内容は、薄幸の人と言われた宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を映画アニメ化した作品。宮沢賢治の世界観を映像化するという無謀な冒険に挑戦した作品は脱帽するほど鑑賞深い作品です。印象的な台詞は『きっと何処かで逢っているんだね』原作には描かれていないトウモロコシ畑の一場面。嫉妬から一人ぼっちだど思い込んでいたジョバンニが、人間として存在を認められたかの様な嬉しさが伝わってくる台詞が痺れる。印象的な場面もこの時のアメリカ🇺🇸に憧れを抱いた宮沢賢治らしく心象風景のスケッチとBGMの新世界第二ラルゴが宮沢賢治の『種山ケ原』と重なり誰しもが日常生活で、忘れかけている気持ちを思い出させる様で素晴らしい表現だと感じる。歌詞・遠き山に日は落ちて・家路と三位一体となった表現は恐ろしささえ感じる震えが止まらない表現はトラウマものです。印象的な状況は、原作は何度も何稿も読みましたが、イメージしきれなかった所の映像化と映像化した事による弊害を考えながらも過剰な程分かりやすく心情を描いた親友カンパネルラの表情と動作が良かった様に感じました。タイタニック姉弟の最後の寂しそうな『さよなら』やカンパネルラの『さよなら』は何処か諦めにもにた怖さと寂しさを感じました。宮沢賢治の云う、『ほんたうの幸いとは何か』にフォーカスした非常に難しい映像化はホラー映画の様で難解で見る人によって意見がかなり分かれるとは思いますが子供から大人までいつ見ても何か心に沁みる作品は、時代を越えて楽しまれる作品だど思いますし、後世のアニメ作家に呪の様な重荷を与えた様に感じます。宮沢賢治の世界観という理解し難い葛藤の世界を具現化するというタブーに挑戦した素晴らしい作品です。