「ラストの土砂降りのなかでの両軍の対決は『七人の侍』と比べても遜色無し」十一人の侍 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストの土砂降りのなかでの両軍の対決は『七人の侍』と比べても遜色無し
新文芸坐さんにて「『十一人の賊軍』公開記念 東映集団抗争時代劇の系譜」と題した特集上映開催(2024年10月7日~10月15日)。
本日は『十三人の刺客』(1963)、『忍者狩り』(1964)、『十一人の侍』(1967)の3作品を一気見。
『十一人の侍』(1967)
『十三人の刺客』から4年後、前作がリアリズムに徹して、あくまでも集団時代劇として描かれてましたが、本作品は、登場人物一人ひとりの背景などにフォーカスを当て、より感情移入できる作品になりましたね。やはり本作でも白眉なのは松平斉厚役の菅貫太郎氏。『十三人の刺客』よりもさらに残忍酷薄な馬鹿殿をファーストカットから演じて、一気に観客の反感と憎しみを買うのはお見事でしたね。そして、本作でも西村晃氏の剣豪ぶりが素敵でした。佐藤慶氏の水野越前守も面目躍如、これ以上ない冷徹な悪を演じてましたね。
ラストの土砂降りのなかでの両軍の対決は『七人の侍』と比べても遜色なく、さらにリアルに泥臭く、本作品の方が敵側のキャラクターも描かれていたので熱が入りましたね。
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