「日本のパニック映画の金字塔」新幹線大爆破(1975) アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
日本のパニック映画の金字塔
リブート版の配信に併せてNetflixで鑑賞。随分昔に観たことはあるのだが、改めてじっくり観るとエンタメ要素バッチリでハラハラドキドキ感は半端なく、かつ昭和の大スターの皆さんが紡ぐ人間ドラマも秀逸で50年前の日本映画も凄かった!と感心させられました。
東映の岡田会長の一声で「タワーリング・インフェルノ」のようなパニック映画を作れ!の号令で製作がスタート。高度経済成長の象徴である新幹線を爆破させるなどあってはならないと国鉄は協力せず、爆弾シーンはミニチュアで車内はセットだったのこと。上映は当時のずうとるびの映画と2本立てでヒットせず、しかしキネ旬の読者評価は1位。海外からの支持も受け後にこの映画にインスパイアされた作品も生まれた。
時速80kmを下回ると爆発とか並走する新幹線同士の機材の受け渡し等発想力が豊かだし二転三転する犯人との攻防も面白い。俳優陣は実直なリーダーを演じる宇津井健の苦悩の表情。共感はできない役柄だが目的達成の為淡々と計画を進める犯人を演じる高倉健。千葉真一も山本圭もいいし特別出演の丹波哲郎も居るだけで存在感がある。監督を指名された佐藤純彌にとってもヤクザ映画から脱却しこの映画で開眼し、その後の「人間の証明」「野生の証明」などの角川映画に繋がったのだと思う。
伝説的な映画を現代に甦らせ続編を作ったのがNetflixだったのが現代を象徴する。Netflix版はそちらでレビューするが、どっちが凄いか?で言うと。私はこのオリジナル版の「新幹線大爆破」を推します。映画館で観たかったです。何処かでやるかなぁ、。
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