劇場公開日 2014年6月7日

ゴジラ(1954)のレビュー・感想・評価

全111件中、1~20件目を表示

3.5制作時の時代を描くという説得力。

2025年1月8日
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鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

5.0陰鬱な時代を物語る記念碑的作品

2024年7月14日
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鑑賞方法:映画館

 水爆反対。反対すべき兵器はそれだけではないし、その一言を叫ぶと、なんだか純朴にも聞こえてしまうのは、ちょっと捻くれてしまっているのか。
 当時の技術なら仕方の無いモノクロムービー。どう頑張っても陰鬱な印象にならざるを得ない。でも、原爆二発を喰らった日本にとって、続く核兵器開発の泥沼化を聞きつけ、陰鬱な心中になるのは仕方の無いこと。むしろ、わざわざ選んでモノクロ映像を採用したのかと思うほど。4K8Kの現代でも、この映像はテーマに正しくふさわしい。
 みれば恐らく当時の技術の総動員である。地方の漁村から都心の人びとのパニック状態、海上保安庁、議論紛糾する国会の有様まで再現され、人びとは叫び合い恐れおののき嘆き悲しむ。明るい笑顔はほぼ、何処にも見当たらない。当時の撮影陣は掲げられたテーマの重大さに一致団結し得たのだろう。博士に、恐るべき化学兵器の投入と自らの死を決意させた歌声こそ、その象徴だったのかもしれない。
 最後の闘いは余程激しいものになるかと思いきや、実に厳かな音楽と共に、静かに行われたのが印象的だった。ゴジラこそ現代社会に対する怒りの象徴、その怒れる神を沈めるための儀式であったのかも知れない。
 ゴジラは現代に至るまで様々なバージョンが作られたが、その中でも極めて重く、もっとも切なる想いを込めた作品だったと思う。現代、更に未来にわたり、決して色あせることは無いでしょう。平和な世の中が実現し、このような抗議的な映画が形骸となる時代が来たとしても。

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猿田猿太郎

5.0最高傑作

2025年1月17日
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怪獣映画を観てる感じがしない。反戦映画のような反核映画のような内容。その後のゴジラシリーズとは違うレベル。

ゴジラが、破壊した後の病院の風景とか素晴らしい。
戦後の日本をすごくリアルに感じさせてくれる。
芹澤教授が使用を決断するシーンも印象的。全体を覆う深い哀しみが響いてくる。

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四葩

5.0いまさら

2025年1月6日
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言わずと知れた日本が世界に誇る特撮映画の金字塔。
とにかく七人の侍と同じ年に同じ会社で撮った、というところが驚異的。

ストーリー展開もテーマ性も満点です。

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越後屋

4.0それぞれの立場、それぞれの役割

2025年1月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ゴジラの原点とはこうだったのか。怪獣映画としても、なかなか全貌を表さない、そして効果音と共に現れるゴジラはまるでジョーズが襲ってくるシーンを思わせる緊迫感。登場人物の役割も明確でどの人の立場も理解でき共感できる。誰が正しいとか間違っているという正解もなく、どの立場の人に共鳴するかで物語の見方も変わってくる。個人的にはゴジラに襲撃される直前まで実況を続けたアナウンサーに感心した。今回初見なのだが、こんなに物語に深みがあるとは想像していなかった。最後続編を匂わせるセリフも計算ずくなのだろうか。メッセージ性もあり、エンタメとしてもよくできた作品でした。

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shin

5.0怪獣映画では人物像も大事‼️科学は正義のために存在するのかを再び考える

2025年1月1日
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芹沢の人物像は科学は正義のために存在すると主張し、そういう人物像は人類側に不可欠な一部だと考える。何故かと言うと、ゴジラはそもそも水爆実験の様な原因から生まれたからだ。政治の原因より人類の欲望によって不正義の科学の方はその原因に近いと思う。芹沢は人類の将来を考えるが、人類の弱さが信じられなくて、最後に人類のために犠牲になる。それは不正義の科学者と比べて、もっと正義の方へ感じると思う。
最後はいい結末か悪い結末かわからない。前者で言えば、人類のための平和が迎えた。後者で言えば、その「ゴジラを作った人」は自分の間違いとは思わずに不正義の科学者の方へ続くだろう。
本作は「シンゴジラ」の様な政府の視点でもなく、「ゴジラ-1」のような民主主義の視点でもなく、本当に災害などの前の社会の全体像だと考えて、国家の視点だけではない、科学者と人間の強さも一つ魅力的な所だと思う。「ゴジラ-1」の様なご都合主義ではない、本当に映画の小さな嘘と大きな嘘を観客に実感させた。しかも、70前の映画でも亮度と空間のカメラの方法が勉強できるし、特撮の歴史にもかなり重要な役割である。このきっかけで名作を素晴らしさを感じるのは非常に勉強になった。

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Rocky.

4.0映画に込められた後世へのメッセージ

2024年11月28日
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BSの録画を視聴。

公開の9年前に終戦したばかり。
そのためか
ゴジラによる被害と
避難の描写がリアルで、
関東大震災や
戦時を彷彿とさせる。

過去に実際にあった悲劇を
再現VTRという形にして
後世に伝えるため、
このゴジラという映画に
真実とメッセージを込めたのだ。

ゴジラ登場シーンの他に、
恵美子の恋愛物語も
見応えがある。

芹沢博士が、酸素を研究中に
発見したエネルギーで作った
「オキシジェン・デストロイヤー」
が登場する。
芹沢博士は作ったことを後悔し、
コレを後世に残さない
という選択をする。

調査する者、報告する者、
公表するべきか否か議論する者、
親の氣持ち、子の氣持ち、
被災者、研究者、戦う者、守る者、
あらゆる立ち場の人の
願いや思いも込められた作品。

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Don-chan

4.0あらゆる賞賛に値する傑作だ。

2024年11月23日
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海底洞窟に潜んでいたジュラ紀の怪獣「ゴジラ」が、水爆実験のために、生活環境を奪われ、東京で暴れまくる姿を描いた一大スペクタクル。本作の公開と同年に起きた、第五福竜丸事件を意識している。

原爆の恐怖から10年も経っていない日本が、そのトラウマと向き合った、美しくスリリングな映画だ。水爆を乗り切ったゴジラを倒すくだりも、いつか人類が、自分たちの技術で、自らを滅ぼすのでは無いかという、将来への危惧や警鐘が感じられる。

主権回復して間もなく、豊かでは無かった日本で、これだけの技術、これだけの特撮が出来たことに、いつも涙してしまう。当時としては信じられないほどの、画期的な映画だ。

ゴジラの姿が明らかになるまでのホラー感覚や、東京を破壊しつくす姿も、実に見事で驚異的だ。単なる怪奇怪獣映画の枠を超えて、あらゆる賞賛に値する傑作だ。

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瀬戸口仁

4.0一度は劇場で見て欲しい名作。 出来れば前の席で。

2024年11月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

 怪獣王ゴジラの誕生作にして、すべての怪獣映画の原点となる作品。

 同じ1954年に本作に先駆けて封切られた『七人の侍』(撮影は前年から)で島田勘兵衛を演じた志村喬は同作の撮影が押しに押して、本来夏場に撮り終えている筈のクライマックスの雨中の決戦シーンを極寒の2月にホースの集中豪雨を浴びながら撮る羽目になったうえ、古生物学者・山根恭平役で臨んだ今回は、大戸島のシーンのロケ地まで1時間以上も小舟に揺られた挙げ句、現地に到着してからも炎天下に裏山の山頂とふもとの海辺を往復させられてかなり参ったそうで、ほかの多くの出演者やスタッフも日射病でバタバタと倒れたらしい。お疲れさまでした。

 今や日本が世界に誇る両名作映画を同じ年に製作・公開出来るなんて、「さすがは東宝」と言いたくなるが、当時の同社は極度のジリ貧状態。

 戦時中、軍部主導の国威発揚作品、いわゆる国策映画に入れあげたせいで、戦後の東宝はGHQによって多くの重役や職員が公職追放され(本作の特撮担当、円谷英二もそのひとり)、その後の度重なる東宝争議でも最終的にGHQが軍を動員して介入、「戦闘機も来た戦車も来た、来なかったのは軍艦だけ」と揶揄される大騒動に。まるで本作のゴジラの東京襲撃場面みたいだが、戦後の東宝は二回もGHQに叩きのめされたことになる。
 一連の騒動で数多くの人材が流出したため、配給のみに専念するべく、映画製作部門を分離して立ち上げた新東宝が、あろうことか作品の配給を巡って対立したのち独立。
 当時の金額で1億数千万円(今の金銭的価値だと、百倍かそれ以上)の負債を抱え解体寸前だった東宝にとって、1954年の両作品は社運を賭けた起死回生の大バクチの側面もあった。

 結果的に二作とも大ヒットしたことを偶然や追い詰められた末の火事場の馬鹿力とみることも出来るが、残る者は残り、足りない部分を新しい人材や斬新な発想で補った故のケミストリーと捉えることも出来るだろう。

 本作はもともとインドネシアとの合作映画が頓挫した穴埋めとして企画された作品。
 それまでにも、追放解除で復帰した円谷英二が立案した大ダコやクジラの怪物が上陸して暴れるシナリオが却下されるなど紆余曲折のうちに、1954年3月に米軍の水爆実験によって第五福竜丸が被爆したことを期に、前年に製作された米映画『原子怪獣現る』から想を得たプロデューサーの田中友幸が大多数の反対を押し切って製作を実現させている。

 ちなみに『七人の侍』でビッグバジェットを託された黒澤明監督は、会社の状況から製作の中止を予期してシナリオの順番どおり撮影を進行したそう。
 案の定、撮影の遅延を理由に上層部が中止の判断を下すと、撮影済みの前半部分を仮編集したフィルムを試写し、視聴した東宝の幹部を前に「この続き、見たくないですか?」と迫って中止を撤回させたんだとか。

 もし黒澤や田中が上司の顔色を窺うしか能のないサラリーマン気質のイエスマンだったなら、同年の両傑作のみならず、『荒野の七人』(1960)や、ゴジラシリーズを含むその後の怪獣映画も誕生しなかっただろうし、そもそも東宝の未来さえ危うかっただろう。

 国策映画で威勢を振るったばかりに、敗戦後GHQから二度も抑圧され存亡の危機に瀕した東宝は、真珠湾攻撃で勇んで開戦したものの、二発の原爆で降参した日本軍の皮肉なメタファーのよう。
 本作に先行して公開された『七人の侍』は大ヒットした反面、当時の評価は賛否両論だったと聞く。
 侍(兵士)を雇って戦うという作品の主題が、新憲法で謳った戦争放棄や平和国家の理念を無視して同年に発足する自衛隊と絡めて「好戦的」との批判に曝されたからだが、戦時中の体質が変わっていないと判断されることへの危機感を東宝は持った筈。
 水爆実験による被曝を作品のモチーフに択んだことは偶然の積み重ねとはいえ、結果、反戦・反核が本作のテーマとなったことは、戦時協力への東宝の悔悟と贖罪の表明ともいえるかも知れない。

 本編(ドラマ部分)の監督は、のちに何度も東宝特撮シリーズに関わる名匠、本多猪四郎。
 彼が択ばれたのは、特撮に欠かせない円谷との東宝復帰後のコンビ経験が多かったからといわれている。

 本多が村田武雄と共作した脚本は被曝事故だけでなく、水爆マグロや残留(浮流)機雷、国会の紛糾に外交問題と、当時の世相をふんだんに盛り込むことによって時代のリアリティを映し出すことに成功している。
 東静子演じる若い女性の「せっかく長崎の原爆から命拾いした大切な体…」という逃避的なセリフや態度も現代人の目には軽薄に映るが、終戦を経てまだ九年の封切当時の観客には、連れの男性の「やだなあ、また疎開か」というぼやきともども、実感のこもった切実な会話に聞こえた筈。

 本編の映像はゴジラが絡まない部分は端正で静謐。
 水平のアングルやニューフェイスの三人(宝田、平田、河内)の素朴で初々しい演技も相まって、小津安二郎作品を観ているような雰囲気すら感じる場面も。
 そんな中、ふだん黒澤作品で大仰な演技を要求されることの多い志村だけは、最初は訥々とした委員会での答弁も、次第に熱がこもって最後はまるで選挙演説。学者としての正論を語っていても、見る側にマッドサイエンティストのような印象を与えている。

 本編中、本多監督はいくつかの対比関係を物語で巧みに取り入れている。

 一つ目は、志村演じる山根博士と新吉少年(鈴木豊明)との対比。
 山根は貴重な研究材料であるゴジラを殺すことに反対する。それは専門家としては当然の主張だが、理解されずに孤立し、次第に感情的になっていく。
 一方の新吉は、家族を家ごとゴジラに押しつぶされ、山根家に厄介になっている身。尾形(宝田明)から「先生はゴジラを死なせたくないんだ」と聴かされ、苦々しい表情を浮かべるも、立場上、文句は言えない。
 二人の対比は、戦争を遂行、もしくは兵器を開発・使用する側と、戦争や兵器の犠牲になる側の寓意と捉えることも可能だろう。
 ゴジラに関して考え方の異なる二人は二度めの東京襲撃で、ゴジラの猛威をともに目の当たりにすることになる。
 想像を絶するゴジラの破壊力に唖然とする山根の傍らで、新吉は「ちくしょう」と繰り返しながら慟哭する。この時点から、山根は研究対象としてゴジラを生存させるべきという主張を封印し、ラストの「水爆実験を繰り返せば、ゴジラの同類がまた現れるかも知れない」という有名な警句に繋がるが、そこには学者としてのあらたなサンプル登場への期待感は籠もっていない。
 惜しむらくは、新吉の慟哭に接した際の山根の心境の変化や葛藤をもう少し丁寧に描き込んで欲しかった。せっかく名優が出てるんだから。

 二つ目は芹沢博士(平田昭彦)と尾形との対比の構図。
 二人は恵美子(河内桃子)を巡る三角関係、恋のライバルという単純な図式ではなく、明らかに戦争体験者と未体験者との寓意的な対比として描かれている。
 そのことは「戦争さえなければ、あんなひどい傷を受けずに済んだ」という尾形のセリフに端的に示されている。
 映像で確認する限り、芹沢の怪我は右顔面の傷痕(あざ)と右眼の失明。もちろん軽い怪我ではないが、戦場での「ひどい傷」の程度はこんなものではないはず。つまり尾形は戦場の悲惨な状況を知らない立場の人物として設定されている。
 その一方で、発明が兵器に転用されることを極度に畏れる芹沢は,自身が罹傷しただけでなく実際の戦争の惨状を知る立場のトラウマや苦悩として描かれている。。
 終盤のオキシジェン・デストロイヤーの使用を巡る二人の激論も、新兵器が悪用されることへの危惧だけでなく、もっと根源的な、戦争を知らない世代の安易な選択への予言的な警告と読み取ることも出来る。

 そして最後にもう一つ。
 戦争が原因で、どちらもそれまでの生活が一変することになる合わせ鏡のような芹沢とゴジラとの関係。
 戦争で顔面を損傷し、ひと目を避けて研究室に閉じこもる生活を続けながら、純粋に科学の平和利用を希求する芹沢と、水爆実験で得た破滅的なパワーで安住の地を追われた報復を躊躇なく人類の文明に遂行するゴジラ。
 両者のいびつなシンメトリーと、科学の誤った使用の結果、その清算のために若い才能が命懸けで人類の脅威に対峙する関係はM・シェリーの小説『フランケンシュタイン(或いは現代のプロメテウス)』にも通ずる。
 ほかの学者が知らないところで水爆を開発したばかりに、同じ科学者の一人として責任を負う羽目になった芹沢にすれば、とんだ「大怪獣のあとしまつ」だが、最後は従容として、絶対に発明が悪用されないやり方でゴジラを始末する。

 黒澤明は盟友の本多が監督した本作を観て、「自分が監督したら、警官だって避難誘導なんてしてないで真っ先に逃げ出す」と語ったそう。
 気付いた方も多いと思うが、この映画には善人しか出てこない。それは本多監督のポリシーでもあるし、「幸福に暮らせ」と言い残して自らの命と引き換えに人類を救う芹沢の人間性に集約されている。

 初めて本作をTVで観たとき、一番印象に残ったのは、逃げずに実況中継を続けて命を落とすアナウンサー。 演じた役者(橘正晃)の必死の形相や「これで最後、さようなら皆さんさようなら」のセリフが子供心に強烈に焼き付いたのを思い出す。
 今観ると、戦時中の報道管制下で事実を正しく伝えなかったメディアの贖罪にもみてとれるが、この場面や芹沢の死を特攻と重ねてしまう人も多いだろう(二度とそんな世の中にしないと考えることも大事)。

 芹沢の犠牲は、間違いなく作品の印象を暗くしている。だがだからこそ、この映画がゲームのように痛快なだけの怪物退治の物語にとどまらず、反核・反戦のメッセージを伴った重厚な作品として高く評価されているのだと思うし、最後の山根の警告もよけいに胸を打つ。

 戦争の結果がもたらした自身の分身のようなゴジラを道連れにした芹沢の最期は同時にゴジラの悲劇性をも強調し、水爆実験の落とし子であるゴジラも「戦争の被害者」であることを鑑賞者に想起させる。そのことが反核・反戦だけでなく、文明批判という評価に繋がっているのだろう。

 夜間にゴジラが上陸し、都心を火の海にする場面は東京大空襲をイメージしたとも言われるが、二度にわたる襲撃は、終戦の判断が遅れたために広島・長崎に投下された原爆の寓意なのだろうし、メディアとして戦争に加担した結果、戦後にダメージを受けた東宝のトラウマをも暗喩しているのかも知れない。

 本作の劇場での鑑賞は、今夏(8/15)の京都府立博物館のフィルムシアターが初めてだったが、アーカイブの素材を使っていたので、正直言って映像のコンディションがあまり良くなかった(料金500円だから文句言えないけど)。
 今回、デジタルリマスター版のクリアな画像をTOHOシネマズ二条で拝見出来て非常に満足。
 ただ、こんな名作がたった1週間、昼の12:15からの上映だったのは残念。平日でも児童や学生が学校終わってから見に行ける時間設定にして欲しかった。

 TVやレンタル、配信で見たことがある方も、機会があればぜひ一度、劇場の大きなスクリーンで。その際は、なるべく前の席を択ぶことをお薦めします。
 その方が、大きさだけでなく、ゴジラの高さも実感出来るから。

 2024.11.17 加筆修正。

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TRINITY:The Righthanded Devil

3.0定番のゴジラテーマ曲からスタート

2024年11月15日
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宝田明扮する尾形秀人は原因不明の海難事故の電話が入った事で海上保安庁へ向かった。

あの定番のゴジラテーマ曲からスタート。如何にゴジラを殺せるかに終始していたね。宝田明のランニングシャツ姿も新鮮だったけど余り活躍しなかったね。

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重

4.5First GODZILLA

2024年11月15日
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怖い

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Mr.C.B.2

4.024-127

2024年11月12日
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70周年記念上映にて、初鑑賞。
戦後復興を果たし、高度成長期の活気あふれる日本が映像から見て取れる。
家族観、恋愛観、男女の在り方に時代を感じさせるも、東京を火の海に変えるゴジラの姿、高度な特撮技術に感服。
素晴らしい映画体験でした。

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佐阪航

5.0原水爆の恐怖と科学の罪に迫る意欲作だった! 何度観ても発見がある。今回は芹沢博士の孤高の科学者の矜持に涙。

2024年11月10日
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泣ける

怖い

興奮

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ITOYA

4.5反戦反核のメッセージ

2024年8月13日
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悲しい

怖い

興奮

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mitty

3.5全ての始まり

2024年8月7日
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ここから全てが生まれたのかと思うと、
ワクワクと言うより緊張感を持って観れました。

流石に今観ると新しい物はないのだけど、
戦後9年で生まれたと言う意味合いを考えると、
単に子供映画ではなく、
戦争という恐ろしい出来事の具現化、
次また戦争が起こって本土決戦になった時の被害、
核を落とされた日本から水爆実験の反対を
「ゴジラ」と言う怪物で表しているのかなと想像出来、
ここから続くゴジラ映画の中でもテーマに於いては
もっとも重要な作品なのだと感じました。

また、アイデアも素晴らしく
今もまだヒーロー物で使われるスーツでの演技
そもそもゴジラという空想の生物を戦後まもなくで
作り出した事は感嘆に値します。

「ゴジラ」を観た事で
長く続くシリーズとは別として
また1から作り出した「シンゴジラ」
初代ゴジラから大きなインスパイアをうけ
リスペクトから生まれ原点回帰した「ゴジラ-1.0」の
魅力にも気付けて観て良かったなと思いました。

重いテーマとは別に
単純に戦後、敗戦から立ち上がり世界に追いつこうとする
日本人の想像力は凄いなと感じました。

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奥嶋ひろまさ

4.0本物の特撮

2024年7月31日
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もちろんCGなんてない1954。今は「特撮」に分類される映画にも普通にCGが使われている。
もちろんそれは決して悪いことではなく、相乗効果でより派手な表現が可能で今まで観たことのない映像を観せてくれる。
しかし本当の特撮は迫力がすごい。スクリーンには本物のゴジラがいた。
70年前の努力、技術、アイデアを詰め込んだ世界に誇れる作品。
もしリアルタイムで子供の頃観ていたらゴジラに恐怖するか、かっこいいと夢中になるかどちらにせよ大きく感情を動かしてくれただろう。

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Kei6

4.5抗う術のない存在

2024年7月17日
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知的

それを表現するにはどうすれば良いのか?

どのような姿にすれば良いのか?

これを実写化し圧倒的迫力に昇華することができたのは

元来より見えないモノとの距離を近くに持ち

ないところから再生構築してきた我が国の制作者だから

だと思う。

ハリウッドや近年公開のGと比較すると

ちゃっちい。と一蹴されそうな部分はあるが、

それは鑑賞者の想像力如何かと思う。

僕はハリウッド夜Gより

やっぱりこのゴジラだわ◎

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tomokuni0714

5.0原点にして最高傑作

2024年7月12日
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鹿野安兵衛

4.0ハリウッド以降の近年ゴジラとは比べちゃいかん!

2024年7月10日
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悲しい

興奮

ゴジラが好きな人ならその原点なので見るべきだと思います。逆にそうでもない人、ハリウッド盤やシン・ゴジラ、や-1.0など近年のゴジラしか知らない人ならどうでしょう?
今の映像技術に慣れてしまった人にはいくら70年前の当時の技術であることを割り引いても物足りなさはあるかもしれません。ただゴジラがハリウッドに上陸する前のゴジラ対○○とか、怪獣大戦争的なタイトルの子供の夏休み映画的な位置付けの時代がありましたがその頃と比べたら比べ物にならないくらいの迫力があり高い完成度だと思います。もちろんその頃のモスラやキングギドラ、メカゴジラが好きだという人もいますがこのシンプルなゴジラを一番にあげる人の気持ちは頷けます。
ハリウッド以降とは比べてはいけないのかな、どちらも良い所があります。

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世界の尾張名古屋

4.0昭和29年で白黒なのに…

2024年7月6日
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今見ても迫力がすごい。街が破壊されるシーンは強烈。水爆実験とのからみや芹澤博士の話もグッとくる。実は今回はじめてみた。それでハリウッド版では海底にいたのか、と。大画面で再確認できるゴジラの一作目。なかなか貴重。

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peanuts