「健気に戦うモスラがかわいい」ゴジラVSモスラ 閑さんの映画レビュー(感想・評価)
健気に戦うモスラがかわいい
子どもの時に映画館で見て以来、久々のモスラ。
どうしても色々と粗が目立ってしまう昭和シリーズと比較すると、特撮(模型や爆破etc.)も映像(画面構成や合成技術etc.)もストーリー構築も何ランクも上がってて安心して見ていられる。
投げ飛ばされても下敷きにされても戦車でバカスカ攻撃されても人類のために(?)健気に戦うモスラ(まあ街も盛大に壊してるけど笑)。さなぎから羽化するシーンは特にキレイ、フカフカモフモフのモスラについてこんなのモスラじゃない!という意見もあるらしいが、個人的にはモスラはこのモフモフバージョンが好き。モスラの歌もずっと耳に残る。
ゴジラは今回完全にやられ役というかヒールで、格好いいとこほとんどなしだった印象。でもこの目つきとかゴツい肌の感じとかザ・ゴジラという感じで好きだなあ(思い出補正でこの時代のゴジラが自分の中でのデフォになってるだけかもしれないが)。
バトラは幼虫時代が一番活躍してたね。モスラに説得されてからは舎弟扱いというか笑。ゴジラ捨てに行くとこで、重くて噛みつかれる危険のある前のほう持たされて、しかも死んじゃったし笑。モスラ先輩ちょっとひどくない?しかも悪いやつかと思ったら実は隕石から地球を守るための存在だったと死んだあとに明かされる悲劇…。
人間ドラマパートは環境破壊がテーマになっていることで、現代の観客からは環境破壊への警句としての台詞が鼻につくという意見もあるけど、時代背景を考えるとこんなもんじゃないかな。地球が怒ってるというガイア理論は正にこの頃の潮流だし、バブルがはじけて今までの経済優先主義は正しかったのだろうか?(会社社長が悪し様に描かれてたのはコレだろう)とか、ノストラダムスの大予言とか世紀末を目前に控えて「もしかしたら何か起きるのでは?」と割と考えてた(一番最後の「もし21世紀を迎えられたら」の台詞とか)そんな時代。今からしたら笑い話だしガイア理論なんて環境テロリストですら言わなくなったけど、気温の上昇や異常気象(最近は毎年のことだから異常気象て言わなくなったけど…)は実際起きてるよね…とも思った。
全体にきれいにお話がまとまってて、怪獣バトルも十分見れて(欲を言えばもっとビームでなく激しい取っ組み合いをしてほしかったが空飛んでるししゃあない)、娯楽作品として十分高得点だったと思う。