「原作が良い、緒方拳が良い、加藤嘉が良い、がチカラの伝わらない作りは残念。」砂の器 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
原作が良い、緒方拳が良い、加藤嘉が良い、がチカラの伝わらない作りは残念。
物語の設定は昭和初頭から中期。
撮影は1970年初め頃と随所に昭和感がある。
やはり原作の松本清張ありきで
綴られる物語の内容は深い。
主演よりも後半登場する緒方拳・加藤嘉が良い。
どちらも善人・悪人を演じられる優れた俳優で
この映画の中でも「その人」を演じている。
その他の登場人物も本当に多彩・豪華で
ほとんどワンシーン・ワンカット登場が多く
彼らだけで後何本も映画の撮れるほどだ。
しかし残念なのは犯人の薄さ、意図のなさ
人間としての「その人不在」は悲しくなる。
また音と演奏の動きの合っていないピアニスト
その姿には残念以外に思い当たる言葉はない。
プロならもっと練習して挑んでほしく
プロならOKを出してはいけない、
レベルは低い、と厳しく思う。
その中で救いは緒方拳・加藤嘉の演技
そして今はもう無い昭和の風景だった。
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