「日本映画史に燦然と輝く任侠オペラ」昭和残侠伝 泥エモンxさんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画史に燦然と輝く任侠オペラ
東映任侠オペラの傑作シリーズ記念すべき第一弾。美しい日本語.「仁義」のしきたり.様式美などいろいろとあるが、なんといっても冒頭すぐに池部良が魅せる軒下での仁義を切るシーンであり、受ける菅原謙次も親分の伊井友三郎も小気味良い江戸の言葉。そしてヒロイン三田佳子の美しさ。愚連隊役の悪役商会も松方弘樹や梅宮辰夫も若くて生き生きとしている。
前述の軒下仁義のあまりにも強烈な名シーンがあるのでそれだけでも一見の価値はあるが、あらためて観返してみるとラストへ行くほど退屈になってくるような気もしないでもない。とはいえ、惹きつけるシーン・レトリック・プロットは何度観ても飽きることがなく、昔映画館で拍手喝采・掛け声『イヨっ待ってました!』などが普通に飛び交っていた、という現在では信じられないような逸話もうなづける一本だ。年末やお正月に観るにはいいかもしれない。
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