空中戦は、見ごたえがあります。一度はラドンを墜落させるのですから。
ラドンがなかなか現れないのに不満を持つ方もおられますが、よく出来た脚本で飽きさせません。
最後の溶岩に落ちるラドンの不自然さは、怪獣映画ファンによく知られたエピソードです。取り直ししなくて良かったです。円谷英二特撮監督の英断です。この映画を最後に、ラドンはゴジラの引き立て役になってしまいました。残念です。
昨日、午前10時の映画祭で、スクリーンで鑑賞した。傑作だと思う。脚本がいい。改めてみてそう思う。
残念だと感ずるのは、伊福部昭の音楽だ。やっつけ仕事の感じがしてしまう。冒頭の音楽はおどろおどろしくて、私はかえって笑ってしまう。
まだ、石炭産業が元気な頃で、炭鉱町の風景はこんなんだっただと思った。4Kデジタルリマスターで、映像が綺麗になった。海外に出しても恥ずかしくない作品だ。
半世紀以上前から地球温暖化は問題となっていた・・・
最初に登場した怪物は巨大化したヤゴ!成虫トンボになってラドンをやっつけてくれるのかと思ったら、展開はまったく違っていた。
『三大怪獣地球最大の決戦』でも登場するラドンのデビュー作。阿蘇山付近の炭鉱労働者の描写もあり、カラー作品としてはかなり貴重なシーンでもありました。しかも56年なのに、かなりハイレベルな特撮、ミニチュアセット。「暑い暑い」という台詞に対して地球温暖化問題を絡めたり、『ゴジラ』と同じく核実験によって巨大化したという説もつぶやかれる。
プテラノドンが現代に蘇ってしまったというストーリー。巨大ヤゴがメガヌロンになるというのに、ラドンはヤゴを食ってしまった。メガニューラ、メガギラスの登場は2000年の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』まで待たなければならなくなってしまった。
ラドンは通常攻撃ではまったく歯が立たず、帰巣本能により阿蘇山火口に戻ったときに崖崩れを起こして閉じ込めてしまおうという作戦になった。そんなことをすれば大噴火を起こしてさらに被害が拡大しますよ!という意見にも、さんざん街を破壊したラドンを倒すのにはこれしか方法がなかったようだ。火山の被害も甚大だと思うけど・・・ラドンも「そうだそうだ」と言っています。
いつの間にかラドンもつがいとなっていて、マグマに飲み込まれた連れ合いをもう一匹が助けようとする構図にはちょっと泣けてくる。白川由美が「ううっ・・・」と泣き崩れるシーンも印象的だ。
天神が火の海に!
2020年5月30日
映画 #空の大怪獣ラドン (1956年)鑑賞
阿蘇の炭鉱に怪獣が現れるが阿蘇に炭鉱あったかな?
その後、西海橋を壊して福岡に来る
福岡では大濠公園を通過し、天神で自衛隊と市街戦を繰り広げ火の海にします。岩田屋、「博多の花道新天町」、西鉄街、西鉄電車、スポーツセンターでてきます
世界初史上最初の地球温暖化告発映画と言える ラドン出現は近いのかも知れない
見事な傑作
前作のゴジラの逆襲で決定的に駄目だった脚本に力を入れてある
資料によればクレジットには無いが黒澤明が脚本に手を貸したともある
リアリズムと緊迫感を全編で維持し続けているところからまんざら出鱈目でも無いかも知れない
ゴジラというフォーマットを、怪獣というフォーマットに拡張した点でも企画は大変に優れている
カラー撮影初の怪獣映画は想像以上に大迫力で、特撮パートも力が入っており素晴らしいシーンの連続だ
破壊される佐世保のアーチ橋は当時固定アーチ橋としては世界第三位の大鉄橋の西海橋
竣工してまだ1年というから当時の観光名所だった訳だ
このランドマーク破壊は今後の怪獣映画の伝統になるものだ
しかも破壊の前に戦闘機を編隊で潜らせてまで見せるのがから凄い
ピアノ線吊りなのにどうやったかみごとな特撮
Fー86Fセイバー戦闘機の美術は大変に優れていてリアリティ溢れている
キャノピーはなんと実物を使用したと聞く
未だに語り草なのは西鉄福岡駅と岩田屋百貨店の破壊
このシーンだけでご飯を何杯でもいけるというファンも多いはず
ラストシーンは怪獣映画の名シーンの一つに必ず入るものだろう
つがいのラドンの雌雄が見せる情愛は、その後のモスラやゴジラの人類の味方化の伏線ともなっていく訳で、これまた重要なシーンだ
ラドンが現代に生まれた理由を劇中では博士がやはり原水爆実験の影響に求めているのだが、21世紀になり久々に観て仰天してしまった
登場人物達が暑い暑いと盛んに言い合い
地球温暖化か!と言うのだ
北極と南極の氷が全部溶けると、地球が水浸しと言う話か!嫌だねえ!ハハハ!
それも二酸化炭素ガスを大量に発生させる石炭を採掘している炭鉱で
しかもそのシーンに続いて古代のヤゴの出現の騒動からラドン出現に雪崩込んでいくのだ
21世紀の我々は慄然とイマココの冷たい汗を背中に感じざるを得ない
なんという先進性!
世界初史上最初の地球温暖化告発映画と言える
ラドン出現は近いのかも知れない
全24件中、1~20件目を表示