「ベタベタのラブストーリーで突っ込みどころ満載ですがこれでいいんです」銀座の恋の物語 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
ベタベタのラブストーリーで突っ込みどころ満載ですがこれでいいんです
会社のご高齢の重役が夜のお店で綺麗なお姉さんとデュエットする曲で有名です
もしかしたらカラオケの画像に本作が使われているものもあるかも知れません
歌はもちろん石原裕次郎、ラストシーンで初めて女性パートの歌が入りますが、これば浅丘ルリ子ではなく、樹理役の牧村旬子です
レコードでは彼女が歌っているので、配役されたと思われます
台詞も出番も何回とあってそれなりに丁重に遇されています
浅丘ルリ子は歌いません
その代わり江利チエミが出演しており、ステージシーンや挿入歌を歌ってくれます
歌唱力は圧巻です
主題歌はタイトルバックとラストだけでなく、序盤に短いものが何度もはいるだけでなく、おもちゃのピアノで弾いてみたり、様々なアレンジで劇伴で使われており始終流れています
ベタベタのラブストーリーで突っ込みどころ満載ですがこれでいいんです!
泣きました
石原裕次郎 28歳、浅丘ルリ子 22歳の姿です
石原裕次郎は流石にスターのオーラが半端なくまるでステージのスポットライトを常に浴びているかのようです
ただ浅丘ルリ子はまだオーラを発ししきれていません
鷲と鷹の時の17歳の可憐な少女から、大人の女性への脱皮のまだ途中という印象です
記憶喪失の治療を受ける医師が、本作の13年後に寅次郎相合い傘で車竜造として、浅丘ルリ子が当たり役のリリーさん役と共演することになるのも面白いです
いかにリリーさんが浅丘ルリ子を個性を反映していた役であったのかがよく分かります
1962年の銀座
銀座がまだ若者の街だった時代
銀座4丁目交差点や松屋、日劇は分かりますが、後はもう変わりすぎてどこがどこやら
三愛ビルはまだ建設中でした
しかし古い洋画の中のNY に少し似ています
主人公の伴 次郎と宮本の住むボロアパートは何となく、巴里のアメリカ人でのジーンケリーのアパートを思わせます
重要な小道具の久子をモデルにした肖像画が浅丘ルリ子に良く似ていてなかなか上手い絵でした
衣装もさすが銀座が舞台、垢抜けています