劇場公開日 1991年12月14日

「非常におもしろい」12人の優しい日本人 Check-inや、レビュー投稿には、ニックネームが必要ですさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0非常におもしろい

舞台脚本家・三谷 幸喜の代表作を映画化したもの。12人の陪審員が、有罪か無罪かを延々と話し合う映画。ただそれだけを、2時間も画面から垂れ流す。撮影シーンも部屋の中だけ。

内容は、非常におもしろい。ただし、内容は、ほとんどない。議論という名の小競り合いが続くだけ。なのに、おもしろい。
あなたは、こんなアイデアを考えたことは ないだろうか。「暴走族と大工と上品な貴婦人と弁護士が議論したら、さぞおもしろいだろうなあ」と。この映画は、それを具現化したものだ。だから、くだらないのに、おもしろい。

映画の主人公は爆発でもアクションでもない。物語ですらない。人間不在の物語が、いかにドラマチックでも、いかに斬新で意外性に満ちていても、おもしろいはずがない。すなわち、映画の主人公は人間である。この映画は、それを理解させてくれる作品だ。

もちろん、一流の俳優や脚本家が集まったからこそ、奇抜なアイデアが商品として成立したことも、忘れては ならない。

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