「犯人の心情を描いてほしかった」砂の器 ねりまっくまさんの映画レビュー(感想・評価)
犯人の心情を描いてほしかった
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以前にも何度か途中まで鑑賞したことはありました。その度に、途中で挫折していました。今回は最後まで鑑賞することができましたが、残念ながら高い評価をつけることはできませんでした。
理由の一つは、時代背景に対する私の理解不足です。舞台となっている時代にはまだハンセン病に対する偏見があったのでしょう。その事実を知らなくても字幕でそうした解説があるので理解はできます。でも、同時代を経験していないからなのか、いまいちピンとこなかったのです。
もう一つの理由は、犯人の心情に対する描写の少なさです。前半では犯人に至る過程に、後半では犯人の出自のルーツに焦点があてられています。一方で殺害前後に抱いたであろう感情については、ほとんど描かれていません。このあたりが、しっくりこなかった理由なのだと思います。犯人が捕まり、犯人の葛藤や苦悩が描かれている作品の方が好きなのかもしれません。
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