大事件だよ 全員集合!!
劇場公開日:1973年12月26日
解説
“全員集合!!”シリーズ第十二作目。名探偵を自負するドリフターズが巻き起す大騒動を描く喜劇。脚本は「野良犬(1973)」の森崎東、「チョットだけョ 全員集合!!」の田坂啓、監督は脚本も執筆している同作の渡辺祐介、撮影も同作の荒野諒一がそれぞれ担当。
1973年製作/92分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1973年12月26日
ストーリー
東京の下町。「いかりや探偵事務所」所長・伊刈長吉と助手の仲本工作は、家賃滞納で事務所を追い立てられたうえ、ラーメン屋の主人・荒井忠次と使用人高木風太からも、数カ月間たまったラーメン代を請求され夜逃げの準備をしていた。そこへ、自衛隊の実戦演習が恐くて脱走して来た加藤ヒデオが転り込んで来た。仕事もなし、金もなく八方塞りの長吉は、自分はCIAの東京支部長だと一喝、強引に四人を部下にしてしまった。ある日、長吉は芸者・桃太郎が、好色の大学助教授・黒木に捨てられ悲しんでいるのに目をつけた。早速、長吉は黒木の身辺調査をしたところ、黒木は女子大生の坂本ミサオとデイトしているところを目撃。ところがミサオは、隣に住む健坊と二人暮しの矢代五郎を愛しているのだが、そんなことを知らない長吉は、桃太郎に黒木の女性関係を誇大報告した。ガックリした桃太郎は、黒木へのつらあてに、長吉に毒入りの紅茶を飲まし、無理心中を計った。長吉はあっけなく息を引き取ったが、火葬場のカマの中で息を吹き返した。煙突から必死に脱出した長吉が、下界をみおるすと、ヒデオたちが肩をたたいて喜び合っている。「野郎たち、ぶっ殺してやる」と叫ぶ長吉。数日後、自衛隊の鬼山上官がヒデオを連れ戻しにやって来たことから、荒井たちは、ヒデオこそCIAの大物と早合点、ヒデオをリーダーに祭りあげた。その頃、悪徳企業家・神崎は、政界の黒幕・二宮修身と組んで、高知の港町で、大コンビナートの建設を計画していた。だが、この建設にはダイバーが必要なので、神崎は、かつて自分の会社で働いていて、反抗して退社した矢代に目をつけ、健坊を誘拐し、強引に引き受けさせた。この一件をキャッチした長吉たちは、漁師たちに変装して港に潜り込んだ。そして、矢代を救出しようと、サルベージ船に乗り込んだところ、船に山と積まれた洋酒の誘惑に負け、泥酔してしまい、あっさり捕われてしまった。そして、時限爆弾が仕掛けられている小船に移された。一方、矢代は大量のダイナマイトを抱えて海に潜るふりをして、神崎の乗る船底にダイナマイトを取りつけた。数秒後、大音響とともに船は大爆発。だが、長吉たちの船は、すでに矢代が爆薬を取りはずしていたので無事だった。その時、鬼山上官がまたヒデオを追いかけて来た。驚いたヒデオは、エンジンをかけて逃げ出した。五人の途探偵を乗せた小船は、地平線の彼方へと消えていった。