「避けることのできない運命」砂の器 いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)
避けることのできない運命
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前半は殺人事件の被害者が死の直前に合っていた男と交わした会話で出たカメダという言葉を頼りに地道な操作を続ける刑事物。
わずかな手がかりから全国を飛び回り、少しずつ真相に近づく展開は面白かった。
ただ、新聞の電車から紙吹雪を投げる記事から犯人のシャツだと予測したのは流石に無理やりなんじゃないかなと思った。
後、刑事2人がなんかオーバーというか、なんか濃いなぁと思いつつ、違和感を少し感じた。
後半パートは、事件の概要と加賀の捨て去ったはずの過去がオーケストラの音楽に乗せて回想される。
前半と違いセリフが大幅に減ることで、御遍路のシーンに集中することができ、ハンセン病患者への非科学的な根拠による差別、偏見が痛いほど伝わってきた。それと同時に、辛い目にあっても2人で生き続ける親子の絆に魅せられた。
過去を捨て成功を手にしたかに見えたが、親子の宿命からは逃れられない。加賀という砂の器はコンサートでの拍手喝采で満たされたかも知れないが、すぐ崩れ去るのかなと思った。
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