次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
劇場公開日:1953年11月3日
解説
「次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港」に次ぐ次郎長三国志シリーズの第五部。スタッフ、キャストとも前作と同様であるが、今回は新人緒方燐作が新たに登場する。
1953年製作/77分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年11月3日
ストーリー
秋祭りに賑わう清水港。寿々屋のお千ちゃんが嫁に行くと聞いて、桶屋の鬼吉と関東の綱五郎が一大事とばかり飛び込んで来た次郎長の家の奥座敷では、投げ節お仲に首ったけの森の石森が三五郎共々粋な三味の音に合わせてドラ声を張り上げている。喧嘩がなくて暇のせいか、次郎長一家もこの所いささかたるんでいる形である。しかし、そのまた奥座敷では次郎長を囲んで江尻の大熊、大政等が何やら真剣に相談していた。甲州にある大熊の賭場が前々から猿屋の勘助から侵害されているのだ。先づお仲が物見の役を買って甲州へ旅立った。石松と三五郎はしきりと気を揉むがお仲からは何の便りも来ず、お千にふられた鬼吉、綱五郎と一緒にやけ酒をあおる。その時表土間で仁義をきる旅人一人。実はお仲は、捕えられ、勘助は代官に手を廻して清水一家の殴込みには捕手を向けようと用意しているとの事である。次郎長はこの旅人大野の鶴吉を案内役に甲州乗り込みの腹を決めた。石松と三五郎は気が気でなく一足先に、鬼吉と綱五郎はお千の結婚式の駕篭を担ぐ約束を果すため、遅れて後から一同に追付く。やがて勘助の表土間に現れた清水一家の十三人は名乗りを上げて、乱戦となった。石松はお仲の囲われている土蔵目掛けて突進するが、暗闇より白仭一閃眼をやられた。しかし豚松の働きで土蔵は破られ、お仲は救われ勘助は斬られた。一行に附いてきた次郎長女房のお蝶が帰途発熱したが、子分達の作った情の山駕篭に次郎長とお蝶が乗り、一行は景気よく秋空の彼方へと突っ走っていった。