真田風雲録のレビュー・感想・評価
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主人公はあくまでも猿飛佐助。そして恋仲となるのが雲隠才蔵だ!
最初は昔ながらの映画作りの雰囲気だったが、途中からはミュージカル風コメディと一変してしまう。そして真田幸村(千秋実)は完全にお笑いキャラ。佐助の人の心を読んだり、消えたりすることのできる超能力は面白くもあり、ちょっとした悲哀のヒーローだ。
歌って踊って実は意外と本格派だったりして、カルト十勇士
加藤泰監督1963年の作品。
関ヶ原の戦いの後に出会った一人の男と、少年少女たち…。
タイトルからも察する通り、本作は猿飛佐助を始めとする真田十勇士の物語。
加藤監督作だし、本格的な時代活劇を期待出来ると思いきや、何と何と、時代劇ミュージカル・コメディ!
いや~、びっくり。
加藤監督、こういうのも撮るんだ…。
とにかくハチャメチャな展開。
歌と踊りと、シュールな演出やギャグもいっぱい。
チャンバラや忍術シーンも独特の表現。
でもただの異色作ではなく、名優たちが演じる歴史上の人物と歴史上の出来事、一応らしく策略やシリアスな訴え、合戦や猿飛とお霧のロマンスも織り交ぜ、痛快なノリのエンターテイメントにまとめている。
調べてみたら、今や日本映画のカルト作と名高いが、当時は東映始まって以来の興行大惨敗。批評家筋からもコテンパンに…。当時の岡田東映社長から、ずっと言われ続けたという。
鈴木清順監督の『殺しの烙印』もそうだが、当時はそうでも、いずれ変わるかもしれないから面白い。
まあ、何ともヘンテコと言えばヘンテコ。
でも何処か、面白味があると言えば面白味がある。
そう意味ではやはり、これは成功ではなかろうか。
『真田幸村の謀略』のような本格派もあれば、2016年の『真田十勇士』のような同じくユニークな作風まで、いつの世もこの10人の勇士の活躍は千差万別。
ミュージカル版真田十勇士
猿飛佐助が中村錦之助、霧隠才蔵が渡辺美佐子、真田幸村が千秋実、千姫が本間千代子(懐かしい!)という布陣。
加藤泰監督は戦国時代を戦争に明け暮れた不毛の時代ととらえているのか、みんなかっこ悪い死に方をする。
東映もこんな映画を作っていたんだ。
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