劇場公開日 1975年7月5日

「人命より警察のメンツ?」新幹線大爆破(1975) りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人命より警察のメンツ?

2025年5月12日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

午前9時48分、乗客約1500人を乗せた東京発博多行き、ひかり109号、が東京駅を発車した。しばらくすると国鉄本社に、109号に爆弾を仕掛けた、という電話が入った。爆弾は新幹線が時速80キロ以下になると自動的に爆発する仕掛だとの事。犯人は北海道で同様の仕掛で貨物列車を爆破させ、新幹線も同様の仕掛だと信じ込ませた。倒産した工場の元経営者・沖田たちの犯行であり、500万米ドルを要求した。運転指令長の倉持は運転士の青木に事件発生を知らせ、警察庁の須永刑事部長や公安本部長の宮下らは緊急対策本部を設置した。駆け引きが繰り広げられるなか、恐怖で極限状態に陥った人々を乗せた109号は山口県に入り博多まで残り時間はわずかとなり・・・さてどうなる、という話。

50年前の作品をNetflixのリバイバル新作版の配信にあわせて劇場で再上映。
まず、最初に疑問に思ったのは、犯人から要求されたお金を払って爆弾の処理方法を聞き出し、1500人の命を救う事が最優先なのに、柔道選手に声かけて犯人逮捕を優先したような警察の間抜けな行動が凄い違和感だった。
そしていくら容疑者だといっても、相手が拳銃も持ってないのにいきなり発砲するか?当時は容疑者とは呼ばず、犯人、って言ってたなぁ、と思い出した。
全体を通して、人命より警察のメンツが優先するのか?という疑問が頭の中をグルグルと回りながらの鑑賞だった。
こんな捜査してるから当時は冤罪が多かったんだなぁ!とも思った。
それはさておき、刻々とリミットが迫り、手に汗握るストーリーで全体を通して面白かった。
下り列車を上り車線に切り替えて走らせるシーンをもっと見たかったが、実写じゃ無理だよね。
新幹線が爆破されるイメージシーンは明らかに、模型だなぁ、という感じで、ウルトラマンなどの特撮っぽくて笑って観てた。
最後、沖田が警察に騙されて爆弾の止め方を電話するシーン、その後空港で元妻と息子と目が合うシーン、心の葛藤が観れて良かった。
強いてあげれば、お金を奪う目的が薄かったように感じた。
当時は米ドルと円の為替レートが300円位だったのはわかったが、15億円奪って偽パスポートで外国へ高飛び・・・その後の展望が見えなかったかな。
犯人・沖田役の高倉健、運転士・青木役の千葉真一、運転指令長倉持役の宇津井健、そして、丹波哲郎、田中邦衛、竜雷太、などなど、名優が勢揃いで圧巻だった。
沖田の元妻役の宇都宮雅代が美しかった。

りあの
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