修羅の帝王
劇場公開日:1994年12月3日
解説
全く異なる人生を歩む極道の兄弟の愛憎を描く、溝口敦原作の同名小説(徳間書店・刊)の映画化。監督は「愛の新世界 Le_Nouveau_Monde_Amoureux」の高橋伴明、脚本は高田純と剣山象の共同、撮影は長田勇市。
1994年製作/日本
配給:ヒーロー
劇場公開日:1994年12月3日
ストーリー
直江篤彦と重徳の兄弟は幼いころ、母が淫蕩だったためたまりかねた父が殺人未遂者になってしまったという暗い過去の持ち主だった。2人は同じ施設で育った倉本涼介と義兄弟の契りを交わし、数年後、千葉県の港町に根をはる暴力団″東竜会″のリーダー格となった。ある日会長が射殺されたため、重徳は敵対する黒声連合会長を暗殺した。だが執拗な報復を受け、騒ぎの中、重徳が逮捕されてしまったため東竜会は解散を余儀なくされてしまう。8年後、堅気となった篤彦は妻となった倉本の妹・晴子と一人息子に囲まれ、静かにクリーニング屋を営んでいた。彼は出所した重徳を迎えるが、重徳は兄の現在の暮らしぶりに反感を示す。が、重徳の憤りの本当の理由は、かつての兄貴分・村井が黒声連合に寝返り、幹部として幅をきかせていたためだった。重徳は″二代目東竜会″の看板を掲げ、デート・クラブの女・小百合とともに、黒声連合と篤彦を挑発しはじめる。最初は彼を無視していた黒声連合もたまりかねて重徳の命を狙い始めた。篤彦と同じく、今では堅気となった倉本は、黒声連合を騙し大金を都合し、その金で重徳を海外逃亡させるよう篤彦に促す。村井は倉本を捕えリンチを加え、あまりの苦痛から倉本は重徳の携帯電話の番号をしゃべってしまった。重徳の隠れ家をみつけた黒声連合は、小百合をリンチにかけ殺してしまう。倉本が自分を裏切ったと思い込んだ重徳は、病院に行き入院中の倉本を射殺してしまう。篤彦はついに銃を手にし重徳と対峙、弟を撃つ。「やっと、その気になってくれたな、兄貴」と言い残して重徳は死んだ。篤彦は今度は、村井以下黒声連合を壊滅させるため立ち上がる。「順番をちょっと間違えただけだ」とつぶやいて……。