新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
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スピードを落とすと作動する爆弾を新幹線に設置するという犯人Gというアイデアは、実に秀逸
佐藤純彌 監督による1975年製作(152分)の日本映画。配給:東映、劇場公開日:1975年7月5日。
1994年の「スピード」を見てその面白さに感心し、異論もあるが元ネタとも言われているこの映画に辿り着く。
高倉健が、潰れた工場社長の犯人役で主演。共犯者が学生運動家くずれの山本圭。世界で持て囃されたこの映画の原案は、加藤阿礼(元東映常務坂上順のペンネーム)であるとか。
自分もリアルに見た1978年の『野生の証明』の佐藤純彌監督と主演高倉健の名コンビは、成程ここで確立したのかと思えた。
いつでもどこでも「健さん」と、一般に不器用な俳優とみなされている様に感じるが、ほぼ出ずっぱりで、元工場社長で、知力高い重大犯罪の主犯でありながら、見ている観客に共感を得つづけるという難易度の極めて高いヒーロー像を具現化していて、凄い俳優じゃん!と思わされた。
実は知的な演技プランがベースにしっかりとある俳優ではないか?昔の高倉健主演の映画をあらためて、真面目に見たいと思わされた。
ストーリーもなかなかにリアルで、興味深かった。政府は、新幹線に設置された爆弾の解除が困難な場合、周辺を巻き込み被害が大きくなる北九州地帯ではなく、山口県の田園地帯で爆破する(乗客のみの死亡にとどめる)よう国鉄総裁に命令する。
一箇所の爆弾除去後、写真分析からもう1か所爆弾がある可能性があったものの、山口県内で列車停止が命じられる。運良く、爆発は無く乗務員と乗客は無事であった。
警察は犯人を捕まえるために、爆弾解除成功のニュースをテレビに流さず、家族等の心痛は無視し、解除の方法を教えろと呼びかける放送を続ける、等。
最後、海外脱出を目指してやってきた空港の敷地内で、離陸する航空機を前にして、ライトに照らされて高倉健が警官に殺されるシーンは、とてもエモーシャナルな映像。米国ニュー・シネマ的でもあり、権力と闘って敗れ去った70年代を象徴している様にも感じ、心に響くものがあった。
日本を舞台にした映画も撮っているマイケル・マン監督「HEAT」におけるロバート・デ・ニーロの最後は、言われている様に、確かに類似。この映画へのオマージュなのだろうか?
監督佐藤純彌、原案加藤阿礼、脚本小野竜之助、 佐藤純彌、企画天尾完次 、坂上順、撮影飯村雅彦、 山沢義一、 清水政郎、録音井上賢三、照明川崎保之丞、 梅谷茂、美術中村修一郎 、桑名忠之、装置畠山耕一、装飾米沢一弘、美粧住吉久良蔵、美容宮島孝子、衣装河合啓一、編集田中修、音楽青山八郎、監督補佐岡本明久、特殊撮影小西昌三、 成田亨 、郡司製作所、記録勝原繁子、擬斗協力日尾孝司、スチール加藤光男、進行主任東一盛、演技事務山田光男。
出演
沖田哲男高倉健、青木ひかり運転士千葉真一、古賀勝山本圭、大城浩織田あきら、菊池鉄道公安官竜雷太、古賀の兄田中邦衛、藤尾信次郷えい治、佐藤刑事川地民夫、靖子宇津宮雅代、秋山藤田弓子、レジの女藤浩子、歌手松平純子、スカンジナビア航空係多岐川裕美、東京駅交換嬢志穂美悦子、千田刑事青木義朗、工事車運転士千葉治郎、三宅新幹線技師長原田清人、南矢野宣、小宮列車指令松野健一、広田特捜係長久富惟晴、哲ちゃん中井啓輔、松原刑事近藤宏、靖子の母風見章子、平尾和子田坂都、女性乗客十勝花子、アパートの管理人横山あきお、中やん林ゆたか、東郷あきら岩城滉一、森本運転士小林稔侍、堤刑事田中浩、佐々木刑事田島義文、高沢運転車輛部長山本清、田代車掌長福田豊土、国鉄総裁志村喬、内閣官房長官山内明、宮下公安本部長渡辺文雄、新幹線総局長永井智雄、花村捜査課長鈴木瑞穂
刑事北大路欣也、須永刑事部長丹波哲郎、倉持運転指令長。
ラストカットがあそこだからこそ
トークショー付き上映にて初鑑賞。
トークショーの感想。
樋口真嗣監督がかなり熱心に話していた。
樋口真嗣監督は小学校4年の時に学校サボってまで観に行き、それ以来ずっと好きで何度も観ている。ついにはネットフリックス版の監督になっている。
今日は公開からちょうど50年目の超メモリアルデー。
当時借りるだけでも100万するカメラでミニチュアを撮影している。新幹線の場面はほぼミニチュアとセット。新幹線の中の撮影が当時の国鉄から許可がおりなかった為、新幹線の部品を作っている下請けの工場から部品を調達して組み立てて新幹線内の正確なセットを作った。あまりに出来がよく、その後の他の東映作品でもこのセットが使われている。
という感じの内容に加えて「このシーンに出てきたこの俳優は別の何とかという作品に出ていて〜」というマニアックな話をしていた。その情熱はすごいと感じた。
ついついマニアックなことを話したがる監督をうまく翻訳して、うまく仕切り切り替える笠井アナの司会進行の上手さに脱帽。プロのアナウンサーで映画好きであることも知ってたけど改めて生で進行の巧みさを観ると感動があった。
映画の感想
これ、本当に結構大作映画だったんだな。なんかネタみたいな感じで語られるイメージがあった。正直、確かに面白シーンはある。新幹線の走り方に明らかなミニチュア感があるところ、大騒ぎな客、都合よく通りかかる柔道部員達。ただ、それら全てを含めて面白い。
特に印象に残るのは犯人側のストーリー。ラストカットは犯人チームのリーダーだった高倉健が撃たれて倒れる場面で終わる。ああ、ここなんだと。
新幹線を無事に停車させやったー!と皆が喜ぶ。そこで終わりでもいいのにそうはしない。
指揮をとっていた宇津井健は客の命を危険にさらしたことに責任を感じて辞表を申し出る。
さらにその後、高倉健が逃げきれるか?という空港のシーンが割とある。元妻と子供が張り込みに使われて!逃げる高倉健!飛び立つ飛行機を見て追うも!警察に撃たれて倒れて幕切れ。
この「かつては善良な工場の人だった男が事業に失敗し完全犯罪を企てるも仲間もろとも死ぬ」物語をこの題材でやったところに意義があるのだろう。
犯人が撃たれて倒れる場面をラストカットに持ってくるとは思わなかった。あそこをラストカットにしたから今作の印象が良くなったまである。
作中における運転手や新幹線スタッフの頑張り。降ろしてくれ!と叫ぶ乗客。やたら豪華なキャスト。ミニチュアと新幹線の車内のセットの気合いの入り方。見どころはひたすらある作品。
長いな
Netflix版を観て、それがリメイクでは無く、オリジナルの続き的な部分が有ったのでこちらも観てみた。うーん、アレをNetflixは引っ張ったのか・・・・・要らなくね?
Netflix版は「テロとの交渉はしない」と如何にも現代を舞台に、オリジナルはハイジャックで「人の命の地球より重い」とかの頃だったので交渉有り。(まぁ、Netflix版のはテロの定義からは外れてる気もするんだが)。
でっ、こちらのオリジナル。流石に昭和のガバガバ設定。金を受け取りに来た犯人の近くを通り掛かった大学柔道部(十人以上)に刑事が「そいつを捕まえてくれ!」・・・いや、何か武器持ってるかもしれないよねw犯人が爆弾の解体の仕方を置いた店に警察が到着したら何故か火事で焼失w
って言うか、デモンストレーションの機関車爆破したんだから、新幹線に爆弾付ける必要性無かったんじゃね?新幹線をマジ爆破させてやるって言うのは、Netflix版のイカレた犯人の方が納得するわ。
しかし・・・みんな若いわぁ。既に鬼籍に入った方が多数。その人らの若かりし姿を拝めるだけで(50年前やで)価値はあるかも。
あっという間の2時間半
Netflix版のを観たくてまずは原作から。
50年前の映画で期待してなかったが、序盤から引き込まれた。
人物の作り込みも細かい訳ではないが、適度な説明がありわかりやすい。
犯人側視点、国鉄視点共にハラハラして楽しめた。
警察側が爪が甘いのが気になったが。。
終わり方も少し微妙に感じたが、
総じて今年観た映画で1番面白かった。
70年代というのを忘れるくらい釘付けになった。
しばらくこの映画は観られないなと思いました…
映画のラストもラスト
自分が乗るはずだった飛行機に向かってフラフラと近寄るずぶ濡れの沖田の横から強烈な光を浴びせる警察陣
逃げたら撃つ
はっきり宣言されたにも関わらず、沖田は飛行機に向かって駆け出して……
高倉健さんは180cmも身長がある方なんですね
そんな高身長の人が銃弾を浴びて、木の葉が舞うようにハラリと地面に倒れ伏しそうになるシーンが、あまりにも重さを感じられなくて、、それが無性に切ないし悲しかった
私は、本当に恥ずかしいですが歴史がなかなかなので調べましたが、70年代の日本は、高度成長期?時代に入っていて、その流れに取り残されたり、流れに乗れなくてこぼれ落ちてしまった人たちもいて
そういう人の悲哀を描いたのがこの映画だと知りました
観終わった後、ひたすら嫌な気持ちになってしまい、しばらくこの映画は観られないなと思いました…
また、父ちゃんを守ろうと「あれは父ちゃんじゃないよ!」と言う沖田の息子のいじらしさと、息子のお腹に顔を押し付けて咽び泣くお母さんの姿がまた悲しかった。あなたから父ちゃんを取っちゃてごめんね,って言ってるみたいに聞こえてウルウルした
(同じセリフ同じとし格好の男の子なのに、映画によってこうも聞こえ方が違ってくるんだなあ…ねえ、映画・鬼畜の父ちゃんよ…)
(高倉健さんと丹波哲郎さんが共演されてるだけでテンションMAXになりましたが、映画のラストの方は、突然雨に降られてずぶ濡れになってしまった猫のような気分です…長々と失礼しました………)
ちょい役まで豪華
いやあ~面白かったですよ。東映の威信をかけ豪華なキャストでこれ以上はない
丁寧緻密な作りで見ごたえがありました。新幹線爆破シーンがミニュチュア然としてちゃちだったとの意見もありますがそれは全て想像(妄想)シーンでの画で実際は爆破されてないのでリアルでなくてもよいと私は考えます。(映画「日本沈没」参照してね、あれは東宝か)実際貨物列車の爆破シーンはみごたえありでしたよ。
みなさん主役級の重鎮なので迫力のあること、高倉健さんアップをはじめ男くさい顔がドドーンとならんで新幹線よりこれを見る映画でしょう。多岐川裕美、小林稔二、志穂美悦ちゃんもここではちょい役だ、私は宇津井健さんが一番かっこよかったな。
ヤン・デ・ボン監督の「スピード」の元になったのは明白だが、その他列車パニック物の
基礎となったと感じる(「サブウェイパニックは同じ75年公開だが流石にあちらはスタイリッシュ?)刑事が大量に動いて捜査で犯人を追い詰めるのはその後の邦画(TVも)犯罪物の形を作ったのではないだろうか?でもここでは警察は失態ばかり、爆弾を発見したのは国鉄側だしそれを解除したのも乗務員、運転士の千葉ちゃんも自ら溶接機で鉄板を切っている。
容疑者を一人も捕まえられず三人とも殺している。しかも爆弾解除報道を遅らせて犯人をおびきだし子供を使って特定させる汚い手口。国鉄より警察から横やりが入りそうな作品だが現実の事件でもこれに近い失態をしてるのも事実(吉展ちゃん誘拐事件とか知ってる?)
とにかくいろんなものを詰め込んだけどテンポよく飽きずにみられた重厚な二時間半でした。
豪華俳優の共演。50年前の映画もスゴイ
2025版を観て面白かったので、1975版を観た。結果は1975版の圧勝。俳優が豪華だし、ただのパニック映画ではない。人間ドラマが熱い。高倉健の悪役に初めは違和感を感じるが、真面目な男が追い詰められて犯行に及ぶ姿に納得する。犯行は成功したかと思われたが、いい人ゆえに自滅する。ラストの空港の搭乗ゲートが一番の見所。豪華俳優の中でも、山本圭の熱演が印象に残った。
発砲していいの?!
ネトフリで新幹線大爆破のリメイク版が公開された記念に旧作の方も映画館で観れるという事だったので早速見てきました。
お客さんは自分含めて10名程度?でしたがゆっくり観れて良かったです。
ストーリーはざっくり言うと、爆弾を仕掛けられた新幹線で起きるパニックと刑事物ドラマを足したような感じでした。
思ってたよりも刑事の発砲シーンが多くて「そこで発砲していいの?!」とびっくりしながら観てました。
犯人も最後空港で捕まえるかと思いきや……うおおおそんな終わり方なんだ。とかなり衝撃的な結末でした。
まだネトフリ版を観てないのでこれから見比べながら観ようと思います。
アップテンポで突っ走る、スリリングなストーリー。国鉄の協力不要!忖度不要!作りたい映画は作る!
先日、リブート版が配信された作品の原作、オリジナル版。
昔、名画座でフランス語版を鑑賞、DVD購入して鑑賞。
そしてこの度、丸の内東映閉館に伴う「 昭和100年映画祭」で再鑑賞しましたが、面白かった!
終映後は、観客から拍手喝采でした!
「日本映画では非常にめずらしい」と毎回言うのも悲しいですが、とにかくアップテンポで突っ走る、スリリングなストーリー。
犯罪ものなので、犯人グループ、国鉄、警察、運転手、のやり取り、乗客たちのパニックと手に汗握る展開です。
そして、ちょい役も含めて豪華オールスターの出演、もちろん鉄道ネタもあり、国鉄に断られてオールセットで撮った新幹線、など見所満載です。
一時期、スーパー戦隊など東映特撮物に頻繁に流用された、今では貴重な新幹線のミニチュア特撮シーンも必見。
それでいて、人間ドラマ部分も疎かにされておらず、犯人側の高倉健などには感情移入してしまいます。
同時期に同じく新幹線をテーマにした東宝の犯罪映画「動脈列島」(田宮二郎VS近藤正臣)が公開され、東映VS東宝お新幹線対決があったのですが、そちらは「新幹線公害問題」を扱った社会派犯罪映画。
見比べるにはあまりにタイプが違いますが、「娯楽作」としての面白さの差は歴然です。
「動脈列島」のほうではミニチュア特撮の要素は一切無し。
通常映像をスロー再生で新幹線が止まったように見せるくらいしかしてなかったと思います。(若い頃の単純な頭に合わず面白くなかった記憶のみなので見直す気力はなくうろ覚え…間違ってたらすみません。)
不謹慎にも「大爆破」という言葉にワクワク感を感じてしまう。
細かい突っ込みは、この際どうでもいい!
いや、むしろ魅力の一部でもあると思えるのが、イイ映画、面白い映画だと思います。
再見して思ったポイントなどについて。
本作にあるある突っ込みポイントが2点あります。
1つ目は、通りかかる柔道部員!
2つ目は、喫茶店が偶然火事!
ですが、これらは、話の重要なアクセントでもあります。
どちらもご都合主義と言うよりは、「完全犯罪で起きる偶然のアキシデント」。
話がうまくいきすぎないための要素でした。
今回気付いた意外だった点。
パニック物などのお約束で、乗客の中に妊婦がいて無事出産、緊張感の中みんなが和んでちょっと感動。
という超お約束か、と思えば違う展開!!
乗客の中のお医者さん(しかもわざわざ、手慣れていそうな女医さん)の登場で安心させておいてから、落とすところがまた憎い。
これが終盤の宇津井健が犯人に「乗客には妊婦もいる」と訴えることにつながる。
しかも、その時点では子供は亡くなっているのに。
いつもなら安心の藤田弓子なのに!
ちなみに、乗車時に怒ってる田坂都が、まだ若くて可愛らしい。
当時は、「ちゃちいミニチュア特撮っ!これだから東映は・・・」ってバカにしてましたが、今の目で見ると結構頑張ってる、逆にリアルに見えるカットもあると思えるから不思議。
「敢えてミニチュアの魅力」と思える。
この特撮が無ければ、「砂の器」などのような、ただの優れた名作サスペンス映画と思ってたかも。
本作の魅力として重要な要素になってると思う。
さらに、国鉄が非協力でも、余計な忖度不要!撮りたい映画は撮る!作りたい映画のタイトルは変えん!
というところに映画屋の衿持を感じる!
さらに国鉄側の終盤での対応について。
災害の少ない地点で爆破させる計画(新作でもありました)や、犯人逮捕のため事件解決の公表を遅らせること、などは、今考えると客観的に見れば当然とも思えます。
このくだりでの宇津井健の演技がイイ。
彼自身の実直なキャラクターイメージが最大限に生かされていました。
見て良かった。お薦め!
リバイバル上映で初めて観ました。
新幹線大爆破シーンはさすがに模型感が出てて
時代を感じましたけど、機械の技術に頼らない、人間の心理的な演技やセリフまわし等は
本当に良かったです。
ハラハラドキドキさせて貰いました。
唯一、そうきたか!と残念だったのは、ラストに子どもを利用したこと……。
子ども目線で見たら、人間不信になるレベル。
なんとも後味の悪いラストシーン
今夜(2025/05/03)から数日掛けて観ました。
話題の最新作を見た後に、2時間半越えの尺で且つ50年前の作品を観るのは少し躊躇いましたが、観てよかったです。
劇中なんか8ビットみたいなピコピコBGMが流れていましたが、あれは何だったんでしょう?(笑)
新幹線車内で平然と煙草を吸うおっさんの姿は今では見られない希少種ですね(笑)
テロリストの要求に従う警察も今では考えられません。こういう時代のギャップを見比べるのが面白いです。因みに、高倉健こと沖田の元奥さんの実家の雑貨屋さんで売られるトイレットペーパーは、¥89でした😳
最新作と比べると犠牲者が出てしまうのも大きな違いです。街中で発砲、テロリストの一人が被弾したり、ダイナマイトで自爆したり、車内出産を試みるも死産だったりなど、悲惨な描写が多く感じました。
新幹線ひかりの外観は大体模型で、特撮のそれに似通っています。ただ爆発シーンに関してはCGのそれとは違い熱気が伝わってきそうな重々しい映像で、臨場感が段違いです。
借金を抱え、苦労をかけた奥さんとひとり息子のために1500人の乗客をダシにつかい、仲間と結託して爆弾テロを企てた沖田ですが、犯人逮捕のために新幹線が無事停車できた事を伏せ続けた警察の考え方と、沖田の最期はあまりにも後味の悪いものでした。
エンドロールはとても短くて拍子抜けでしたが、手書きのスタッフの文字はガッチリしていてかっこいいです✨
当時と現在の違いを楽しみつつ、爆弾テロなどの犯罪行為についてあれこれ考えながら観るのが、本作を楽しむ秘訣だと思います☝️
重みが違う…
Netflix版を見てからの鑑賞。こちらは犯人側・高倉健に焦点を当てた描き方。指令室長・宇津井健の鉄道マンとしての熱き思いも伝わってきた。Netflix版が新幹線車内のシチュエーションスリラーだったので、現代の映像技術はあるがどうしても展開に限界があったことに対して、原作は車外での犯人を追い詰める捜査を中心に描かれ、緊張感だったり、人間ドラマがあり、俳優たちの汗や息づかいが伝わってくるような重みがあった。高倉健の最期は格好良かったがエンディング曲が残念。両作品とも新幹線を爆破しようとする犯人の動機がどうしても解せなかった点は共通していた。
噂に違わず良い出来
「当時としては」だが。。。
とはいえ現代でも十分面白い。
特に設定や進行。
単に止まれないではなく、新幹線の自動停止してしまう問題を絡めてるのは上手い。そこはキアヌ・リーブスのスピードでは盛り込めず劣化していたなと感じる。
犯人側の事情も納得感がでて良い。逃がすわけにもいかないし、全員死亡という落とし所になるのは仕方ないか。最後、写真が無いという前フリから空港で元嫁に見つかるというオチも秀逸。
警察は、犯人に金を渡して乗客の解放を優先し逮捕は保留願いますという依頼に対して、そうですねと指示を改めたあたりまでは、ちょっと一味違うぞと思ってたが、いきなり柔道部に捕まえろーってやり始めたところでコケた、その後はいつも通り。。。
昭和のパニック超大作!
1975年の作品です。当時、かなり話題になった覚えはあるんですが、まだ小学生だった自分には、それ程の興味は無く・・・多分、地上波の放送でチラッと見たかもしれないけど、内容も覚えてなくて今に至ります。
本作品なんですが、最近海外で再評価されているみたいで、人気が逆輸入なんて記事を見かけました。
そのせいか今回、Netflixでリブートされるということで、先ずはオリジナルを見ておこうと思っての鑑賞です。
もう、のっけから惹きつけられましたね。
この人も、この人もって感じで、懐かしい昭和のスターたちが勢ぞろいです。
高倉健さんの犯人役、悲壮感を漂わせながらも芯の強さを感じる。ホンっと渋い。
宇津井健さんも熱い人を魅せてくれます。まさに正義感のかたまりみたいな。
並んで走る新幹線で、運転手に千葉兄弟がそろった時には、思わずニンマリしちゃいました。
若い北大路欣也さんもなかなか見応えあります。
【ネタバレ】
ストーリーにも十分惹き込まれます。
新幹線がスピードを落とすと爆発する爆弾を仕掛けて身代金を要求する。ほぼ「スピード」と一緒ですね。そう思って見たんですが、なかなかどうして、「新幹線大爆破」もメチャクチャ面白かったって言うより、こっちが先なんだよね。
犯人逮捕に失敗したり、新幹線の進路に故障車があったりと、二転三転、危機また危機の連続は、ホンっと楽しませてもらいました。
昭和ならではの周りの状況も懐かしくて良かったです。
ただ、安っぽいオモチャ丸わかりの新幹線爆破場面はちょっとチープだったかな。まぁ、想像のシーンだから良しとしよう。
ちょっと余談ですが、小説版「スピード」のあとがきに、日本人が作るとバックボーンを入れたがるという記述がありました。なるほど、本作には犯人達の出会い等、描かれている部分があり、2時間半を超える大作になってます。
撮影技術の進歩があったり、スマホが日常化している現在の様子を盛り込んでいるであろうリブート版が楽しみです。
感情が解放されるカタルシスみたいなものは無かった
沢山の名優が出ていたけれど、宇津井健さんが良い役でした。準主役と言っても良い。
この映画を、高倉健さんの最高傑作と評する人もいるらしいけれど、私はそこまで面白いとは思わなかったです。
そこそこ面白いとは思います。
サスペンス的にドキドキするし、健さんも宇津井さんも格好いい。
でも、物語の構造的には割りと単純に感じました。
器用さと知恵で、話しを引っ張っていくスタイルで、至る所でちょこちょこと感心はするのだけれど、積み上がった感情が解放されるカタルシスみたいなものは無かったです。
面白かったのは、道路の脇に立っている共産党の演説会の看板をわざとらしく正面から大写しにしたこと。
「不破哲三」と「紺野与次郎」の名前がハッキリと見えます。
当時の映画界の現場は、やっぱり左翼が強かったのかな、って思って笑えました。
手汗握る作品!
ほかの人のレビューから分かるように主演は高倉健さん、しかも悪者です。往年の俳優の若い脂ギッシュで演技力も、そら圧巻よ!
今の邦画にはない脇役の演技力もすごい。新聞記者の悪態も生々しく今のマスコミっぽい。生きた演技力は作品に勢いをもたらし感動を生みます。素晴らしい作品だった!
リメイクしても、この本家の演技力にの前には太刀打ちは出来ないでしょうね。
人間ドラマも合間に入り上手い!
ただ、女性の病気(妊娠)はイマイチ、なんだったの?家族は?とわからなかったなぁ…
でも、是非!観て欲しい!
自分…不器用なんで…とはいいませんが。複雑で人間らしいつくりでした!脚本も魅せ方も上手いの一言!
タイトルからは想像できなかった人間ドラマ
昔の映画は説明が少ないところが、見ていてスッキリする
新幹線側のパニックや動揺(千葉真一!)
司令本部の葛藤(宇津井健!)
犯人側からすると追手とのスリリングな展開(高倉健!)
豪華!役者が揃っているから、
それぞれの心情がすべて演技から伝わってくる
宇津井健〜 百恵ちゃんのお父さん役しかイメージなかったけど
辞職するって言ったとき、その心情がほんとよくわかった
もう一つ爆弾が残っているかもしれないのに
新幹線を停止させる指令を出す葛藤
高倉健は、高倉健で、身勝手な犯人なんだけど
仲間や離婚した嫁や息子に対する思い、
背景にある事業の失敗などで
哀愁漂いまくり
千葉真一が玉のような汗を浮かべ、
新幹線側で対応するところもいい
名作じゃんこれ
ゼロ系と言えど、筐体はアルミだと思うが。アルミはアセチレンと酸素では切断出来ない。
昔、『ぴあ』という雑誌があって(今でもあるか)、何回もこの映画を見に行こうとして、この雑誌で行く場所を捜していたが、この頃は『ピンク映画』に凝っていて、中野とか北千住で、4本立てとか見まくっていた。今考えると「ピンク映画」も何が面白かったのだろう?鹿沼え○さん(日活)。のファンだった。まぁ、その為、この映画は今日まで見ていなかった。初めて見た初感は長過ぎかなぁ。映画の始まりは『天国と地獄』みたいだが、どうやって終わるのかだけが気になっただけで、あまりにも稚拙な終わり方だったので、反動でがっかりした。また、犯罪の動悸がはっきりしない。仲間の繋がりも適当。計画も全く稚拙な計画。サイドストーリーで、緊迫感を盛り上げるつもりが、逆に話を乱雑にしてしまっている。最後が分かっているだけに、エンドマークが出た時は疲れ切ったという感じ。
アルミはアセチレンと酸素では切断出来ない。また、その技術は大変に難しいと思う(要資格)。そもそも、切断砥石で切れば良いと思う。スピードを合わせて、危険な酸素容器と、大変に危険なアセチレン容器を並走して積み替えるなら、後ろから速度を合わせて、乗り換えるなんて言う方法を、使うのかなぁなんて僕は考えていたが。兎に角、爆弾が何処にあるか探す事最優先。
犯罪者に哀愁は要らない。全共闘崩れがこんな犯罪を企てるなんて言う奴が出てくる。その点(犯罪の動悸)をきちんと表現しなければ、国鉄のプロパガンダ映画になってしまう。もっとも、こんな保安体制では、国鉄は駄目な集団。故に分割民営化になった。なんてね。そっちのプロバガンダ。
追伸 日本のパニック映画の元祖とかのたまう方もいるだろうが、名探偵コナンに似たような話があったと記憶する。まぁ、コナンも悪くないだろうが、この映画はその程度の話。
続編が出たので、再評価します。
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