「二人の苦難の旅が面白い」アフリカの女王 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
二人の苦難の旅が面白い
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総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 50
音楽: 60
二人のやり取りや冒険は面白い。苦労して数々の危険や困難を乗り越えるところがいい。
アメリカ人のヘプバーンがイギリス人を演じたが、発音をイギリス英語に直しているのが実力派役者らしい(ちなみにコプリーでアメリカ人を演じたイギリス人のジュード・ロウはそのままイギリス英語を話していた)。また二枚目が多かったボガートが、ここでは自由気ままな駄目船長をうまく演じている。
しかし物語には大きな欠陥がある。ドイツ軍のせいで兄が死んで頭にきたヘプバーンに、爆薬を積んでこの船ごとドイツ軍艦に体当たりしろと言われて、ボガートは何故素直にその気になるのかという点である。
そう言われた時、ボガートにとってへプバーンは手紙や食料を届ける単なる顧客の一人に過ぎなかった。ボガートは船がなくなれば彼の唯一の財産というか仕事のための道具がなくなってしまう。苦労してわざわざ自分の財産を失うために努力する必要性はない。しかもそのためには命を失う危険があるのに、である。
ヘプバーンの言うことやることはかなり無茶苦茶であるし、それをボガートが素直に聞くというのは通常は考えにくい。二人が愛し合うようになるのは、苦難の旅を経験した後である。その後で愛する人のためにドイツ軍を攻撃するのに同意するのならば理解が出来るが、順序が逆であろう。
それと最後の場面でドイツ兵と一緒に二人は沈む船から脱出する。それなのにドイツ兵はどこかに行ってしまってまるで二人きりになってしまう。映画としての演出だろうが不自然である。
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