新吾二十番勝負 完結篇
劇場公開日:1963年7月13日
解説
産経新聞連載・川口松太郎原作を中山文夫が脚色、「中仙道のつむじ風」の松田定次が監督した“新吾二十番勝負”シリーズの完結編。撮影はコンビの川崎新太郎。
1963年製作/93分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年7月13日
ストーリー
恩師の仇弥次郎を斬り少年糸之助を連れて山をくだる新吾は、僧呂弘徳に会い「全てを救う道は剣ではなく将軍家の長子となることだ」とさとされた。その時、野盗の群に襲われた旅の母子を救うが、これは以前折った蜂須賀家の重臣の妻おかねと一子であった。更に、逆襲してきた野盗のためその巣窟に連れ込まれた新吾は、一味が逆臣としてわが剣で葬った老中の娘しづ姫と元家臣であることを知り、愕然となった。しかし、これらはすべて弘徳の策略だったのであるが。糸之助の案内で山を抜けた新吾は待ち伏せていた一真の一行を迎え四人を倒したが、残る一真の魔剣の前に危機に陥った。もともと糸之助は但馬守の遺した、いとという女間者であったのだが、その心を真吾に奪われたいま、いとの短剣は一真の眼に突き刺った。一方、新吾を求めて旅に出たお鯉の方と縫は、讃岐守の命を受けた六平太に導かれ秩父へ向った。浜辺で語る新吾といとの背後に、六角棒を持った異様な剣客不動漢山が現れた。突然うちかかってきた漢山を新吾は一瞬に斬り捨てたが、そのふところから転り出た短剣から漢山がいとの父親と知った。いとが顔を覆って走り去った後、新吾は秩父の宝願寺へ弘徳を訪ねる決心をした。宝願寺、新吾はそこでいと、しづ姫、おかね等自分のために不幸になった人々の姿を見た。この人々を救うためにも父に会おう、新吾は決意した。だが、思いがけなくもしづ姫の、部下陣屋の将軍家世継ぎ家重暗殺の陰謀が露見し、大勢の捕吏が秩父の山を囲んだ。追いつめられて逆上した孫兵衛はいととしづ姫を斬り捨てたが、すぐさま新吾によって一味は倒された。そこへ六平太が駆け込み、お鯉の方が近くに来ているという。かけ出した新吾の行手を一真の魔剣が遮ったが、それをも倒し、新吾は母の待つ大台ケ原へ向うのだった。