仁義と抗争

劇場公開日:

解説

「沖縄やくざ戦争」「北陸代理戦争」に続く、ローカルやくざシリーズ第三弾。大阪の巨大やくざ組織が東京進出の拠点とした北関東の温泉街を舞台に、地元のやくざと関東の尖兵隊が三つ巴の抗争を展開する。脚本は「ドーベルマン刑事」の高田宏治と「日本の仁義」の松田寛夫の共同、監督は「渡世人 命の捨て場」の松尾昭典、撮影は「ドーベルマン刑事」の中島徹がそれぞれ担当。

1977年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1977年8月27日

ストーリー

「厄病神のばば伝」と異名をもつ、殺し屋海野伝吉は、大阪でホルモン焼屋を営む女房・節子のもとへ時々顔を出す程度で、大半は住所不定の流れ者だ。ばば伝は、大阪森口組幹部から、杉山組組長暗殺の依頼を受け、その準備にかかる。その間に警察の仲裁で対立中の両組は和解してしまう。しかし、和解の連絡がばば伝に届いたのは、杉山組組長を暗殺したあとだった。皆は、ばば伝の拳銃の腕もさることながら、彼の不思議な縁起(雇う者も狙われるものも必ず早死する)を恐れていた。杉山組二代目を継いだ関川勝也は、報復せず、逆にばば伝を雇った。実は、ばば伝を関東進出のための拠点、飯倉温泉へ鉄砲玉として送り込み、起爆材にしようとしていたのだ。飯倉温泉では、地元やくざの小笹組と山房組がしのぎを削っていたが、最近になって関東の新兵やくざの進出で、小ぜり合いがたえなかった。小笹組に押され気味の山房組組長・金野はこのばば伝にすぐ目をつけ、早速接近してきた。金野の狙いは、小笹組組長の笹本ではなく、彼の娘婿・形原銀三を始末することだった。だが、ケチな金野が銭を出し渋ったことから、この話が笹本に漏れ、関西やくざの進出を恐れた笹本は、戦争回避の方向へ動いた。今や両方から煙たがられる存在となったばば伝を、彼の身を案じてたずねて来た節子がなぐさめた。そして、ばば伝は小笹組のシマ内に杉山組支部の看板をあげた。翌日、銀三がばば伝の前に現われ、一触即発の二人の間に節子が入りその場はことなきをえた。そんなある日、金野が関東やくざの指向けた殺し屋によって射殺された。山房組の跡目がいないため、一時このシマをばば伝があづかることになった。数日後、関川が数人の若頭を連れて、飯倉入りし、ばば伝に次の仕事の地、新潟入りを命じるのだが、ばば伝はこの話を断った。「俺はこの地に骨を埋めたい」というばば伝を笹本が味方し、関川対笹本・ばば伝連合といったおかしな形勢に変化していった。笹本は自分のぼんくら息子・義一に関川殺しを命じるが失敗し、義一を助けに行った銀三までもがなぶり殺しにあった。このことを知ったばば伝は、笹本に飯倉の温泉を元どおりにすることと銀三の仇討ちを約束し、単身関川のところへ向うのであった。

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