「日本映画の名作の中の名作。!」砂の器 西海一久さんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画の名作の中の名作。!
この映画以上に感動した作品は私は見た事がありません。!
差別の問題は人間にとって永遠のテーマかもしれません。!
昨今、アメリカの人種問題、日本国内での原発被災者への心無い発言、最近ではコロナ患者への偏見等は人間の本質的な問題であり常に自身も注意しなくてはいけないと思いました。!
映画後半からのシーンは涙なしでは見れないがシーンが連続するが(親子の巡礼、駅での親子の別れのシーン等)特に私の好きなシーンは今西刑事約の丹波哲郎が事件の経過を話す所で千代吉(加藤嘉)と三木(緒形拳)の手紙のやりとりを紹介するシーンです。!
千代吉の言葉
「いったい秀夫はどこにいるんだ。」
「死ぬまでに会いたい。」
「一目でいいから会いたい。」
と、ただただそれだけを書き綴り。
それに対して三木は
三木の言葉。
「あなたの子供さんは見所がある頭のいい子だからきっと立派に成長しているでしょう。!」
「そして、必ず必ずいつの日かきっと会いに来てくれる事に相違ない。」と
繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、この様に励ましております。!
ここのシーンも何回見ても涙が出てくる。!
名優丹波哲郎の演技が光る。!
(千代吉が自身の息子秀夫に強く会いたがっている事を三木が知っているため、和賀(秀夫)に強く主張する。→
これが犯行に繋がるきっかけとなる事も本当にやるせない。!)
その三木が和賀(秀夫→加藤剛)にいい放つ言葉が犯行の核心部となる。!
「秀夫なぜだ。!」
「どけんしてなんだ?」
「会えば今やりかけてる仕事に行けんようになるなんて、何故そげんこと言うだらか?」
「わしにはわからん。」
「たった一人の親、それもあげな思いをした親と子だよ。!」
「秀夫、わしは首に縄、縄つけてでも引っ張って行くから。!」
「来い、一緒に秀夫。!」
ここも切なすぎて涙が出てくる。!
誰の責任で誰か悪いと言えるのだろうか。!
しいて揚げるとしたら差別を行ってきた社会だと思う。!
この砂の器はドラマで何回もリメイクされているがこの映画以上の作品は作られていない。!
(言い切っていいでしょう。!)
それはテーマである差別(ハンセン病)の深さを本質的に目を反らしているからと思える。!
コロナ問題の今こそ見るべき映画と思います。!
最後に音楽「宿命」も本当に素晴らしい。!
もちろんCD持っています。!