劇場公開日 1975年7月5日

「意外とSFマインド満載」新幹線大爆破(1975) mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意外とSFマインド満載

2025年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

ドキドキ

🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦新幹線大爆破(Netflix版)、立て続けに鑑賞。
まずは
①🎦新幹線大爆破(1975版)
出だしはかなりSFチックで今も昔も鉄オタの専門性は変わらぬトキメキがある。中盤になると社会派ドラマの色合いが強くなり高倉健のお出ましとなる。ドラマの仕立ては極めて緻密で国鉄、政府、警視庁と今でも変わぬもっとも日本的な縦割りの弊害の中、犯人と乗客が翻弄される様はまさに手に汗握る上質なスペクタルドラマとなっている。ここまで見てふと思ったのは黒澤の🎦天国と地獄、それに庵野の🎦シン・ゴジラである。ともに前者からの強い影響を感じ、さらなる後者への強い影響を感じるのである。この作品の特殊効果に成田了を見つけた時は歓喜ものである。

②🎦新幹線大爆破(Netflix版)
そしてこの作品。これはもう完全な🎦シン・ゴジラである。前半は間違いなくその見立ててでほぼ間違いのない出足。ただこの作品の光は完全に鉄道マンに当たっている。その配役のウエイト見てもそれは明らかである。しかし🎦新幹線大爆破(1975版)を🎦ゴジラに、🎦新幹線大爆破(Netflix版)を🎦シン・ゴジラにして見せる見立ては中盤からもろくも崩れだす。🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦シン・ゴジラに極めて明確なオマージュを見せつつも、中盤からは明らかにオリジナルな展開を示し驚きの伏線回収へと物語は暴走を始める。その伏線回収のスケールの大きさは見事であり、オマージュに対するリスペクトフルネス、物語のオリジナリティへの敬意は清々しさすら覚えるのである。特に斎藤工、草彅剛、のんの三人の演技には感動すら覚え、大団円の末にはどこからとも湧き上がる涙に視界が曇るのである。

🎦天国と地獄⇒🎦新幹線大爆破(1975版)⇒🎦シン・ゴジラ⇒幹線大爆破(Netflix版)⇒🎦新幹線大爆破(1975版)への流れは日本映画史の社会性、芸術性、文学性の連続性を強く感じずにはいれない。

mark108hello
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