「『武士の面目とは!所詮上辺だけをつくろうと言うものが?』 『さよう』」切腹 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
『武士の面目とは!所詮上辺だけをつくろうと言うものが?』 『さよう』
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ガキの頃、見に行こうと思っていたが、スプラッター映画が好きでないので、見ずにいた。今日が初見。
『これでは切腹出来ない。待ってくれと言う訳を、何故聞いてくれなかった?』実にカッコウ悪い口上。
家老は薄ら笑いを浮かべて
『武士の面目とは、所詮上辺だけをつくろうと言うものか?』と聞く。
それに即答で
『さよう』
うぁーすげーこのセリフ
最後に下級武士(若しくは町人?)が後片付けをしている。まげを拾い上げる。そして、それをゴミのように桶へ捨てる。彼らはこのまけの為に運命が終わる。
仲代達矢さんの仕草が歌舞伎の『にらみ』の様で、狂気を感じた。
だが、この話をダイレクトに受け取って、江戸幕府の幕藩体制への批判と見ない方が良い。それよりもこう言った士農工商と言う身分制度へのアンチテーゼなのだと思う。例として、江戸幕府から維新政府に変わったが、最後までのこった旧会津藩は『斗南藩』として、屈辱を受けている。つまり、維新後も士農工商に変わって、別の形で階級や幕藩体制(?)は残り続けている。と語っている。江戸幕府の幕藩体制への批判と受け取ると、西郷隆盛の『田原坂の戦い』と同じになってしまう。その点を解釈して
私は傑作だと思う。
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活動写真愛好家さんのコメント
2023年7月10日
マサシさん、共感とコメントありがとうございます。
「切腹」への深い考察、感服いたします!!私は同じく小林正樹監督で三船さんが主演の「上意討ち 拝領妻始末」も大好きなんですよ