Shall We ダンス?のレビュー・感想・評価
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いい意味でもはや古典映画
何度か観ても面白いです。
主人公が、とあるマイナー競技にふとしたキッカケで入りこみ、紆余曲折ありながらその世界にハマっていくパターンは、映画を含めマンガなどでもよく見かけます。
そのパターンの最も成功した映画のひとつに、この「Shall We ダンス?」が挙げられるんだと思います。
中年男性が主役であることも、この映画に深みを与えているようです。
杉山さんが自転車を漕ぐシーンをみてたら、役所広司さん主演のPERFECT DAYSの平山さんを思い出してしまいました。分かってて撮ってたのかな?
不幸な形で終わってしまった、「セクシー田中さん」も思い出してしまった。
たま子先生!!
初めて観たのは幼少期の頃。長距離バスの車中で流れていたのを眺めていた程度のことでした。子供の集中力なんてたかが知れていますが、なぜか食い入るように観ていたのを覚えています。
この物語の最大の功労者はたま子先生ではないでしょうか。杉山が直向きにダンスを続けられたのも、舞がダンスへの情熱を思い出せたのも、青木&トミコのペア誕生からの各級合格も、たま子先生の優しさに溢れた指導があってこそだと思います。
色褪せない名作
テレビで何度も観ている作品だけれど、
きちんとノーカットを劇場で観るチャンスがあったので改めて鑑賞。
一言で、本当に良かった!!
大仰な話ではないけど、平凡な人々が何かに打ち込むことで
特別な自分、生きている自分を見付けていく姿と
夫婦の心のすれ違いと再生に泣けてしまった。
丁寧な脚本で、主人公がダンスにのめり込んでゆく過程も
無理なく納得できた。
ただ一つ、竹中直人が若干やり過ぎなシーンもあって
もしも今の彼ならもう少し抑えた演技で
まろやかに演じただろうな〜と思ったりするのも、
何年も経ってから映画を見直す面白さかもしれない。
たった21年前の映画でそれほど好景気な時期でもないけど
マイホームを買ったばかりのサラリーマンが月に1万以上
趣味に小遣いをつぎ込めていたり、
会社の中もなんとなくのんびり感があって
まだ、世の中全体がギスギスしてなくて
なんだか観ていてホッとした。
この映画でグッと知名度の上がった
草村玲子(たま子先生)のナチュラルで力強い演技も印象的。
草刈民代のダンスの美しさに加えて
何より、当時のソシアルダンスの一流ダンサーが
こぞって参加しているので、
ダンスシーンも見所満載のとても素敵な名作だと思う。
最後まで観て、あらためてタイトルに感動した。 「Can you d...
最後まで観て、あらためてタイトルに感動した。
「Can you dance with me?」でも「I would like to dance with you」でもない。
ましてや「Let's Dance」でも。
「Shall we ダンス?(私たち、踊りませんか?)」
スッと仕事鞄を預かる青木(竹中直人)に泣ける。
自分が踊ることに悦びを感じていた彼が、無言で他のダンサーに「どうぞ、楽しんで」と思いやりを見せる。いいなあ。
「社交ダンスの何が悪いんだ!一度も踊ったことの無い奴が、失礼なことを言うんじゃない.....ッ」
もし青木が怒鳴っていたら、冷めた。
杉山課長(役所広司)が叱るから、胸が熱くなる。
社交ダンスに並ならぬ情熱をかける人々を目の当たりにした杉山だからこそ、
とても自分は彼らに及ばないと深く失望した杉山だからこそ、
思わず激昂して口走ってしまう言葉。
周防正行監督の品の良さがじゅっと染み出している。味わいよし。
社交ダンスに対する世間の目は変わらない。
みっともなく見えたり、恥ずかしく思われたりするのは否めない。
そんなことはわかってるけど、
それでも、
様々な境遇や、家庭問題や、経験・素養・体型に差がある人たちが、フラットな舞台で手を取り合って、楽しく踊る。
彼らを優しく包むテーマ曲(大貫妙子さんの歌声)も相俟って、とても美しい空間になる。
ひとつ、残念な点がある。
たま子先生(草村礼子)が「お金はいらないから」と杉山に特別レッスンに誘う台詞。
人情味のある、美しい申し出だ。
でも、それはプロなら、ましてや教室雇われのイチ講師なら、言ってはいけない。
言いたい気持ちは痛いほどわかるが、絶対言ってはいけない。
言えないところに悲しみがあるし、それを直視したまま乗り越えたなら、映画のテーマがさらに深い意味を醸し出せたのに。
璧に瑕。あーもう、悔しい。
舞踊と音楽は人間自身の発明した最初にして最も初期的な快楽である‼️
或る日、通勤電車から見えるダンス教室の窓に美しい教師・舞を見つけたサラリーマンの杉山は、一念発起して妻に内緒で社交ダンスを習うことにする。最初は舞と知り合いたいという不純な動機からだったが、次第にダンスそのものに魅了されていく・・・周防正行監督の才気が爆発した大、大、大好きな映画‼️"ヅラダンサー" として笑いを誘う竹中直人やダンス狂の中年女性を演じる渡辺えり子の "サイコー" の二人を始めとする個性豊かなダンス仲間たち‼️過去のコンプレックスを抱えるヒロイン・舞‼️そして夫の熱中ぶりに不安を感じ探偵を雇う妻‼️主人公の身辺を洗う探偵の役回りも楽しい‼️ビルの窓の[ダンス教室]の文字の風情も魅惑的‼️いくつものドラマを積み重ねながら、晴れのダンスコンテストの日へ‼️妻と娘にバレ、コンテストも失敗した杉山はダンスへの情熱を失う‼️一方ダンスに打ち込む杉山の姿を見てダンスへの情熱を取り戻した舞‼️舞の送別パーティーに来た杉山へ舞がかける言葉 "Shall we ダンス?" ‼️なんて素敵な言葉でしょう‼️魅力的な登場人物に囲まれながらダンスに打ち込む杉山の物語は希望に満ちていて、明日からまた一生懸命頑張ろうという気持ちにさせてくれます‼️ホントに周防正行監督の作劇はモダンでウィットに富んでて洒落てる‼️ビリー・ワイルダー監督を彷彿とさせますよね‼️これからも周防正行監督が魅せてくれる素晴らしい作品達に超期待‼️
人生の虚しさの中にいる時…
華やかな社交ダンスの世界と、冴えない会社員のオジサン達の交流がコミカルなのだけど、彼らから漂う哀愁に胸がキュッとなる。
結婚、子育て、マイホーム…真面目一筋でライフイベントを順調にこなしてきた男にふと訪れた人生の虚しさ。
自分はこれまで何のためにがむしゃらに働いてきたのか…
これからは何を目標にしていけばいいのか…
そんな時に出会った美しいあの人、そして社交ダンス。
浮気から本気へ。
夢中になれるものがあるって、何と力強いのだろう。
何かに打ち込むのに遅すぎる事なんてないし、そうする事でくたびれた日常は生き返るのだと気付かせてくれた。
年齢は関係ない
何かをやり始める事、挑戦する事に
年齢なんて関係ない。
それを教えてくれる映画でした。
歳を取るごとに面白さが増すような映画なのかなと
思います。
脇役もいちいち面白いし、
単にダンスが上手くなって行くだけじゃなくて、
残された家族側の浮気を疑うなんて所も
リアリティーがあって物語に深みを増してるような
気もします。
歳を取ると新しいことをやる事が億劫だったり、
やらない理由をついつい探してしまうけれど、
役所広司が渡辺えりにぶつかってダンス教室の中に
入ったように、
時には新しい扉を蹴破って新しい世界に飛び込むくらい
やっても良い野かもしれません。
憧れのたま子先生に一生ついていきます
「おばあさんでがっかりした?(ふふふ)…たま子先生って…呼んでね」(思い出し引用)のところで毎回「はいっ!!」って応えている自分がいる。
杉山の下心はお見通しの上で、軽くピシャリとやりつつ、笑顔で受け止めてくれる。
超個性豊かな生徒達と、堅くて自己中なもう一人の講師。そんな面々を抱えて、ご指導されるたま子先生。杉山のこともいつしか競技ダンスの世界に引き込んでいく。「否」を言わせぬあの笑顔!(笑)
あのお年にも関わらず、その背筋、立ち振る舞いの美しさに加えて、そのお人柄も憧れです。
人をまとめていくことの難しさに日々イライラしする毎日。疲れた心にたま子先生の笑顔が、一服の清涼剤。
計算された、際どいバランスの上に成り立っている映画。
観て心が温かくなる。
けれど、観る時によって感想も変わるかな?
闇落ちしているときは、予定調和の筋をつまらなく感じたり、鼻につく演技にイラっとしたり、夫婦の関係に腹が立ったり…。
ちょっと心に風が吹いているときは、杉山の冒険を応援したくなったり…。
強烈個性豊かな面々が出演されている。
大受けしている、竹中さん、渡辺さんの演技も使い方一歩間違えば、彼らだけ浮くか、コテコテの映画で2時間も耐えられないものになる。地味で一見無個性な杉山を配することでバランスをとっているが、この杉山が無個性のようでいて個性的な役回り(どこにでもいそうなサラリーマンて実は一番難しい。観ている人誰もが自分に重ね合わせられるって!!!)そして彼らを繋ぐ徳井さんと田口さんがいい味出している。
それ以外にも『ミッケ!』みたいに、え?!この役をこの方が?みたいな楽しみ方も…。(微妙に悪目立ちたがりしている人もいるが、ギリギリのところで映画に収まっている)
草刈さんの台詞の言い回しは確かに鼻につく。特に本木さんとのやりとりは残念。だけど終盤の「shal we dannce?」は、ああこの方はやっぱり世界が舞台の方なのね、だから英語の方が得意で日本語うまくないんやんと変な納得をしてしまったりして。
そして、ああ、プリマ中のプリマだよね、と納得させてしまう、体での演技。小首をかしげるだけなのに、ちょっとでも触れたたら壊れてしまいそうな雰囲気を醸し出す。圧巻。いっそのこと、ショックで声の出ない役でパントマイムでの演技にしたら良かったのに。
杉山の妻は「毎日定時帰り」と文句言ってたくせに、杉山が趣味を見つけたとたん「浮気?」ってどっちやねんと突っ込みたかったけど、この夫婦のダンスが一番好き♡。
会場も独特。華やかな衣装、華やかなダンスホールが映し出される。だけど、競技場は体育館。練習場はビルの一室。そんなアンバランスさがこの映画を地に足付けたものにしている。(実際にそうなんだろうけど)
「ダンスはパートナーシップ」と、転倒の際パートナーをかばって骨折したエピソード。そうしてくれなかったと怒る舞。相手がそうしてくれるように相手を扱ったのかと指摘する父。そして…。
はあ、奥が深い…。複雑。
つっこみどころ満載。ちょっと残念な場面もあり、初見の時は☆4つだと思った。
でも、仕事で疲れてくると観たくなる映画。
もし習うなら、舞先生ではなく、たま子先生を指名したくなる。
「楽しく踊れればそれでいいのよ」はーい。
全中年男性に捧ぐ人生讃歌
平凡な毎日を送る中年男性が社交ダンスにのめり込むことで人生に生きがいを見出す姿を描いたハートフルコメディ作品。
仕事や生活に何不自由はないがどこか満たされない日々を送る系の作品群の原点とも言える今作はM:Iやセブンと同い年の1996年という時代もあり、現代と全く異なるファッションセンスや街並み、そして何より若かりし日の役所広司や竹中直人などの現代のベテラン俳優陣の姿を観ることのできる作品だった。
社交ダンスを始めた理由が多少不純で、一歩間違えば不倫映画になってしまう展開だったが、草刈民代にハッキリと断られた後もひたすらにダンスに打ち込み、最後のShall we dance?に何も後ろめたさもない心温まる展開で締めたことがすごく印象的でその曖昧な余韻もとても良かった。
整合美
話のテンポや映像の中に破綻がなくてそれはそれですごい芸だなも思いつつ無害な整合美を少し退屈だなとあくびを殺したり。今見ると陰気さはないけど蓋をされている妻の原日出子の救いのない主婦の生活像が放置されているのにハラハラしてしまう。クスッと笑えるシーンはちゃんとある、幼稚ではない、まとまりのよさもある。
ほかはメモ列記。
・草刈民代が大根役者すぎる。ただ気配だけで、演技してる、黙って表情だけ作ってるシーンのほうがずいぶんいい。
・役所広司が上手いのでそれでカバーしているというより、余計際立たせているような…。
・今この映画作るならこのアングルは成立しない。主婦が原日出子ではなく松たか子や木村佳乃でストーリーも構成されそう。
・竹中直人が気持ち悪いとフラれたことを嘆いて泣くシーンはその瞬間GONINのイカれたサラリーマンが立ち上がるので背筋が伸びる。
・渡辺えりこがこの映画で1番よかった。凄い。ほかは誰でも成立するがこの役柄はなかなかできない。柴田理恵だと普通にいそうなおばさん、渡辺えり子ならコメディになる。
主役二人のダンスと演技の上達を楽しむ。
再々見。
演技達者な役所広司が序盤全く踊れぬのと同様、
舞踏達者らしい草刈民代の序盤演技は稚拙そのもの。
それがラストには拮抗し、最重要な草刈の台詞とともにピタリ落ち着く妙。
物語と共に二人のその上達をこそ楽しんだ、と気付いた。
神戸震災、オウム後の1996年か。
全国のラーメンを食べ歩いた人が考え抜いて作り出したシンプルな醤油ラーメンのような作品
40代のサラリーマンの酸いも甘いもストレスもやるせなさも全て分かったうえで作られた名作だが、女性からするとシンプルに不倫映画と評され監督の趣旨が伝わらない可能性のある作品。
夫婦もダンスに似ています パートナーを信頼して、気持ちがそろってこそ、楽しい良いダンスになるのと同じなのだと思いました
Shall We Dance?
誰から、誰への言葉でしょうか?
もちろん最後の舞先生のセリフです
でも本当は主人公の妻への無言の気持ちです
これが本当のテーマだったと思いました
夜の庭でのダンスシーンこそが、実はクライマックスだと思いました
舞先生のお別れダンスパーティーはエピローグだったのだと思います
夫婦もダンスに似ています
パートナーを信頼して、気持ちがそろってこそ、楽しい良いダンスになるのと同じなのだと思いました
互いを思いやる心
それがなければダンスにはならない
それが快い結論として残りました
さて、自分はこんなダンスを踊れるだろうか?
アクシデントがあったときパートナーを最後まで守れているのだろうか?
そう自分に問いかけました
面白いだけでなくて、冷や汗も流れます
素晴らしい名作です
コメディーNo. 1
今から約四半世紀前の作品
公開当時地元の映画館でも観たしDVDや金ローなどで何度も観た日本コメディー映画の名作
90年代の邦画ベスト5
これは傑作です
周防監督の1番の代表作
それから約10年後ハリウッドでリメイクされたときは嬉しかった
時代劇やヤクザ映画や怪獣映画やアニメではなく現代劇のコメディー映画を高く評価してくれてアメリカ人を見直した
アメリカ人でも理解できるのにこの映画の面白さを全く理解できない日本人はかわいそう
仕事以外で生きがいを持つ事は男には重要
社交ダンスなんていい趣味じゃないか
恥ずかしがることじゃない
隠す必要ないのにそういう時代だったのかな
動機が不純だっていいじゃないか
まず飛び込んで夢中になるのが一番
役者なんだし本当はそこそこ踊れるはずなのに下手に不器用に演じきる高等な技術を披露してくれた役所広司がうまい
芝居はど素人のはずなのにそこそこ見れる草刈民代は周防監督の演技指導の賜物か
役所演じる杉山がたびたび電車の車内で身を委ねてダンス教室を眺めるシーンが良い
トイレで体調悪くなるふりをするシーンも面白い
竹中直人と渡辺えり子が良い味だしている
『シコふんじゃった』で主要キャストだったモックンや清水美沙もチョイ役で登場
この映画はコメディーだけどセンスがあって比較的上品で決して大笑いするものではない
エロもバイオレンスもないし死人が出ない
安易にそういったものに頼らない模範的な作品
それでいて退屈するわけないし居眠りするとしたら単に重度の睡眠不足なだけ
このての映画は最初はヘタクソだけどだんだん上手くなっていく過程が大事
そして最後は大舞台で成功し観てる方まで達成感を味わえるところが醍醐味
他人事ながら幸せな気分になる
一流プロのダンサーの踊りを観た方がいいと思う人がいたら全く理解できていない残念
リチャード・ギア&ジェニファー・ロペス版と比較してみるのも面白い
Shall We Dance?
中年の危機
劇場公開時鑑賞。
それまで馴染みのなかった社交ダンスの面白さを素人でも分かるように垣間見させてくれる。周防作品お馴染みの役者さんたちのお芝居を楽しめた。今から見るとくたびれたおっさんでも役所広司みたいになれるかも(なれません)という夢と希望を与えてくれたような気もするが、気のせいか。
観ればきっと踊りたくなる…♪♪♪
何度も観てる大好きな作品。地上波でやっていたので久々の鑑賞。
やっぱり何度観てもおもしろい!!!
先がわかっていても笑えます(*≧∇≦)ノ
バレリーナ草刈民代さんが好きだったので、かなり贔屓目にはみちゃってますが…ダンスがとても美しい☆ドレスも素敵でダンスシーンは目の保養になります。
リチャード・ギア版も好きですが、特にラストが日米の文化!?の違いが出ていて比べると面白いです。(あれは日本人にはなかなか出来ないでしょうが…)
何年たっても色褪せない、観た人にShall weダンス?と誘いかける名作です。
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