「市と二人の女」座頭市喧嘩旅 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
市と二人の女
シリーズ5作目。1963年の作品。
道中、侍たちに追われている娘を助けた市。その娘・お美津は江戸の豪商の娘で、無理矢理若殿に手籠めにされそうなところを逃げて来たという。市はお美津を江戸に送り届けようとするが…。
定番スタイルである二大やくざの争いに割って入る。勿論今回もそれはあり、片方から手入れの助っ人を依頼されるのがそもそもの始まり。
しかし今回は、男一人と女一人の旅。
当然、淡く、不器用な恋が。
道中何度か、穢れを知らぬお美津は悪党に騙される。
その度助ける市。が、自分は頼られていると思っていた…そう吐露する市が哀しい。
今回、市のライバルになるような浪人は不在。
その代わり、市を翻弄するのは悪女キャラとでも言うべきお久。
市を襲い斬られた浪人の女で、市に一泡吹かせようと付け狙う。時にはやくざと組んだり、時にはお美津を誘拐したり。
お美津を演じた藤村志保が可憐に対し、お久を演じた藤原礼子は妖艶。どちらかと言うと藤原礼子の方が美味しい役回り。
今回はこの二人の女性の存在と、その対比が印象的。
クライマックスは二大やくざの争い。片方の助っ人に入る。
が!そこにまさかの人物が!
やくざ者が堅気の人を巻き込んじゃいけねぇ。
か弱い娘なら尚更。
市が怒りの成敗!
闘い終わって…
惚れた女の為に市は…。
ラストもいい。
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