病院坂の首縊りの家のレビュー・感想・評価
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0177 市川崑金田一有終の美
1979年公開
「草刈よ、お前は案外コメディに向いている」
昨今三谷幸喜作出演が続く草刈正雄に市川崑が放った助言。
ということで、原作にはない役どころでストーリーテラーを
果たし石坂金田一より印象に多く残る。
原作は一つの長編に2つの物語があり五里霧中で終わる
昭和28年の殺人事件を20年後に起こった殺人事件を経て
一挙解決という趣向。
まあ滅茶苦茶長いので流石に詳細は覚えていない。
映画では最初の事件だけで終わらせているが賢明。
タイトルバックはいつもの市川明朝体でなく
音楽も劇中ジャズをそのまま流用したので今一つ残念。
このシリーズは主演女優が若かりし頃を演じるのも
お約束のひとつだがさすがに佐久間良子はちょい厳しい。
桜田淳子は意外と存在感があり物語の幅を拡げている。
一人の監督がテンションを維持できるのもやはり3作
ぐらいなのかな、と改めて感じる。
しかし探偵映画史に燦燦と輝く市川金田一シリーズは
何度見返しても面白いと思う。
DVDBOXの匣は購入したが4K出されたら経済的に
しんどいなあ。でもファンはマストなんですよね。悲しい。
80点
1979年6月17日 敷島シネマ
パンフ購入
桜田淳子がこんなにきれいだったとは
桜田淳子がこんなに歌えるとも、当時は知らなかった。色白で目もきれいで、見とれてしまった。しかし、横溝正史作品は、いつも女性が酷い目に遭うのが嫌だねえ。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
石坂金田一
横溝正史が書くミステリーは、人里離れた村の古い風習や血縁ある者たちの隠された因果に関わるものが有名ですが、ご本人の複雑な生い立ちが深く関係していると聞いたことがあります。それらの物語が全くの絵空事ではなく、何となく日本人のDNAに刻まれているかのような気分にさせられるので、とても怖く、一方で他人事ではないように思えて引き込まれます(汗;)。今作は、桜田淳子の二役がなかなか名演でよかったのですが、出生の複雑さもあって、どっちが由香利でどっちが小雪が頭がこんがらがりました(苦笑)。佐久間良子の存在感は流石でした!美しさゆえに、あんなことに…。世の中には様々な殺人事件がありますが、単に自己欲望を満たすための短絡的なものではなく、今作のような悲しい物語には、しみじみとした後味が残り、それを体現してくれるのがまさに石坂浩二さんの金田一耕助だなと改めて実感しました。
横溝氏本人の寒い芝居でスタート。前作ヒロインの中井貴恵は格下げで空...
横溝氏本人の寒い芝居でスタート。前作ヒロインの中井貴恵は格下げで空気(笑)
きっとこの人が犯人だな。はい当たりー、ぶれない姿勢が好きです。本筋と関係ないところで楽しめるのは健在。しかし、今回の殺人はかなり無理筋。そんなに簡単に殺せません。ましてや首チョンパは不可能でしょ。
桜田淳子だ、狂気の演技、怖い、さすが統一◯◯。草刈正雄助手がなかなかいい味。
加藤武、毎回なんで金田一と初対面っぽい?認知症か(笑)「よーし、分かった。犯人は滋だ」親の前で言うなよ。最後、おいしいとこどりは前作同様。
萩尾みどり、メインではないが心に残る美しさも前作同様。前作同様と言えば、地方捜査で手がかりくれる不気味おばさんもそうだよな、今回ツボった(笑笑)坂口良子がいないのだけが残念であった。
大団円はムリが多過ぎた
角川春樹、横溝正史、市川崑、石坂浩二で一時代を築いた映画群だったが、マンネリと疲れを感じる。石坂浩二のラストの表情はやり遂げ感か開放感か? いい表情だったと思うよ。
さて、人間関係が複雑すぎて、これは映画にできないでしょ。刑事ドラマのように相関図を説明するのを刑事と共に観客も確認するぐらいしなきゃムリ。原作だってきっとそのはず。
という本来この作品では大事な、相関の理解は完全に放棄してみると、若き草刈正雄の飄々とした演技はスター性を感じさせ、桜田淳子のぎこちないが体当たりの演技が光る。さらに、無法松を感じさせる小林昭二も良かったけど、印象に残ったのはこれだけだね。
巨匠市川崑も、ジャズをバックに古い街並みを金田一が下駄ばきで走る、といった素晴らしいシーンもあるのに、後半は巨匠も金田一も完全に息切れ。ラストまでジャズにしていたらそれだけでも十分な幕切れになったはず。
結局、横溝正史が自ら出演し幕引きをしたってことか。
ちょっと疲れたかねー
桜田淳子ちゃん!びっくりしました。花嫁姿の撮影場面はメイクと表情が凄くてしばらく頭に残るインパクトがありました。役者としてもいけたんじゃないかなー。3人娘の中で一番爽やかで色んなお仕事できそうかなと思ってました。
経験豊かな女優、今回は佐久間良子さん素晴らしかったです。香を聞く場面も美しかった。白髪がうっすらと増えるところも良かったです。そして着物素敵です。
私は姻戚関係を頭の中でわかる方なんですが、この映画では途中で不安になってしまって何度もメモしました。
市川崑監督のこのシリーズ、ずっとそうでしたが日本家屋の屋根の美しさ、戦後の和洋折衷の建築のすばらしさ、よく70年代に映画にしてくださったと思います。戦争と戦後を描かれて良かったです。映像がとにかく美しいです。今回の横溝さんは台詞がたくさんありました。上手くなかったけれど登場なさってよかったです。
音楽はジャズ!オープニングのクレジットは前回までの市川崑流ではありませんでした。監督、もうお腹いっぱいだったんでしょうか?私もちょっとそんな感じ。だけど連続鑑賞できました!幸せです。
【旧家・複雑に入り混じった血縁関係・残虐な殺人シーンも健在の”市川崑&石坂金田一シリーズラストの掉尾を飾る作品。人間関係の複雑さ故に、家系図を書いてしまいたくなる作品でもある。】
ー 横溝金田一シリーズの特長、
・旧家内での過去にまで遡った醜い人間関係
・複雑に入り混じった血縁関係
・残虐な殺人シーン(真っ赤な血が、ビュービュー出ます・・。)
は今作でも健在である。ー
■感想
・内容は割愛(書きにくいしね!)
・冒頭、昭和26年の吉野市の”先生(横溝正史先生)”が、棒読み台詞で喋る喋る・・・。奥さんも出演したのかな・・。
ー ラスト作だから、今まで以上にご出演!ー
・当時の超アイドル、桜田淳子さんも、重要な役で出演。
・”良し、分かった!”が口癖の”全然分かっていない”等々力警部(加藤武)も健在。
・金田一より頭の冴えるお若くて、格好の良い、草刈正雄さん。
・真犯人が、キャスティング時点で分かってしまうのも、お決まりである。
ー ほぼ、一番の美しき大御所さんが、犯人です。ー
<昭和初期の写真館の位置づけ、複雑な人間関係、トリック、そして、ラストの病院坂での哀しき犯人の最後も印象的な、市川崑&石坂金田一シリーズの掉尾を飾る作品である。
こういう映画は、令和では流行らないのかなあ・・。
”ジャパニーズホラー&ストーリーも優れた探偵モノのMIX作品”だったら、一定の需要はあるのではないかなあ・・。>
これが最後だ! それは市川崑監督の悲鳴だったのだ
これは辛すぎる
市川崑監督も流石に嫌気がさしているのが観ていて伝わってくる
特典映像の、特報や予告編を観ると、盛んに本家東宝の金田一耕助シリーズと訴えている
本作は1979年5月の公開
松竹の「八つ墓村」は1977年10月
東映の「悪魔が来たりて笛を吹く」は1979年1月
競合他社が出す以上対抗するのは営業上当然のこと
しかし立て続けに5作品では、いかな市川崑監督でも厳しい
監督自身も流石に飽きもするだろう
どんなに美味しいラーメン屋でも、5日も連続で通ったら辟易するのは当たり前だ
原作もめぼしいものは残っていない
かなり手を入れて翻案しないと面白いものは撮れないだろうことは監督が一番良く分かっていたはず
なのに本作の原作を選定した
おそらく覚悟の上の自爆だ
本当に終わらせたかったのだろう
犯人の動機は横溝正史の世界に合致している
しかし一般大衆の観る映画としてその動機の原作を選択するのは疑問だ
まして女性客が多いシリーズなのだ
しかも人間関係の複雑さが特徴の横溝正史の作品でも本作は群を抜くややこしさ
序盤の廃屋での婚礼写真、生首の風鈴の二つのシーンはインパクトもあり美しさすら感じる
しかしあとはもう退屈だ
観る根気が続かない
早く終わってくれと念じてしまう始末
これが最後だ!
これは特報と予告編にある宣伝文句
老婆のおどろおどろしい声は耳に残る
しかし本編にはどこにも存在しない
そうでもしないとならなかったと言うことだ
その宣伝文句は市川崑監督の悲鳴だったのだ
草刈正雄は彼を主演に使って、別の誰かが金田一耕助シリーズをやれば良いじゃないかという監督の訴えだろう
桜田淳子と草刈正雄の美しさ
犬神や手毬の焼き直しなセルフ贋作ゆえ失敗作とするが桜田淳子の本作の為に生まれたかのような異様な美しさと草刈正雄の石坂を喰うトボけていてこれまた美しい好演は必見と言ってよかろう。
観客より駄目な岡本信人も讃えねば。
犯人は捕まえないスタイルの石坂金田一第5弾
昭和な感じが懐かしい石坂金田一の第5弾です。ここまで5作品観てきたのですが、犯人は捕まえずに勝手に自殺させるスタイルは一貫してましたね。謎は解くけど捕まえはしないという。最早本作は自殺するとわかってても、あえて見逃している感じでした。
生首風鈴はインパクトありましたね。その自殺っぷりも、っというか自ら首を切って血がブシャーっと吹き出た後にしっかり遺言は残すのもちょっと面白かったです。でも個人的にはギター殺人が笑ってしまいました。ギターが頭を突き抜けた状態で死ぬのは嫌やわ~。
石坂浩二の金田一は安定していましたね。「わかった!」警部の加藤武など毎回同じ俳優さんが違う役を演じるのって面白いですね。シリーズとして繋がってないけど、繋がってるような感じです。冒頭とラストに出てきた微妙な演技するな~っと思ってたおじいちゃんは原作者の横溝正史だったんですね。マーベルの映画でスタン・リーがカメオ出演してたのと一緒ですね。こんなドロドロした話ばかり考えて書いてたのはスゴいと思います。
何はともあれ有名だけどよく知らなかった金田一シリーズなのですが、これで石坂金田一はひとまず見てしまいました。昭和の雰囲気がある、リアルよりもインパクト重視な探偵物だったと思います。
タイトルなし
(原作既読)あのくそ長い上に横溝正史作品の中でも余り面白くない小説を3時間強の長さしかない映画にするのだから訳のわからない話になってしまって当たり前。ラストの佐久間良子の美しい死顔だけが取り柄の映画。
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自宅(CS放送)にて何度目かの再鑑賞。市川崑監督の“金田一”シリーズ第五弾。原作の時系列では金田一最後の事件となり、監督夫妻の共同ペンネーム“久里子亭”が手掛ける金田一ものでも最後の(日高真也との共同)脚本となる。最初と最後に原作者横溝正史(夫妻)が登場、このシリーズでは常連だが関西弁訛の拙い長目の演技を披露している。シリーズ中、最も地味な印象で、良くも悪くも“法眼由香利”・“山内小雪”の二役、桜田淳子の映画。撮影当時40歳だった佐久間良子、“法眼弥生”娘時代の回想シーンに失笑する。50/100点。
・オープニングのフォントが変更されたのに加え、監督お得意のアヴァンギャルド性も鳴りを潜め、シリーズ中では最も印象が薄い一作。
・鑑賞日:2012年3月29日(木)
冒頭からいきなりの横溝正史登場!びっくりします。
写真館とジャズバンドと法眼病院一家。三つが見事に殺人犯によって融合してしまう。写真館までがどうして繋がりを?などと面白い設定ではある。数人が一挙に電話をかけるシーンとか、実験的な映像も楽しめのですが、なぜだかストーリーにのめり込めない。法眼一家の家系図が複雑すぎることと、上下巻にわたる長編をまとめようとしたことに原因があるのかもしれない。それに、犯人が最初からわかってしまうような撮り方も原因なのか・・・
ストーリーを進める上で、金田一の助手となるべくコミカルな脇役が今までは女性が多かったのに、この作品では草刈正雄が演じている。随所に面白い試みがあるのに、とても残念な結果となった。
最後の事件…最終作にして異色作!
金田一耕助シリーズ(石坂浩二主演版)第5作。
DVDで鑑賞。
原作は未読です。
最終作であると同時にいちばんの異色作でした。
冒頭から様子が異なっていました。黒バックに明朝体のクレジットが印象的なオープニング・シークエンスが無かったからです。ジャズ・バンドの演奏シーンに被せてキャスト・スタッフがクレジットされ、石坂浩二はトメ。字体も明朝体ではなくゴシック体。いつもと違うぞと、期待半分・不安半分…
ディスカバリー・ジャパンを標榜し、日本人の根底に息づいているものを浮き彫りにするような印象でしたが、本作では先述通りジャズ・バンドが登場し、舞台も東京の住宅街。何より金田一耕助が渡米する前と云う設定なので、戦後急速に普及し始めた欧米要素が強調されているなと思いました。
異色作ではあるものの、事件の奥底にあったのは、複雑怪奇な人間模様と愛欲にまみれた悲しみのドラマでした。一族の秘密が炙り出されていく展開はさながら「犬神家の一族」のようで、シリーズが一周回って最初に戻って来たみたいでした。
市川崑監督としては、本作を最終作としながらも本当はまだシリーズを続けたくて、敢えて新展開を彷彿とさせる演出をしたのではと思いました。いつでも再スタート出来るように…
思惑に当時の最新刊であった原作がピタリと当てはまり、話題性も充分だしちょうどいいんじゃないか?―と云うことになったのかなと、そんなことを考えてしまいました。
※鑑賞記録
2022/08/06:Amazon Prime Video
※修正(2022/08/06)
よかった
名家でおじいさんがやたらと愛人に子供を産ませて、従兄妹同士で結婚したりして、生首で殺されて女将的なおばさんが真犯人って『犬神家』と一緒じゃないか。ハメ撮り写真がポイントになっていたのが面白かった。
いつの日かまた、金田一の映画を!
監督・市川崑×主演・石坂浩二による金田一耕助シリーズ第5弾にして最終作。
原作でも金田一最後の事件。
廃屋に生首が吊るされた事件を機に、ある一族の忌まわしい過去が明かされていく…。
市川&石坂コンビのこの一連の作品は紛れもなく邦画史上に残る名シリーズ。
なので、一作一作どれもが傑作…とは言い難いのが本作。
はっきり言ってちと失敗作であった。
原作はシリーズ最長。
事件は一旦迷宮入りし、昭和28年と48年の二つの時代を股にかけ、金田一も事件解決までに20年もかかった言わば“超大作”。
それを、映画は昭和26年に限定して描いた為、まずスケールダウン。
故に、物語の展開も事件の経緯も登場人物も大幅にカット。
三世代に渡った法眼家の一族が二世代となり、その孫世代や金田一が愛着沸いた“アングリー・パイレーツ”ら若者たちの描写もほとんど描かれず。
この映画だけでも登場人物関係図はちとややこしいが、本来はもっと多くてもっと複雑。個々のドラマも複数派生。
原作をそのまま映像化したら、とてもとても2時間強に収まらない所か5~6時間以上にもなり、あまりにも話が長過ぎて飽和状態にも感じてしまうが、それが大河ドラマ的原作の醍醐味だっただけに残念でならない。
それから、最大の落胆はスタッフ・キャストのタイトルクレジット。
印象的な黒画面に曲がりくねった白の明朝体ではなく、至って普通…。
映画オリジナルキャラ、コメディリリーフで金田一の助手的な若き草刈正雄のイケメンっぷりと、一人二役、桜田淳子の美貌は見るものあり。
シリーズ皆勤賞の草笛光子、大滝秀治、小林昭二、三木のり平。
中でも、小林昭二には美味しいシーンが用意された。
犯人の隠し続けた哀しき過去とその動機。
犯人に同情的な悼みを禁じ得ない金田一と、犯人に仕えた小林昭二演じる人力車引きのラストシーンは、シリーズのトリを飾るに相応しいものであった。
(ついでに言うと、小説家Y役のアノ方の出演もね)
いつの日かまた、金田一がスクリーンに戻って来る事を信じて…。
我儘ながら、その時、「病院坂」の完璧な映像化も。
桜田淳子がエロっぽかった~
石坂浩二演じる最後の金田一作品である 「病院坂の首縊りの家」
犬神家の一族・悪魔の手毬唄・獄門島・女王蜂・・・と、かなり有名作品の中では一番存在の薄い作品ではありますが、とてもおもしろい作品でした。
金田一の映画は、正直同じパターンなのですが、この作品は全ての役者の演技がとても素敵でした。
特にその頃人気があったであろう、桜田淳子のエロっぽさ(エロスと色っぽいを足した感じです。)が作品のキーワードになっているかと思います。
(草刈正雄のびっくりするくらいイケメンな姿もオススメです。)
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