Shall We ダンス?のレビュー・感想・評価
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善良さが画面いっぱいに溢れている
登場人物たちの善良さがあたたかい光で照らされているよう
主人公の杉山さんは平凡な生活を送りながらどこか物足りない日々を過ごしている。
電車から見える社交ダンス教室にいた女性の遠くを見る眼差しに惹かれて教室にむかう。
そのあとは、どんどんとダンスにのめり込み、軽薄な心がけで社交ダンスに向かっていることを突き詰められ、杉山さんの妻の追跡などドキドキとさせられる場面もある。
どんな画面を見ていても、人物たちのひたむきな善良さが眩しい。
自分は社交ダンスに詳しくないけれど、コンテストの場面での懸命なダンスと画面切り替わりでいつ衝突事故が起きてしまうだろうか。とハラハラもした。
冒頭にダンスは人間が開発した快楽。という説明が入る。
竹中直人が演じるシステムエンジニアでありながらコンピュータのことがわからないキャラクタや、田口浩正・竹中直人たち男性陣の「僕は気持ち悪いですか?」という切実な訴えは快楽でむき出しにされた恥ずかしい人間性の告白のようで胸に迫った。
リーマンのロマン
舞先生の棒読みが気になったけど(笑)面白かった。
平成初期の雰囲気がノスタルジックで良い絵。
1人で橋の下で特訓するシーンが好き。真面目な夫があんなに毎日活き活き楽しそうしてたら、嬉しいけど嫉妬する!
最後は庭で奥さんと踊ってくれて安心した。
夫と鑑賞後、『Shall We Dance?』と言われてリビングで踊った。
江古田駅前
人生の分岐点❓❓❓
役所広司さん若くてイケメン高身長。
なぜダンス教室に行ったか⁉️
人生の道筋が大体決まってしまったから❓
結婚して子供誕生してマイホーム買って、
すべきことやってしまい、後はローン返済。
そんな時に
ポッカリ心に穴が開いてしまったのか❓
時々電車から見えるダンス教室の美女。
いつか会いたい、踊りたい気持ちが強くなり、
行ってしまった。
色濃いメンバーに揉まれながら、
ダンスにはまり込んでいく杉山。
また心ない憶測に反発した舞からのキッツイ
言葉に俄然対抗心が湧き、ますます熱心に。
家では心ここにあらずの夫を
心配より疑惑の心が生まれて来た妻。
探偵に相談するが。
この探偵、柄本明扮していて
今からは信じられないくらい
普通の探偵を演じている。
ダンス競技、上手く踊っていた杉山だったが、
娘の声に気を取られたからか、
思わぬアクシデント‼️
家で妻の寂しさを知りまた落ち込む杉山。
ダンスし始めたのは、舞を見かけたからだ、
と打ち明ける杉山に、
🇬🇧ブラックホールでの失敗を話し、
パートナーを信頼できていなかった自分に
気づいた、と告白する舞。
ここで恋愛に発展しないのが、本作の良さなんだろうか❓
普通なりそう。
舞は再出発する為🇬🇧へ、
お別れパーティーの知らせも聞き、
妻からも行ってらっしゃい、と許可されたのに、
パチンコ屋で時間潰し、
悩むな‼️
やはり会場に行き舞と最後のダンス‼️
役所広司さんのお若い頃、スラーっとして
カッコいいですね。
ダンスもお上手でした。
この頃ならまだはにかんでも似合うというか
見られる、そんな役所広司さんでした。
会社の席の窓からの風景は何❓
いい意味でもはや古典映画
たま子先生!!
色褪せない名作
テレビで何度も観ている作品だけれど、
きちんとノーカットを劇場で観るチャンスがあったので改めて鑑賞。
一言で、本当に良かった!!
大仰な話ではないけど、平凡な人々が何かに打ち込むことで
特別な自分、生きている自分を見付けていく姿と
夫婦の心のすれ違いと再生に泣けてしまった。
丁寧な脚本で、主人公がダンスにのめり込んでゆく過程も
無理なく納得できた。
ただ一つ、竹中直人が若干やり過ぎなシーンもあって
もしも今の彼ならもう少し抑えた演技で
まろやかに演じただろうな〜と思ったりするのも、
何年も経ってから映画を見直す面白さかもしれない。
たった21年前の映画でそれほど好景気な時期でもないけど
マイホームを買ったばかりのサラリーマンが月に1万以上
趣味に小遣いをつぎ込めていたり、
会社の中もなんとなくのんびり感があって
まだ、世の中全体がギスギスしてなくて
なんだか観ていてホッとした。
この映画でグッと知名度の上がった
草村玲子(たま子先生)のナチュラルで力強い演技も印象的。
草刈民代のダンスの美しさに加えて
何より、当時のソシアルダンスの一流ダンサーが
こぞって参加しているので、
ダンスシーンも見所満載のとても素敵な名作だと思う。
舞踊と音楽は人間自身の発明した最初にして最も初期的な快楽である‼️
或る日、通勤電車から見えるダンス教室の窓に美しい教師・舞を見つけたサラリーマンの杉山は、一念発起して妻に内緒で社交ダンスを習うことにする。最初は舞と知り合いたいという不純な動機からだったが、次第にダンスそのものに魅了されていく・・・周防正行監督の才気が爆発した大、大、大好きな映画‼️"ヅラダンサー" として笑いを誘う竹中直人やダンス狂の中年女性を演じる渡辺えり子の "サイコー" の二人を始めとする個性豊かなダンス仲間たち‼️過去のコンプレックスを抱えるヒロイン・舞‼️そして夫の熱中ぶりに不安を感じ探偵を雇う妻‼️主人公の身辺を洗う探偵の役回りも楽しい‼️ビルの窓の[ダンス教室]の文字の風情も魅惑的‼️いくつものドラマを積み重ねながら、晴れのダンスコンテストの日へ‼️妻と娘にバレ、コンテストも失敗した杉山はダンスへの情熱を失う‼️一方ダンスに打ち込む杉山の姿を見てダンスへの情熱を取り戻した舞‼️舞の送別パーティーに来た杉山へ舞がかける言葉 "Shall we ダンス?" ‼️なんて素敵な言葉でしょう‼️魅力的な登場人物に囲まれながらダンスに打ち込む杉山の物語は希望に満ちていて、明日からまた一生懸命頑張ろうという気持ちにさせてくれます‼️ホントに周防正行監督の作劇はモダンでウィットに富んでて洒落てる‼️ビリー・ワイルダー監督を彷彿とさせますよね‼️これからも周防正行監督が魅せてくれる素晴らしい作品達に超期待‼️
人生の虚しさの中にいる時…
年齢は関係ない
憧れのたま子先生に一生ついていきます
「おばあさんでがっかりした?(ふふふ)…たま子先生って…呼んでね」(思い出し引用)のところで毎回「はいっ!!」って応えている自分がいる。
杉山の下心はお見通しの上で、軽くピシャリとやりつつ、笑顔で受け止めてくれる。
超個性豊かな生徒達と、堅くて自己中なもう一人の講師。そんな面々を抱えて、ご指導されるたま子先生。杉山のこともいつしか競技ダンスの世界に引き込んでいく。「否」を言わせぬあの笑顔!(笑)
あのお年にも関わらず、その背筋、立ち振る舞いの美しさに加えて、そのお人柄も憧れです。
人をまとめていくことの難しさに日々イライラしする毎日。疲れた心にたま子先生の笑顔が、一服の清涼剤。
計算された、際どいバランスの上に成り立っている映画。
観て心が温かくなる。
けれど、観る時によって感想も変わるかな?
闇落ちしているときは、予定調和の筋をつまらなく感じたり、鼻につく演技にイラっとしたり、夫婦の関係に腹が立ったり…。
ちょっと心に風が吹いているときは、杉山の冒険を応援したくなったり…。
強烈個性豊かな面々が出演されている。
大受けしている、竹中さん、渡辺さんの演技も使い方一歩間違えば、彼らだけ浮くか、コテコテの映画で2時間も耐えられないものになる。地味で一見無個性な杉山を配することでバランスをとっているが、この杉山が無個性のようでいて個性的な役回り(どこにでもいそうなサラリーマンて実は一番難しい。観ている人誰もが自分に重ね合わせられるって!!!)そして彼らを繋ぐ徳井さんと田口さんがいい味出している。
それ以外にも『ミッケ!』みたいに、え?!この役をこの方が?みたいな楽しみ方も…。(微妙に悪目立ちたがりしている人もいるが、ギリギリのところで映画に収まっている)
草刈さんの台詞の言い回しは確かに鼻につく。特に本木さんとのやりとりは残念。だけど終盤の「shal we dannce?」は、ああこの方はやっぱり世界が舞台の方なのね、だから英語の方が得意で日本語うまくないんやんと変な納得をしてしまったりして。
そして、ああ、プリマ中のプリマだよね、と納得させてしまう、体での演技。小首をかしげるだけなのに、ちょっとでも触れたたら壊れてしまいそうな雰囲気を醸し出す。圧巻。いっそのこと、ショックで声の出ない役でパントマイムでの演技にしたら良かったのに。
杉山の妻は「毎日定時帰り」と文句言ってたくせに、杉山が趣味を見つけたとたん「浮気?」ってどっちやねんと突っ込みたかったけど、この夫婦のダンスが一番好き♡。
会場も独特。華やかな衣装、華やかなダンスホールが映し出される。だけど、競技場は体育館。練習場はビルの一室。そんなアンバランスさがこの映画を地に足付けたものにしている。(実際にそうなんだろうけど)
「ダンスはパートナーシップ」と、転倒の際パートナーをかばって骨折したエピソード。そうしてくれなかったと怒る舞。相手がそうしてくれるように相手を扱ったのかと指摘する父。そして…。
はあ、奥が深い…。複雑。
つっこみどころ満載。ちょっと残念な場面もあり、初見の時は☆4つだと思った。
でも、仕事で疲れてくると観たくなる映画。
もし習うなら、舞先生ではなく、たま子先生を指名したくなる。
「楽しく踊れればそれでいいのよ」はーい。
全中年男性に捧ぐ人生讃歌
平凡な毎日を送る中年男性が社交ダンスにのめり込むことで人生に生きがいを見出す姿を描いたハートフルコメディ作品。
仕事や生活に何不自由はないがどこか満たされない日々を送る系の作品群の原点とも言える今作はM:Iやセブンと同い年の1996年という時代もあり、現代と全く異なるファッションセンスや街並み、そして何より若かりし日の役所広司や竹中直人などの現代のベテラン俳優陣の姿を観ることのできる作品だった。
社交ダンスを始めた理由が多少不純で、一歩間違えば不倫映画になってしまう展開だったが、草刈民代にハッキリと断られた後もひたすらにダンスに打ち込み、最後のShall we dance?に何も後ろめたさもない心温まる展開で締めたことがすごく印象的でその曖昧な余韻もとても良かった。
整合美
話のテンポや映像の中に破綻がなくてそれはそれですごい芸だなも思いつつ無害な整合美を少し退屈だなとあくびを殺したり。今見ると陰気さはないけど蓋をされている妻の原日出子の救いのない主婦の生活像が放置されているのにハラハラしてしまう。クスッと笑えるシーンはちゃんとある、幼稚ではない、まとまりのよさもある。
ほかはメモ列記。
・草刈民代が大根役者すぎる。ただ気配だけで、演技してる、黙って表情だけ作ってるシーンのほうがずいぶんいい。
・役所広司が上手いのでそれでカバーしているというより、余計際立たせているような…。
・今この映画作るならこのアングルは成立しない。主婦が原日出子ではなく松たか子や木村佳乃でストーリーも構成されそう。
・竹中直人が気持ち悪いとフラれたことを嘆いて泣くシーンはその瞬間GONINのイカれたサラリーマンが立ち上がるので背筋が伸びる。
・渡辺えりこがこの映画で1番よかった。凄い。ほかは誰でも成立するがこの役柄はなかなかできない。柴田理恵だと普通にいそうなおばさん、渡辺えり子ならコメディになる。
主役二人のダンスと演技の上達を楽しむ。
全国のラーメンを食べ歩いた人が考え抜いて作り出したシンプルな醤油ラーメンのような作品
40代のサラリーマンの酸いも甘いもストレスもやるせなさも全て分かったうえで作られた名作だが、女性からするとシンプルに不倫映画と評され監督の趣旨が伝わらない可能性のある作品。
夫婦もダンスに似ています パートナーを信頼して、気持ちがそろってこそ、楽しい良いダンスになるのと同じなのだと思いました
Shall We Dance?
誰から、誰への言葉でしょうか?
もちろん最後の舞先生のセリフです
でも本当は主人公の妻への無言の気持ちです
これが本当のテーマだったと思いました
夜の庭でのダンスシーンこそが、実はクライマックスだと思いました
舞先生のお別れダンスパーティーはエピローグだったのだと思います
夫婦もダンスに似ています
パートナーを信頼して、気持ちがそろってこそ、楽しい良いダンスになるのと同じなのだと思いました
互いを思いやる心
それがなければダンスにはならない
それが快い結論として残りました
さて、自分はこんなダンスを踊れるだろうか?
アクシデントがあったときパートナーを最後まで守れているのだろうか?
そう自分に問いかけました
面白いだけでなくて、冷や汗も流れます
素晴らしい名作です
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