「ラストカットがカッコ良すぎる」新幹線大爆破(1975) LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストカットがカッコ良すぎる
リブート作に感嘆した勢いで、1975年の前作を鑑賞。50年前だけあって随所に古さは香るが、俳優陣が体現する緊迫感や迫力に古めかしさは微塵もなく、骨太で見応えたっぷりの映画でした。
一方で、丹念に描かれたと「評判」の犯人の心情はピンとこなかった。寧ろ、何故新幹線を狙ったのか、どうやって忍び込み、気付かれずに爆弾を設置したのか、速度で起爆する爆弾を作れる技術があったのか、潰れた零細工場は何を創っていたのか、描かれてないのが未消化だった。加えて、新幹線が止まれないから保たれていた緊迫感が最終盤で途切れて、主犯を追い詰める過程が若干もっちゃりしていて残念。
とは言え、空港での元妻の葛藤や息子の台詞は切な過ぎる。そして、最期のラストカット。どんな背景があっても動機はやはり身勝手だし、胎児や関係者2人の死も本事件が無ければ避けられた筈。主犯の沖田(高倉健)に同情する余地は全く無い......が、なんて美しく印象的なラストカット。まさに、観て良かったと思わせる映画の終わり方でした。
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