劇場公開日 1983年12月10日

「時代劇がSFに走った失敗…」里見八犬伝(1983) 777さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0時代劇がSFに走った失敗…

2024年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

公開当時1983年…既に若者の時代劇離れが始まっていた…
それを打破すべく、角川映画が「SF時代劇」を作り上げたのだが、完全に
失敗…
内容や画面の絵が洋画の後追い(当時は『ハリウッド映画』ではなく『洋画』
と言っていた)。
それまでの老人が好みの時代劇「義理や人情」が無く、単純な勧善懲悪の
世界で「スターウォーズ」の時代劇版みないた作り…
それでいて、これから時代劇を観るであろう、小学生とかの観客を引き入れら
れたか言えば、それも出来ていない…
何事においても中途半端…
「仁義礼智忠信考梯」のうち、主人公が「仁」の持ち主であるのは、分かり
きっているのに、最後まで出し惜しみする。
先に述べた時代劇の「義理と人情」の絆が無く「キン肉マン」の友情
みたいな関係…
その後、邦画の時代劇はロックミュージックを取り入れたり、特撮ヒーローの
様な強さを出したり、50億円の製作費を掛けカナダ・ロケをしたりとかで、
万策尽きて…それで1990年代に、黒澤明監督の「七人の侍」が
再評価される…
思うに、八人の戦士が集まるエピソードを自然に順序良く描くには、
「七人の侍」の様に3時間以上の尺が必要で、2時間の映画に収めるには
こういう無理な、マンガみたいな内容になる…

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