「「第二次怪獣ブームもあり昭和後期ゴジラ最大の観客動員、正義の味方ゴジラがハッキリと打ち出された作品」」地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「第二次怪獣ブームもあり昭和後期ゴジラ最大の観客動員、正義の味方ゴジラがハッキリと打ち出された作品」
★独自採点(61):正義の味方ゴジラがハッキリと打ち出された作品。チャンピオン祭リ作品、第二次怪獣ブームもあり昭和後期ゴジラ最大の観客動員178万人、ゴジラアクター中島春雄最後の作品。ゴジラ史上初の吹き出しでアンギラスと会話擬人化が進みヘドラで見られた様な大人を意識した作りから完全にエンタメ・子供向け路線となった作品。
制作田中友幸、監督福田純、特技中野昭慶(クレジットとしては特殊技術)、音楽伊福部昭
通称:総進撃ゴジ流用・登場怪獣:ガイガン/アンギラス/キングギドラ/M宇宙ハンター星雲人(ゴキブリに似た昆虫生命体)・防衛:呼称は防衛隊(29’他陸自メーサー殺獣光線車等のシーンあり=サンダ対ガイラの流用)「防衛本部」・昭和47年3月12日封切り・89分・上陸地(相模湾架空の地月の瀬海岸)・破壊地(東京・月の瀬海岸コンビナート)・特撮爆破炎上破壊規模A(ガイガンが破壊するのは新規撮影だが、キングギドラは『三大怪獣地球地球最大の決戦』の丸っと流用、その他旧作の流用シーンが多い)
冒頭の漫画シーンで出てくる怪獣シュクラが気になる。世界子供ランドのシンボルでもある地上50メートルの展望台が宇宙人の侵略基地となっている。なんと言ってもゴジラシリーズ初のメカっぽい質感の怪獣ガイガンの存在感が大きい。また、劇中旧作の流用シーンが多いのは残念、防衛隊が出動する実車の戦車走行シーンとかはサンダ対ガイラ、他にも『空の大怪獣 ラドン』『モスラ対ゴジラ』『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』『怪獣総進撃』『三大怪獣地球地球最大の決戦』から流用とかなりのシーンが流用されている(その他特撮作品からの流用シーン発見も昭和ゴジラの楽しみの一つ)。
宇宙怪獣群のガイガン(身長65m)&キングギドラ対地球怪獣ゴジラ&アンギラスのコンビナート対戦はオープンセット撮影だったこともあり昭和ゴジラシリーズの中でも初代につぐ火炎とド派手な攻防、久々に見応えある特撮かもしれない。また、本作ではガイガンの攻撃でゴジラ・アンギラス共にまるで椿三十郎とまでは言わないが血しぶきをあげて流血するシーンがあるなど子供路線ながらグロテスクな演出があるのは第二次怪獣ブーム仮面ライダーシリーズなどのややダークな作品がうけているというのもあるのだろうか。メーサー殺獣光線車は大小2サイズ塗装など変更されて登場する。
ゴジラ登場:怪獣島・怪獣島から洋上を移動して相模湾月の背海岸コンビナート、ラストは宇宙怪獣を倒し怪獣島へと海へ消える。
スーツは総進撃ゴジ流用・海ゴジラは大戦争ゴジがリタイアし息子ゴジが使用されている。
時代:(ゴジラ対ガイガン(封切料金¥700※実勢価格約半額)、高島平団地入居開始、カラーテレビ普及率60〜70%超え(カラーが白黒を上回る)、札幌冬季オリンピック、沖縄返還、日中国交正常化、第二次ベビーブーム、生活保護世帯にもカラーテレビが認められ日用品となった。太陽にほえろ東宝テレビ部放送開始、連合赤軍あさま山荘事件
<ファッション>
ホットパンツ、男性の長髪が定着化
<ヒット商品>
カシオミニ(電卓)
<流行語>
未婚の母、ナウ
<ベストセラー・コミック・雑誌>
「日本列島改造論」田中角栄
「ベルサイユのバラ」連載スタート
「ぴあ」「ロッキングオン」創刊
映画・演劇・テレビ・CM
「忍ぶ川」監督:熊井啓
「時計じかけのオレンジ」監督:スタンリー・キューブリック
「ゴッドファーザー」監督:フランシス・コッポラ
『太陽にほえろ』
『木枯らし紋次郎』
好きなショット:流血瀕死のゴジラがタワーへ吹き飛ばされ復活攻撃をするシーン、キングギドラの首をつかんで投げ飛ばすシーン