化身(1986)のレビュー・感想・評価
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カットしないで~
2人は順調に付き合ってたように思えた。心配なのは歳の差だけ・・・やがて秋葉に独占欲が働き、霧子に店を辞めさせ、小さなブティックを持たせた。それだけでも凄い金額。親の代から裕福であった大学教授。それでも要求は止まらず、家の登記書まで持ち出してしまう。そして、霧子が希望するアメリカ旅行のため彼の甥である達彦に世話するように頼んだ。帰国してからは雰囲気が変わってしまった霧子。そして秋葉に別れ話を切り出してしまう。締切の過ぎた原稿にも手がつかず、霧子を詮索する秋葉。そして新しい相手は誰なんだとハイヤーで追いかけると、そこは田部のマンションだった・・・レズ? ストーリーとしては若い女に恋する中年男の悲哀。友人の能村(梅宮辰夫)もエロ親父のくせして、まともな忠告をする。理解ある別れた妻(三田佳子)もいい演技だ。 とにかくTV放映されると黒木瞳の濡れ場シーン目的でついつい何度も見てしまう魔力が隠されている。最もエロいシーンは放送局の判断によりカットされてることがある・・・
愛を欲する男の虚しい姿
文芸評論家の秋葉は若いホステス・霧子に夢中になり、彼女を自分好みの女に変えさせようとする…。 渡辺淳一の小説を映画化した1986年の作品。 何と言っても見所は、ヒロインの霧子を演じ、本作で映画デビューとなった当時26歳の黒木瞳。 初々しさが非常に可愛らしい。 大胆なヌードや濡れ場にも挑戦し、脱ぎっぷりに天晴れ。 白い肌も華奢な体も小さめの胸もエロスをそそる。 藤竜也も中年男の魅力をダンディに哀愁たっぷりに体現する。 若く魅力的な女を我が物にする。男の願望だろう。 言う事を何でも聞くのであれば、買い与えた服や帽子や靴や車やマンションも安いものだ。 手中に収まっている頃は可愛かった。 しかし、ウブだった若い娘はレディに美しく成長し、自立し始める。 それを知った男は彼女が自分から離れるのを許さない。 霧子は貢がせる為に秋葉の女になっていた訳ではない。霧子も霧子の前に関係を持っていた愛人も純粋に秋葉を愛していた。 だが、女はいつまでも男の物ではない。 彼女たちを愛した秋葉だったが、本当はただ女たちから愛されたいだけだったのかもしれない。 虚しく愛を欲する男の姿が身につまされる。
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