激動の昭和史 沖縄決戦のレビュー・感想・評価
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単なる英雄譚ではない反戦への強いメッセージ
新文芸坐さんにて「映画監督・岡本喜八 生誕100周年記念プロジェクト in 新文芸坐 vol. 3 「戦中派」岡本喜八」にて『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971)を8月15日に鑑賞。 『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971)東宝8.15シリーズの第5作。 岡本喜八監督、脚本は新藤兼人さん。 実際に戦火を越えてきた岡本喜八監督らしく太平洋戦争末期の沖縄戦を客観的な視点で捉え、敵兵の演出もできるだけ排除、日本軍と市井の人々のみフォーカスを当てることで凄惨な沖縄の事実を描ききり、単なる英雄譚ではない反戦を訴えかけておりました。 軍司令部の小林桂樹さん、丹波哲郎さん、仲代達矢さんをはじめ、中谷一郎さん、高橋悦史さん、岸田森さん、天本英世さんの喜八組の面々、川津祐介さん、池部良さん、 鈴木瑞穂さん、神山繁さん、浜村純さん、東野英治郎さん、東野英心さん、井川比佐志さん、田中邦衛さん。そしてナレーターは小林清志さん。 当時としてもオールキャストだったでしょうが、とにかくキャスト、ナレーションが多彩で重厚。 2025年終戦80周年になりますが、本作品のような個性的で重厚なキャスティングはなかなか想像がつきませんね。 毎年この時期はこのような映画ときちんと向き合いたいですね。
罪を贖えるのか?〜沖縄を知るキッカケに
映画の中盤、 宅嶋徳光海軍中尉が遺した有名な詩が印象的に読み上げられる。 (映画では触れられないが、実は、宅嶋中尉が戦死したのは東北地方で、直接的には沖縄戦とは無関係な存在と言える。作中、菊水作戦で散りゆく特攻隊の実写映像を背景に、彼の詩がインサートされる) 『俺の言葉に泣いた奴が一人 俺を恨んでいる奴がひとり それでも本当に俺を忘れないでいてくれる奴がひとり おれが死んだらくちなしの花を飾ってくれる奴が一人 みんな併せてたった一人』 これだけにとどまらず、 敗色濃厚な中、命じられるまま死地に赴く若者たちにヒロイズムをくすぐられる演出が随所に顔を出すが、 それらのみに気をとられてはならない気がする。 対馬丸事件、 伊江島の戦い、 菊水作戦(陸海軍航空隊による大規模特攻) 沖縄水上特攻(戦艦大和の最期)、 義烈空挺隊、 ひめゆりはじめ多数の学徒隊・・・ 邦画でありながら、 日本軍が完膚なきまで負け続ける姿、登場人物の大半が次々と亡くなるのを、これでもか、これでもか、というくらい見ることになる訳だが、 これを製作した皆さんは(私の勝手な想像だが)、 ・戦争の悲惨さや無益さを訴えるだけでなく、 ・強引に日本国に編入した「琉球処分」から、わずか70年足らずで、15万人以上の犠牲を出した沖縄県民への贖罪の意味の記録を残したかった、 のだと信じたい。 陸軍中枢が『本土決戦のための時間稼ぎ』と沖縄戦を位置付けた瞬間から、 残念ながら、沖縄は本土として扱われていない。 島国・日本が、本土と離島を区別している事自体が歪んでいるし、悪い冗談としか言いようがない。 ラストシーン、老婆がアメリカの戦車に向かい、踊りながら近づいていく。 『唐船ドーイ』の歌声が胸に突き刺さる。 琉球処分から沖縄戦まで、日本が沖縄にしてきたことを知れば、「基地が沖縄に集中するのは、地理的に仕方ないよ」なんて簡単に言えなくなるはずだ。
沖縄を舞台にした戦争映画
東宝の作った8・15シリーズ、岡本喜八監督作。 タイトル通り、第二次世界大戦末期の沖縄を舞台にした戦争映画。 記録フィルムを使用したりしながら、本編は基本的にカラー作品として作られている。 戦争の惨さを描いており、力作ではあり、「戦争は起こしてはいけない」と痛感する映画である。 しかし、沖縄で起きたことを万遍なく捉えようとしたためか、それとも主役級俳優が多数(小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢)いるためか、全体的に散漫な印象を受ける映画になってしまっているのが惜しい。 尺も約2時間30分とそれなりにあるが、細切れ感は否めない。 東宝作品なので、酒井和歌子も大勢の中の一人として出演しており、みすぼらしい戦時中の格好をしているが、やっぱり好きな女優の一人。 毎年、お盆近くになると、上映されたり放映されたりするが、今回は日本映画専門チャンネルにて鑑賞。 <映倫No.16757>
日本人なら観るべきかと。
よくこんな大作が撮れたなというのが素直な感想。日本人なら若いうちに皆知覧ミュージアムに行ってこの映画を観るべきではないか?キャストも豪華だしリアリティがある。沖縄県民の皆さん、帝国陸軍、海軍がこれだけの犠牲を出して守った国なのだから我々がちゃんとしないといけないと思う。小林桂樹が無茶苦茶格好いい。
沖縄県民は帝国陸軍 第32軍に殺されたようなものと解釈できるが、本当にそうなのか?
この映画を見る限り、沖縄県民は帝国陸軍 第32軍に殺されたようなものと解釈できるが、それで良いのだろうか?ここまでひどかったのか? この前見た 『ひめゆり』 もそうだったが、なんで似たような話になるのだろうか? 3分の1が死んだのだから、3分の2は生き残ったと思う。生き残った術を描いてもらいたかった。戦争に負けた歴史だから仕方ないのだが。 また、何故、沖縄県民は大日本帝国陸軍に忠義を立てようとしたのか?その理由がハッキリしていない。もとを正せば琉球王国。琉球処分(併合)が1874年だから、その時から、100年も経っていない。 沖縄返還の年に公開された映画だと思うが、僕が沖縄県民で、この映画が事実だったら、沖縄返還を素直には喜べない。 僕のルーツは新潟県だが、沖縄県民の忍耐強さや純粋な所に、頭が下がる。 僕なら絶対に生き残りたい。逃げる。帝国陸軍でも逃げる!沖縄県民だったら、真っ先に逃げる。何と言われようが逃げる!真っ先に白旗少女! 仲代達矢さん演じる主人公は降伏して、生き延びている。そこをきちっと評価できないのだろうか。僕が評価できる所はそこかなぁ。 県民の違いはロシアとウクライナの違いくらいあるのでは?
庵野監督が100回は見たと言う傑作❗
劇と実話のコラボレーション。これでもかこれでもかと来る事実、それをフィクションで説く重さ。沖縄に行ったことのある人は時空を越えたリアリズムに飲み込まれてしまうであろう‼️
もはやこれまで
オールスターキャスト、大ロケーション、群れて迫り来る戦車。 今見るとよく撮ったと感嘆するしかない。 ナレーションだけでも泣ける。 リアクションが大げさなのが鼻につく。 日本軍の甘さ、わがまま、圧政、失策。そこら辺の描き方がぬるいんじゃないか。まだまだ軍人や玉砕を格好良く描こうとしている気配がある。昭和の映画ですらこうなんだから、今後は軍事の美化ばかりが目立つ世の中になるんだろうと悲観せざるを得ない。 今週の気付いた事:まだまだぬるい。
50年で日本人は変わった
史実を元に悲惨さを伝える。 50年前の岡本喜八作品。 濃い。凄みがとんでもない。 今後、延々もう出せないのではないかとさえ感じた。 内容ではなく、作り手側に対して、 日本は変わったし、日本人もたった50年で変わり切ったとつくづく感じた。 今の人が見たらどういう感想を持つだろうと想像して、なんだか萎えた。 物語は史実なのだから今さら言うまい。 どうしても言及しておきたいのは作品を組み上げた人間側であろう。 監督、脚本家はもちろんのこと、 どうしても目につく出演者など、外国人にさえ見えた。 顔、体格に始まって、体の使い方に声を含む演技も、 名優揃いとはいえ存在感がとんでもない。 この間見てきたNo Time To Dieに放り込んでも違和感ないだろうとさえ感じた。 (そうえいが丹波哲郎さんが「007は二度死ぬ」に出てたのもうなずける。仲代達矢さんは仏俳優のようだったし、東野英治郎のような俳優さんは今いるのか) 現代はさらさら、繊細な素麵なら、こちらは少々煮ても歯ごたえしっかりの讃岐うどんか。 どちらもいいが、好みはやはり食べ応えあるうどんだ、 としみじみ感じた作品となる。 しかしこれ以上、細くなったら今の日本人、消えてなくなるのでは。
悲しい歴史
ほぼ史実通りと思うと、とてもその時代に生きていく自信が無い 沖縄にも行ったし知覧も2回行き、長崎も広島も訪問した そのたびに明日からまた一生懸命がんばろうと思った この映画を見た後は正直つらかった この時期は色んな番組で戦争特集や戦争映画が放映されるが、76年たった今も忘れてはならない1ページ もし、こうしてたら、ああしてたらが一杯あって、そうしてたら多くのいのちがきっと救えたのにと思う この映画もそう感じさせられる場面がいくつもあって・・・ ウソの情報で国民をだましてたあの頃と情報を隠したり改ざんしたりしている今の政治とどう違うのかと思ってしまう さずかったいのちを大切に今はコロナと戦うぞ それにしても出てきてた役者の方に故人が多くその活躍を拝見できて良かった それが救い
仁義なき沖縄戦
フィルムの質感から鑑賞中は沖縄の風景、潮の香り、汗と血が混ざったような生々しさが画面から伝わり心が揺さぶられた。 沖縄は行ったことがないけれどそこでありとあらゆる人間、大人、子供、老人、男女関係なくありとあらゆる人があの地獄のような沖縄戦で無惨にも亡くなっていく様子はこの世の地獄絵図をありありと目にたたきつけられ戦慄を覚える。 この映画の作りは鮮血が生じている場面でも絵自体はとても綺麗だと思った。場面場面は目を背けたくなるシーンの連続だが人が死んでいくときが妙に明るく、その時に流れるBGMも悲壮感を感じられない。色も鮮やかで一種のアートのようなものを見ている気になる。 それは沖縄戦という壮絶な地獄を敢えて俯瞰して描こうとしたからなのかもしれない。結果的に大本営は沖縄を見放し、軍人も自決という道を選択し残された島民もまた毒を飲んだり自分の家族同士で殺し合いをしたり到底今の時代からは考えられない現実はそこにはあったと思うし、鑑賞中は様々な感情が巻き起こったがとてもよく描けていたと思う。
岡本喜八の名作
沖縄での戦いにおける軍、そして民間人たちを描いた作品 沖縄を捨て石のように見る大本営 沖縄県民に協力するのは当たり前と割り切った態度をとる第32軍 そして死んでいく兵士や民間人たち そんな当時の社会の縮図を突きつけられるようでショックを受けた 踊る老婆と接近する戦車に自殺していく人々の映像を次々に見せるカットバックはまるでサムペキンパーのバイオレンス映画のようだなと感じた。 重い内容の映画だけれどラストの戦場をさまよう女の子が水筒を拾い水を飲む場面を見ると、命がつながっていく、今の沖縄や日本の未来は明るい。そんなメッセージが伝わってくる
50年前の映画で、
冒頭に「黄門さま」が出ててびっくり。 でも、やはり古い映画だけに、日本軍独自の訓練、演習のシーンかと思ってたら、それが米軍からのホントの攻撃のものだったり、兵隊らの倒れる様だったり、なにかと「ちゃちい」印象は否めない。 リアリティに欠けるのはしょうがなく、特撮の爆破のようなかんじでなかなか入り込めて見られなかった。 途中で「休憩」と称して真っ暗になる時間があったり。 でも史実を伝える力作であることは確か。 過去の実際の映像を挟みながらもこの狂気の時代を描いた作品ではあった。 あれだけの物量を誇る米軍にそこまで粘らずとも、あと半年、ホント、あと半年早く日本の政府が決断して戦争が終わってたら、こんなひどい悲劇はなかっただろうに。 若い人もたくさん亡くなって、当時の政府もおかしかったし、死に急ぐ軍人もそうだし、ただただ「戦争の愚かさ」を感じる。
本作は「日本のいちばん長い日」の続編だと思います
1971年8月公開 東宝8.15シリーズは、1967年から1972年まで6年間続きました ラインナップはこうです 1967年「日本のいちばん長い日」 1968年「連合艦隊司令長官 山本五十六」 1969年「日本海大海戦」 1970年「激動の昭和史 軍閥」 1971年「激動の昭和史 沖縄決戦」 1972年「海軍特別年少兵」 このうち岡本喜八監督は、第1作と本作の第5作を撮影しています 本作はその第1作「日本のいちばん長い日」の続編とも言うべき作品と思います 本作は1944年の3月から6月にかけての物語、「日本のいちばん長い日」は同年の8月14日から15日にかけてのことですです ですから、もちろん物事の時系列では本作の方が先になります それでも本作が続編のように感じます それは「日本のいちばん長い日」で、軍部が主張した継戦、徹底抗戦、本土決戦とは何か? もし本当にそれが行われていたら日本は一体どうなっていたのか? それの回答が本作だからです 「日本のいちばん長い日」と同じ手法で本作は撮影されています 大量の情報をどんどん羅列していくのです その手法は同じものです 沖縄であったことが、確実に本土でも起こった筈と理解できると思います 沖縄だからではなく、本土でも軍は住民よりも戦闘行動を優先したであろうことも このような悲惨な沖縄戦を徹底的に描いていても 公開当時、沖縄県民から厳しい批判を受けたそうです こんな生易しいものではない! もっと悲惨な言葉につくせないものだと それほどの戦いだったのです 本作公開は1971年8月 沖縄返還協定が調印されたのは同年6月 そして沖縄の日本復帰が果たされたのは、1972年5月のことでした つまり本作はその前につけなければならないけじめを、せめて映画だけでもつけようとしたものだと思います 沖縄県民の目からすれば不十分なものであっても、それでもしないよりはずっとましです 21世紀の現代 戦後生まれ、それどころかその子供や孫の世代にとっては、遠い遠い大昔のことかも知れません しかし私たちが平和な日本に生まれて生きているのはこの沖縄戦の悲惨な結果の末にあると言うことは意識しなければならないことです だからあの時何があったのか どのような、経緯を辿ってあのような事態に陥ったのか それを少なくとも本作はそれを伝えてくれます 私たちは本作を観てその過程を知ることが大事なのだと思います 国民性は、数十年も経過して、世代が代わっても変われません また同じ過程を繰り返してしまうに違いないのです 東日本大震災で私たちはやはりそうであったことをもう経験しているではありませんか シン・ゴジラでは庵野監督がゴジラを通してそれを教えてくれています 「日本のいちばん長い日」は、近い将来また来ると思います その時、辿る過程はまた同じように繰り返えそうとするでしょう その時、本作の悲惨さ その辿る過程を、国民、政治家のどれだけ多数が思い返すことができるか それが、その時下すべき国と国民の命運を左右する決断を正しいものに導けるのだと思います だから本作は「日本のいちばん長い日」の続編だと思うのです 「日本のいちばん長い日」と本作を是非セットでご覧頂きたいと思います 永遠の名作だと思います
踊る婆と戦車砲
第32軍を中心に沖縄戦を時系列的に伝える。淡々として描き出されるため、通り過ぎてしまいそうになるが、多くの側面を幅広く捉えている。渡嘉敷村の集団自決に始まり、南風原病院での「処置」、南部撤退行に最後の抵抗まで、少なくとも今、沖縄戦を撮って、ここまでストレートに伝えることは難しいだろう。司令の自決の場所に逃げ戻った兵士が雪崩れ込んできて、混乱の中で腹切りと、美学とは程遠い。描写に不足はあるかも知れぬが、少なくともそのものを伝えておきたいという作り手の意欲が伝わってくる。
6月23日は慰霊の日
慰霊の日に何か出来ることはないかと、この作品を観ることにしました。史実に基づき細かな軍部の動きなどを再現してあり、ドキュメンタリー作品を観ている気分にさせてくれた。ドキュメント映像とともに人間模様を描いてはいるけど、再現フィルムっぽくて感情移入を許さない、逆に島民や兵士の一部となって観ることができました。 特に詳しかったのが、第三十二軍を中心に大本営とのやりとり、第九師団が台湾へ引き抜かれたことなど、沖縄を本土決戦の盾にしている様子でした。民間側としては数々の洞窟における避難や集団自決など、知っていることもあれば、初めて知る史実もあり、満足いく内容でした。 淡々としたエピソードのほか、散髪屋・比嘉三平を演ずる田中邦衛もストーリーを引っ張る重要な役目でしたが、ところどころにユーモアを取り入れ、人間のにじみ出るおかしさも喜八監督や新藤兼人らしく描かれています。そして、兵士によって壕を追い出されたり、スパイだとして撃ち殺されたり、戦争による狂気もしっかり描かれてます。 なんと言ってもオールスターキャストであるところが凄い!スターであっても惜しみなく使い、死にゆく様子を描いています。火薬の量も半端ないと思うし、スピード感もある。美しい死にざまなんてない、10万人の兵士・15万人の県民の死は今でも忘れてはならない事実だ(兵士よりも県民の犠牲者が多いのも特徴)。72年に返還されるも、いまだ米軍基地が住民を苦しめている事実も考えなければならないと思う。
沖縄が戦場だった日々
東宝8.15シリーズ第5作。
「激動の昭和史」シリーズ第2作。
Blu-rayで鑑賞。
太平洋戦争末期に行われた沖縄戦の悲惨さを、監督・岡本喜八、脚本・新藤兼人、小林圭樹、丹波哲郎、仲代達矢他オールスターキャストを配し、迫真のドキュメンタリー・タッチと凄絶な戦闘描写で描き出した戦記大作。
沖縄戦の、その始まりから終わりまでを、冷徹な眼差しで俯瞰していました。だからこそ、その痛み、その怒り、その苦しみ、その悲しみが浮き彫りになって来る…
本土防衛の要とされながら、理不尽な兵力の抜き去り、期待していた航空支援の拒否によって当初の計画は水泡に帰し、多くの島民を巻き込んだ激しい戦闘となりました。
老いも若きも、男も女も、区別無しに命を落としていきました。阿鼻叫喚の地獄絵図と云う表現がなまやさしく聞こえて来るほどの苛烈極まる惨状だな、と…
過酷な戦場で、手榴弾や青酸カリで自決していく人々…。軍人ばかりでなく、一般の人まで次々に…。何故、島民まで犠牲にならなければならなかったのか…?
亀甲墓の中で無理心中を図った一家、生き残った老婆が発狂し、墓の前で踊り狂う…。そこへ迫り来る米軍戦車部隊…。狂気以外の何ものでもないシーンに、戦慄を覚えました。
民間人を巻き込み、勝てる見込みの無かった戦いを続け、もう後がないとなったら、さっさと自決してしまった第三十二軍の上層部には、ほとほと呆れるしかありませんでした…
犠牲者数のテロップが出た時、怒りか悲しみか、なんと形容すればいいか分からない感情がこみ上げて来ました。軍の犠牲者より、島民のそれの方が多かったからです。
どうしてこんなことになったのか?―戦い続ける意味はあったのか?―何故やめられなかったのか?
戦争なんてしてはいけない、絶対に…
多大な犠牲者の血が染み込んだ沖縄と云う場所が、強く訴え掛けて来ているような気がしました。
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